家族といっしょに食事をとらない引きこもり
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家族といっしょに食事をとらない引きこもり

子どもが引きこもるようになって家族といっしょに食事をとらなくなったことを気にしている親御さん(特に母親)はたくさんいます。

 

 

 

 

まずは、子どもが家族といっしょに食事をしなくなった意味を考えてみましょう。

 

 

 

 

なぜ、いっしょに食べないかというと、それは家族と「仲良く」食べるのは苦しいという状況になっているからです。

 

 

 

 

一方、親のほうは、家族そろって食事するという常識にとらわれているわけです。

 

 

 

 

いっしょに食事をすると家族が平和な感じがします。

 

 

 

 

しかし、子どもにとっては家族の平和どころか、自分の置かれている境遇を理解してくれず、形はいずれにしろ責めてばかりの親といっしょにいることは恐怖とさえ感じているんです。

 

 

 

 

それに、自分の「みすぼらしい姿」をさらしたくないという気持ちもあります。

 

 

 

 

食事を持っていかなければ、お腹がすいて二階から降りてくるかというと、そうとは言い切れません。

 

 

 

 

引きこもる気持ちはそんなに甘いものではありません。衰弱するぐらいの状態になっても降りてこない場合も珍しくありません。

 

 

 

 

孤独であると、失意の連続から生きる意欲さえ喪失していくからです。

 

 

 

 

お父さんの腹の立つ気持ちはわかりますが、一時の感情にまかせてしまうのは、こと食事に関しては危険です。

 

 

 

 

少なくとも食事は保証する、それが親のつとめというものです。

 

 

 

 

どうしても部屋から出したいのなら、食事の時間を家族と変えてあげることでしょう。

 

 

 

 

「台所に食事置いといたから、いつでも食べてね」と言って、みんな他の部屋に行ってしまう、あるいは早く寝てあげましょう。

 

 

 

 

一度、降りてきて食べるようになれば、それは生活サイクルになりますから、衰弱するという心配はもうないでしょう。

 

 

 

 

同じ食事を用意するにしても、「夕食つくってあるからいつでも食べてね」と言うのと言わないのでは、親御さん自身の気持ちがぜんぜん違います。

 

 

 

 

言わないで降りてきたら、親にしてみれば、「夜中になって降りてきてコソコソ食べている」という見方になってしまいます。

 

 

 

 

しかし、言っていれば、「この子は自信がなくてとても家族の前で食べられないから、時間をずらして食べているんだ。何の不思議もない」という見方になります。

 

 

 

 

わたしが勧めるのは、その子の好きな食事を週に二回でも三回でもつくってあげることです。

 

 

 

 

もちろん特別メニューではなく、みんなが食べられるものです。その辺は自然な対応をしてください。

 

 

 

 

そして、メモに「今日はお母さんの誕生日でした。おまえの好きなお寿司をみんなで食べました。

 

 

 

 

あしたの夕食はお父さんもおまえも好きな秋刀魚だよ」などと書いておいてください。

 

 

 

 

メモは引きこもる子どもとの対話に非常に有効です。手紙は「さらっと」しにくく気が重くなる場合もあるようです。

 

 

 

 

家族の食事が終わって、子どもが食事するために二階から降りてきました。食事はさめています。

 

 

 

 

この場合、温めてあげるべきでしょうか。それとも、放っておいて自分でさせたほうがよいのでしょうか。

 

 

 

 

この場合、もしお母さんが忙しくないようでしたら温めてあげてください。それが母親の愛情です。

 

 

 

 

しかし、お母さんが用事をしていて忙しい場合は、温める必要はありません。その場合は「お母さん、今、忙しいの。悪いけど自分で温めてくれる?」と言ってあげてください。

 

 

 

 

要するに、無理のない範囲でやってあげるということです。お母さんが無理をすれば、「無理しているんだから早く引きこもりから立ち上がって学校(会社)に行ってよ」という期待感でやっているんだと子どもは感じます。

 

 

 

 

それは子どもにとっては大きなプレッシャーなのです。それが重なるとインスタント食品のほうがよくなります。

 

 

 

 

しかし、お母さんもお父さんといっしょにテレビを見ているような状態で、冷えた秋刀魚をそのまま与えるというのは、罰則(おとがめ)になってしまいます。

 

 

 

 

「おまえ遅く来たんだから、冷えた秋刀魚を食べろ。温かいものを食べたければいっしょに食事しろ」という一種のお仕置きになってしまいます。

 

 

 

 

こういうことはなるべく避けましょう。では、お母さんが忙しくて、お父さんが暇な場合は、お父さんの優しさを伝えるためにもお父さんが秋刀魚を温めてあげるべきでしょうか。

 

 

 

 

日ごろ何も手伝わないお父さんなら、ここまでする必要はありません。あまりにも急に態度が変わりすぎると、子どもは「気持ち悪い」「変だよ」「わかったような態度をするなよ」と言いたくなるようです。

 

 

 

 

でも、その家のシステムでお父さんが普段から料理をするということなら別です。

 

 

 

 

しかし、そうでないならば、それは無理をしてやっているということになります。そして不自然です。

 

 

 

 

とにかく不自然なことは「不自然であることを見せていく」必要性のある場合を除いてはやらないほうがいいと思います。

 

 

 

 

秋刀魚一匹温めるか温めないかで、家族の対応が子どもには見えるわけです。

 

 

 

 

引きこもりから立ち直った子どもがこう言いました。「立ち直れたきっかけは、母親の愛情を感じ取れたからなんです。

 

 

 

 

僕が夜起きて一階にご飯を食べにいくと、母親は必ずお皿の上にフキンを掛けてくれていました。

 

 

 

 

それに愛情を感じたんです」細やかな気配りで、「おまえのことをいつも考えているんだよ。見捨ててないよ」という母親の愛情を伝えられたんでしょう。

 

 

 

 

食事のことで思い出しましたが、ぜひ夕食なり朝食で会話を重ねてください。つまらない話、くだらない話をたくさんしてください。

 

 

 

 

そして周りの人は、食事に気をとられながらもその声に、思いに耳を傾けてください。

 

 

 

 

 

 

 

 

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