普通の社会人からひきこもり・ニートになる人たち
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普通の社会人からひきこもり・ニートになる人たち

わたしたちはひきこもりやニートの社会復帰支援を長年していますが、

普通に高校・専門学校・大学等を卒業して、社会人となり、職場の第一線で働いていたものの、会社をリストラされたり、人間関係に悩んだり、精神や肉体を酷使するような残業に耐えかねて退職し、そのままひきこもりやニートになる人が増加している印象があります。

 

 

 

 

なぜ、普通に社会生活を送っていた人たちがひきこもりやニートになるのでしょうか。そこには、対岸の火事の問題には思えない現実があります。

 

 

 

 

貧困、孤独死、家庭内暴力等、あらゆる悲惨な人生の結末の可能性を秘めているひきこもりとニートの問題ですが、これまで不登校など若者の問題としてクローズアップされてきましたが、平均年齢は年々上昇し、同時に親の年齢も上昇して高齢化が進み、今では中高年のひきこもりやニートはまったく珍しくない時代になりました。

 

 

 

 

文字通り、家にひきこもっている人たちということもあって詳しい調査は行われておらず、全国的な実態や正確な人数は把握されていません。

 

 

 

 

しかし、ひきこもりやニートを支援する各NPO団体、自治体の関係者、精神科の専門家などは口をそろえて「最近はばりばり働いている30代、40代という働き盛りの世代の人たちが会社を辞めて、突然ひきこもりやニートになるケースが増えている」と言いますし、ひきこもり自立支援センターの相談者の中にもそのような人をよく見かけます。

 

 

 

 

会社を通じた人間関係、社縁を失い、ひきこもりになると、特に男性は社会との接点をなくしてしまう傾向にあります。もちろん、社縁を失った人すべてに当てはまるわけではありません。

 

 

 

 

働き盛りの人がひきこもりやニートになると、これまで当たり前のように自分の周りに存在していたものが突然ふっと消えてしまいます。たとえば、首都圏郊外に住む41歳の男性のケースを見てみましょう。

 

 

 

 

この男性は、大学卒業後から大手運送会社に勤め、27歳の若さで営業所長になるなど、将来の幹部候補生として活躍していました。順調に思えた会社での自分という存在でしたが、景気悪化に伴い会社で組織改革が行われ、男性は降格人事にあい、なれない仕事でミスが相次ぎました。上司だけでなく、部下やパートにまで叱責される日々が続き、心身ともに耐えられなくなり退職し、ひきこもりの生活に入りました。

 

 

 

 

会社でのつながりが、生活の中心だった男性は、かつての同僚とは一切連絡をとらず、外はまだ明るいのに布団に包まる日々が続いていました。「これまで築きあげてきたものをすべて失った」そう思うと体の力が抜けて、何もする気がどうしても起きません。

 

 

 

 

また男性は、「自分は強い人間で、ひきこもりは弱い人がなるものだと思っていた」とも言います。このような男性でもひきこもりに陥っています。

 

 

 

 

こうした人たちはいずれも「早く社会に復帰したい」と考えているものの、ひきこもりに陥るまでのつらい過去がなかなか頭から離れず、再び働くことに恐怖を感じると言います。

 

 

 

 

「働き盛りのひきこもりをすぐに一般社会に戻すことは戦場に送るようなものだ」ある専門家が働き盛りのひきこもりが社会復帰する難しさをこのように表現しました。

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一度、ひきこもりやニートになると、社会復帰することが難しいという現実が、問題をより深刻化させています。また、近所付き合いなど地域との縁も築けないでいると、ますます孤立し、もとの絆や縁を取り戻すことは決して簡単ではありません。

 

 

 

 

働き盛りのひきこもりやニートのセーフティネットはしっかりと整備されているのでしょうか。しかし、現実は厳しいようです。現在、全国に90ヶ所以上ある地域若者サポートステーションですが、ここでは、おおむね15歳から39歳までのニートやひきこもりの職業的自立の支援をおこなっていますが、その支援は10代から20代という若者を中心にしたメニューが多いです。

 

 

 

 

東京都内の地域若者サポートステーションの担当者が「私たちは増え続けるニート、ひきこもりを食い止めなければならないのが最重要課題です。遅くとも、20代までには社会復帰させたい。確かに働き盛りの相談はここ最近増えていますが、かといってそういった人たちを優先して支援することは難しい・・・。」と本音を漏らしていました。

 

 

 

 

札幌市でひきこもり支援をしている某NPO法人は、こうした現状を受けて、35歳以上のひきこもりを中心に支援を始めました。働き盛りのひきこもりを中心に支援する団体は全国でもほとんど例はありません。しかし、景気の回復が遅れている北海道では厳しい局面も少なくないようです。

 

 

 

 

この団体に寄せられるメールの内容はさまざまです。セーフティネットが整っていない社会に対する不満、世話をしてもらっている両親の高齢化を心配する声、そして、助けて、死にたいというたった一言ですが、心の叫びが重く伝わってくるものもあるようです。

 

 

 

 

職場でストレスや悩みを感じている社会人は急速に増加しています。東京都内の社団法人「日本産業カウンセラー協会」が行った調査によりますと、企業や官庁で働く、およそ85%の人が仕事にストレスや悩みを感じているといいます。

 

 

 

 

この調査では、20代は、ほかの世代に比べて同僚や友人に相談する割合が最も高く、50代以上の高い年代は医者などの専門家に相談する割合が最も高かったことが結果として現れました。一方で、30代、40代の働き盛り世代は誰にも相談しない傾向があるといいます。これについては「30代、40代という働き盛りの世代は仕事だけでなく責任も増える世代です。景気の悪化で危機感を抱く一方、周りに弱みを見せることができない立場が影響しているのでは」と言います。

 

 

 

 

こうした働き盛りの世代が追い詰められている背景には「成果主義」や「効率主義」が急速に広まったとの指摘もあります。成果や効率だけが重視されると現場の人間はしだいに追い詰められ、閉塞感が強くなります。

 

 

 

 

ストレスや悩みを感じても職場の人間にも、専門家にも相談できません。追い詰められる働き盛りが想像以上に日本にあふれています。つまり、この働き盛りのひきこもりという問題は、一部の人間だけの問題ではないのです。

 

 

 

 

 

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団体概要
団体名
関東自立就労支援センター
理事長:
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理事:
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理事:
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住所
東京都東久留米市浅間町1-12-9
TEL
042-439-4355
メール
ki6jt7@bma.biglobe.ne.jp
活動内容
・若年者の就労支援、
 学習 支援、生活訓練
・共同生活寮の運営
・教育相談の実施
・各種資格取得支援