摂食障害と不登校・ひきこもり
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摂食障害と不登校・ひきこもり

 

摂食障害は心の歪みが原因で摂食行動に異常が出る症状のことです。心身症の代表的な病気のひとつです。 

 

 

 

 

一般的には、神経性食欲不振症と神経性過食症が摂食障害の病名としてあげられます。どちらも「やせたい」という願望が強く、異常な食事のとり方をします。

 

 

 

 

 

大人の女性に多い症状だと言われてきましたが、最近では低年齢化が進み、小学生にもこの症状が出ることがあります。

 

 

 

 

 

大人の場合ですと、体重の大きな減少が起きますが子どもの場合には、成長に必要な体重の増加がないときもこれらの症状といえますのでより一層の注意が必要です。

 

 

 

 

 

ここでは摂食障害のA子さんのケースを紹介します。相談室を訪れたとき、彼女は高校1年生になっていましたが、実は何年もの間、孤独と不安を抱えた夏休みを繰り返していました。

 

 

 

 

 

A子さんが太ることを気にしだしたのは、有名私立中学への受験を意識し始めた小学校6年の夏休み前からでした。

 

 

 

 

 

A子さんはバスケット部員でした。練習で校庭を走っていたA子さんは、体いっぱいに汗をかきながらひどく息をきらしていました。

 

 

 

 

 

そのとき傍らを走っていた”やせた友だち”がA子さんに声をかけました。友だちはA子さんを励ますつもりで言いました。

 

 

 

 

 

「たいへんよね。大丈夫?」何気ないひと言でした。友だちに悪気は微塵もありませんでした。しかし、A子さんはそのとき突然「そのままどこかに逃げ込みたい」という衝動にかられたといいます。

 

 

 

 

 

その友だちのひと言が、A子さんには有名私立中学を目指す「才女」にしては「つり合わないスタイルじゃないの!」と同情している声のように感じられたのです。

 

 

 

 

 

そして、それはスタイルだけでなく学力も似合わないと指摘する友だちからの「勝利宣言」のように思えてしまったのです。

 

 

 

 

 

A子さんは、親の期待に必死に応えようとする「いい子」でした。無理をしても親の望む有名私立中学に入学しなければならない、という焦りや不安が友だちの言葉をまったく違う意味のものとして受け取らせることになったのかもしれません。

 

 

 

 

 

 

そのひと声をきっかけに、しっかり者で完璧主義者のA子さんは学力も、身体も「才女」にならなければならないと思い込みました。

 

 

 

 

 

早朝のジョギングと腹筋運動を続け、ダイエットを始めました。学習計画を方眼紙にきっちりと記入し、教室では無駄口をしなくなりました。

 

 

 

 

 

そして、夏休みの間、必要最低限以外は外出せずに自室にこもって勉強に励みました。そうやって自分なりにがんばっていても、A子さんの心には不安が募り、どこからか心細さが沸き起こってきていました。

 

 

 

 

 

ただ彼女は、親や担任の先生には「心配はかけたくない」という思いから、その気持ちを吐き出すことができませんでした。

 

 

 

 

 

半年後、A子さんは入試に失敗してしまいます。希望の有名私立中学に入学できなかった彼女は、公立の地元の中学に入学します。

 

 

 

 

 

孤独や不安に耐えながら最終目標としてきた私立中学入学の夢をかなえることができなかったとき、A子さんにはもう勉強という選択肢は残っていませんでした。

 

 

 

 

 

A子さんが続けられることといえば、もはや”やせること”しかなかったのです。

 

 

 

 

 

方眼紙には、減量計画の結果が右下がりの直線となって描かれていきました。空腹感にも慣れたころ、彼女の体重は目標の40キロ台まで落ちていました。

 

 

 

 

 

でも、A子さんの「もっとやせたい」という思いはとどまるところを知りません。雑誌やネットのダイエット記事を読みあさり、下剤などの薬物を使用するまでになりました。

 

 

 

 

 

40キロを割るころになって、両親はA子さんの異常に気づきます。「そんなにやせてどうするの。お医者さんに診てもらいなさい」

 

 

 

 

 

このひと言をかけると、あとはただ受診を勧めるだけでした。

 

 

 

 

 

それまで、A子さんは「もっといい子になりたい。入試に失敗して両親を心配させたから、せめて身体だけでもみんなから馬鹿にされないようになりたい」と思って、ダイエットに耐えていたのです。

 

 

 

 

 

両親の言葉を聞いて、「親のためにやせているのに、どうしてそんなことを言うの」と彼女は悲しくなったといいます。

 

 

 

 

 

彼女の行動は両親への「歪んだ償い」であったのです。そして、それを否定されてしまった彼女は医者の診断をかたくなに拒否しただけではなく、自ら屈辱的な「めちゃ食い」に走りました。

 

 

 

 

 

その結果、彼女は体調を崩し、顔がむくみだします。その顔を鏡で見たA子さんは登校を渋り始めました。

 

 

 

 

 

やがて彼女は、食べたものを吐いてはまた食べるという「食べ吐き」に走ります。

 

 

 

 

 

ここまで症状が悪化してしまうと、心理的に悪影響があらわれます。抑うつや焦燥感が強まって、摂食障害がますます強くなるのです。

 

 

 

 

 

ご両親はもっと早い段階で、彼女の「孤独でおびえている心」に気づいてあげるべきでした。

 

 

 

 

 

「そんなにやせてどうするの」という言葉は、彼女の思いを全面的に否定してしまう残酷なひと言でした。

 

 

 

 

 

事実を指摘する前に、そうならざるを得ない気持ちをたずねてほしかったのです。悲喜こもごもの感情を吐き出したかったのです。

 

 

 

 

 

このケースからわかるとおり、摂食障害は心理的なストレスが大きな要因となって起こります。

 

 

 

 

 

そして、なにより早期の段階でそのストレスに気づいて適切な対処をすることが大切です。

 

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