親と子で家庭内暴力をどう乗り越えるか
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親と子で家庭内暴力をどう乗り越えるか

不登校の経過の中で、子どもの暴力が出ることはよくあります。家庭内暴力がある場合、親の対応は困難をきわめることがしばしばです。

 

 

 

 

 

しかし、別の見方をしますと暴力が出るのはエネルギーがあるということでもあります。エネルギーがあることは、非常にいいことだと思います。

 

 

 

 

 

エネルギーがないと、回復も難しいのです。思春期までは親や学校などの大人が環境を設定し、子育てをしてきました。

 

 

 

 

 

思春期になるとその環境を子ども自身が打ち破り、自分自身で人格を磨きなおすのです。

 

 

 

 

 

思春期を大人になるための最後の調整時期というのはそういう意味です。ここでは家庭内暴力のケースを通して、親の役割を考えていきたいと思います。

 

 

 

 

家庭内暴力の事例

 

 

 

 

 

中学2年生の息子W(長男)のことで悩んでいます。中学1年生の11月ごろに部活を辞めましたが、そのころからわたしに無理難題を言うようになり、気にさわると物を投げたり壊したりして荒れ狂うので対応に困り果てています。

 

 

 

 

 

最初のころ、息子の暴力のことを夫に言って叱ってもらったのですが、「あいつに言いやがって!」とあとでたいへんなことになり、夫にも相談できない状態になってしまいました。

 

 

 

 

 

学校はなんとか行っていますが、家での状況はますますひどくなるばかりで成績も下がる一方です。

 

 

 

 

 

思い余って、大学病院の精神科の「思春期外来」にわたしだけで相談に行ったのですが、本人が来ないと診断できないと言われて結局そのままになってしまっています。

 

 

 

 

 

親自身がカウンセリングを受けることの必要性

 

 

 

 

 

W君はまだそれほどひどくはないようですが、家庭内暴力の典型的な子どもさんのようです。

 

 

 

 

 

家庭内暴力の典型的なケースは、学校ではおとなしく、担任が何も問題を感じていない場合がほとんどです。

 

 

 

 

 

中学生や高校1年生までは、本人へのカウンセリング的かかわりとともに、親に対するカウンセリングが必要です。

 

 

 

 

 

高校3年生以降になりますと、”親のことは放っておいて、家から独立することを考えよう!”と本人にも言えますし、実際、もう親の役割は少ないのです。

 

 

 

 

 

しかし、中学生までは、親が変わらないと子どもは立ち直れないのが現実です。そのため、親がカウンセリングを受けて親自身が子どもへの対応を考え直す努力が必要です。

 

 

 

 

 

わたしはこのような考えに立っていますので、親だけの面接でも当然受けています。他のほとんどの相談機関も、まず親だけの相談からはじめていると思います。

 

 

 

 

 

W君は長男でもあり、ご両親の期待を一身に背負って育てられたようです。ここ数年早期教育がますますエスカレートしていますが、親の不安と焦りにまかせて、子どもの将来を思って一所懸命に子育てに励むことが必ずしも子どものためにならないのが現代です。

 

 

 

 

 

 

W君の場合、親が先々にお膳立てをして小学校時代を過ごしてきたようです。しかし、親がお膳立てができるのは小学校までです。

 

 

 

 

 

中学生になり、成績が下がり、部活動でも行き詰ってしまったとき、自分自身の体験が少ないW君はどうしたらいいのかわからなくなって今までのようにお母さんにどうにかしてくれ、と訴えているのです。

 

 

 

 

 

典型的な家庭内暴力の子どもの性格的な問題は、「未熟性と他罰性」です。

 

 

 

 

 

未熟性はW君のように親の言うままに生きてきたため、実際の生活体験から学ぶという経験が不足した子どもの特徴といわれています。

 

 

 

 

 

また、他罰性とは、何か自分に不都合なことが起こったとき、その原因を他人に求める傾向のことです。

 

 

 

 

 

しかし、自分の意思ではなく、親の指示に従って生きてきた家庭内暴力の子どもたちが困ったとき、その責任を親に求めるのは当然のことかもしれません。

 

 

 

 

 

思春期は、人生での最後の調整時期であるといわれています。子育て方法には何か問題があったにせよ、一所懸命に子育てをしてきたご両親は、子育てに対する熱意は十分あります。

 

 

 

 

 

自分たちの子育てが間違っていたのではないかと気づき始めた今こそ、専門家のカウンセリングを受けながら、ぜひもう一度子育てに取り組んでいただきたいと思います。

 

 

 

 

 

思春期には小学校までとは違って、子どもと親とがひとりひとりの人間として向かい合う新しい子育ての局面が始まるのです。

 

 

 

 

 

家庭内暴力は親の体罰への報復?

 

 

 

 

 

わたしの経験では、家庭内暴力のケースは、親が乳幼児期や小学校低学年の時期に体罰を多く使って育てられた子どもたちが多いように感じます(もちろん全員が当てはまるわけではありません。例外もたくさんあります)。

 

 

 

 

 

W君も体罰の多い家庭環境で育ってきていました。子どもにしてみれば、家庭内暴力は親がしてきた暴力を子どもが真似たにすぎません。

 

 

 

 

 

ただ、親が絶対的強者であった小学校までとは逆に、子どものほうが強くなっただけなのです。家庭内の物事が暴力で決まるという事態にはなんの変わりもありません。

 

 

 

 

 

「俺がまだ小さくて、何も抵抗できなかったころに受けた体罰の苦しさは、こんな生やさしいものではなかった。あの苦しさを少しでも味わってみろ」、「俺が今こんな状態になったのは、体罰で無理やり塾や習い事をやらせたお前らのせいだ。どうしてくれる」という子どもたちの叫びには真実がこもっています。

 

 

 

 

 

家庭内暴力は親の体罰への報復のケースが多いように感じます。

 

 

 

 

 

「子どもの暴力は、自分たちの誤った子育ての結末である」という親の反省なしには、子どもは立ちなおれません。

 

 

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