社会復帰に向けて~ひきこもりと固執した観念~
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社会復帰に向けて~ひきこもりと固執した観念~

 

ひきこもりの人を社会復帰させるには、克服しなければならない大きな壁がいくつかあるように思います。

 

 

 

 

 

1点目は、「母親、家族からの心理的自立」です。不登校やひきこもりになると、本人はまずそういう自分が許せない、情けないと意識します。

 

 

 

 

 

そうすると自己否定が強くなり、逆にその姿を知られたくないために虚勢を張り、プライドがどんどん高くなります。

 

 

 

 

自分のつらさ、苦しさを唯一甘えられ、頼れる存在である母親へぶつけ、家庭内暴力が出てきます(まったくでない人もいます)。

 

 

 

 

 

するとさらに自己否定が強くなり、母親への暴力がさらに強くなる悪循環になります。この段階で母親が逃げたり、父親が本人を対処しきれなかったりすると、家庭内は崩壊状態となってしまいます。

 

 

 

 

 

兄弟姉妹も最初は同情的であっても、このような状態にした本人に対して、憎しみや悪感情が出てくることも多いのは推測でき、いたしかたないことでもあります。

 

 

 

 

 

すると本人は、余計に「母親」にとらわれてしまいます。母親に対する「お前のせいでこうなった。一生責任を取れ」という言葉は、中学生や高校生からも聞こえてきます。

 

 

 

 

 

母親に執着しすぎることをやめて、カウンセラーや精神科医などにかかわることで本人が自分のために道を切り開いていこうという意欲が持てるようになることが大切だと思います。

 

 

 

 

 

2点目は、時間管理ができるようにすることです。社会に出ると遅刻や早退はよほどのことがないかぎり許されるものではありません。

 

 

 

 

 

平気で人を待たせる人もいることは事実であり、たとえ5分でも早めに来ることを教え、訓練が必要な人もいます。

 

 

 

 

 

私もひきこもりの人と待ち合わせ、5時間遅れてきても本人は謝りもしなかったことがありました。

 

 

 

 

 

3点目は、対人関係の訓練です。声の小さい人が多く、伏し目がちであり姿勢が悪い人が多いのですが(この点でひきこもりからの回復度合いがわかります)、このように声の出し方から始まり、年齢を考えるとあまりにもかけ離れたファッションであれば、それに気づかせることも必要です。

 

 

 

 

 

言葉づかいに関しても、日常話す友達会話であっても、(彼らが学齢期であろうが、成人に達していようが関係なく)丁寧語、尊敬語、謙譲語になってしまうこともよくあります。

 

 

 

 

 

これでは友達や同世代との会話に違和感を生じてしまいます。これを友達言葉で話せるように訓練する必要があると思います。

 

 

 

 

 

4点目は、社会の現実と社会性をしっかりと身につけさせることです。かなりマイペースであり、自分ではそのことに気がついていない人も多いようです。

 

 

 

 

 

考え方も柔軟性をもつことができればいいでしょう。ともすれば極論に走りがちな彼らに出会うことが珍しくありません。

 

 

 

 

 

5点目は、ビジネス訓練をしっかりと受けさせることです。同年齢で社会に出ている人は、何らかの形でそれらを培ってきているからです。

 

 

 

 

 

面接の受け方であれば本で読んだり、何件も面接試験を受けて自分で会得したり、友達同士で情報交換をしたりします。

 

 

 

 

 

時には学校側が指導してくれる時もあります。電話対応など、基本的事項は会社の先輩が指導してくれたり、大きな企業では研修所で合宿をして指導をしてくれるところもあります。

 

 

 

 

 

しかし彼らは20代、30代であっても、この点において同世代の人たちと比べるとかなり見劣りする傾向があります。

 

 

 

 

 

このような状態ですぐに働けと言われても、不安でいっぱいであることは間違いないでしょう。また、彼らを研修させてくれる場があればいいのにと常に思っています。

 

 

 

 

 

この企業研修先を開拓し、定着させることが一番の課題だと考えています。

 

 

 

 

 

自分のやりたい職業の研修先で何ヶ月かボランティアとして働き、実際の仕事の流れを身体で覚える体験は、ひきこもりではない人にとっても価値のあることだと思います。

 

 

 

 

 

そのほか、ひきこもっていた空白時間のつじつま合わせ等、彼らを社会参加へ導くためにはクリアできたほうがよいと思われる壁がたくさん出てきます。

 

 

 

 

 

ひきこもりに関して気になる2つの問題点

 

 

 

 

 

ひきこもりの問題に関して、私が相談者との面談を通して感じていることが2点あります。

 

 

 

 

 

1点目は、「受容する」という言葉の意味の扱いです。確かに本人の状況いかんでは、「受容する」ことが一番大切なかかわり方です。

 

 

 

 

 

特に不登校になり始めて、本人が葛藤から落ち着きを見せるためにはこの姿勢が基本です。しかし、いつまでも「受け入れる」姿勢では、本人の意に振り回される家族関係ができあがってしまいます。

 

 

 

 

 

ひきこもりの状態に移行しても母親が受容体制をしっかりとれば、母親と兄弟姉妹の関係も表面上はさほどギクシャクしないようです。

 

 

 

 

 

しかし、この関係ができているのに本人の意にばかり沿い、他の兄弟姉妹に犠牲を強いるのはよいことではありません。

 

 

 

 

 

昼夜逆転の生活で好きな時に好きなように振る舞う暴君に仕立て上げては、本人のためにもよくないことです。

 

 

 

 

 

家庭の中のルールは、家族がしっかりと本人にも要求できるよう、また、守らせることが社会に出るためにも必要です。

 

 

 

 

 

つまり、「受容」ばかり続けていては、社会性を身につけさせることはできないということです。

 

 

 

 

 

本人の状態の変化に合わせて、対応も変えていかなくてはならないのです。

 

 

 

 

 

2点目は、いまだに「母親の在り方を責める」精神科医やカウンセラーがいることです。それでなくとも大多数のお母さんたちは、自分自身を責めていることが多いのです。

 

 

 

 

 

たとえ、「あー、これはお母さんが考え方を変えたほうがよさそうだな」と思えたとしても、それを責めるのではなく、上手に気づかせることがカウンセラー側の立場であり、仕事であると思います。

 

 

 

 

 

お母さんの生育歴や、当時置かれていた家庭内外での環境や状況があるものです。その立場を理解して、お母さんの心の援助を通して元気に明るく、力強く、問題に対応していく力をつけさせることが、一番問題解決に有効だと思います。

 

 

 

 

 

ひきこもり問題に関しては、過去の振り返り作業は大切なのですが、過去の在り方を問うのではなく、原因追求でもないのだと思います。

 

 

 

本人の未来への道程の入り口にたどり着くために、かかわる資料探しをするだけであると考えています。

 

 

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