女性のADHD(注意欠陥・多動性障害)とAS(アスペルガー症候群)
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女性のADHD(注意欠陥・多動性障害)とAS(アスペルガー症候群)

 

女性のADHDとASは、長年、男性以上に誤解され、見逃されてきました。そもそも成人女性にはADHDやASは存在しないとされ、医師が診断することもほとんどありませんでした。女性にも大人の発達障害が少なからず存在することがわかり、世の中の注目を集めるようになったのは1990年代に入ってからです。

 

 

 

 

見つかりにくい女性の発達障害

 

 

 

 

大人の女性の発達障害がこれまで誤解され、見逃されてきた最大の理由は、男性と違ってADHDとASの双方で問題行動が目立つ多動・衝動性優勢型(ジャイアン型)が少なく、発見されにくい不注意優勢型(のび太型)が圧倒的に多いからです。

 

 

 

 

このため男性のジャイアン型のように他者への攻撃性や反社会的行動を示すことは少ないとされ、派手な問題行動もなく、外見上あまり目立ちません。

 

 

 

 

ただし、最近の研究では、大人の女性の発達障害でも問題行動がないわけではなく、心のなかの不安や葛藤が、男性と同等もしくはそれ以上であることがわかってきています。大人の女性の発達障害にはどのような特徴があるのか、以下にまとめてみました。

 

 

 

 

1、家事や雑用が要領よくできない

 

 

 

 

彼女たちは、不注意傾向が強く、家事や雑用ーつまり、掃除、洗濯、炊事、整理整頓、買い物、電話や来客の対応、育児、親の介護などーを順序だてて、要領よくこなすことができません。

 

 

 

 

また、金銭、時間、書類などの管理も苦手です。請求書や重要書類を置いたまま忘れてしまったり、家計簿をつけはじめても長続きしなかったり、締め切りや待ち合わせ時間に遅れたり、大事な約束をすっぽかしたりします。

 

 

 

 

それならと、決められた場所に物を置いたり、計画表を作って日課を決めるようにするのですが、結局は三日坊主で終わってしまいます。なぜ、家事や雑事ができないのかといえば、彼女たちはひとつの事がおわらないうちに別のことに手をつけて、それが終わらないうちにまた別のことに手をつけるといった繰り返しで、何一つ片付かないまま次々に新しい用事ができて(というより勝手に自分で作って)、頭の中がパニックになってしまうのです。

 

 

 

 

2、自己評価や自尊心が著しく低い

 

 

 

 

多くの研究者が指摘するのは、彼女たちは自己評価と自尊心が著しく低いということです。「自分は無責任でだらしがなく、日常の家事や雑用もできないダメな女だ」その思いが強く、ひどい劣等感と無気力感を抱いています。

 

 

 

 

このため男性と親しくなっても、「こんな私は、結婚しても家事も育児もできない」と深い関係になるのを躊躇したり、結婚に踏み切れなかったり、たとえ結婚しても、「夫に捨てられはしないか、夫に先立たれたらどうしよう」といつも不安を感じています。

 

 

 

 

彼女たちは、低い自己評価や自尊心のため、消極的、内向的で、どうしても人付き合いを避ける傾向が強くなります。

 

 

 

 

このように自分の殻に閉じこもって、目立たず、ひっそり生きる女性を指して、ミッシェルは「クローゼットに隠れて生きる」と表現しています。

 

 

 

 

まさに彼女たちは、そうやってひっそりと生きているのです。

 

 

 

 

3、うつ病や不安障害、過食、買い物依存などを合併しやすい

 

 

 

 

自己評価と自尊心の低い彼女たちは、「自分は何をやってもダメな女だ」との思いから自責の念にかられることが多く、しばしば気分が落ち込んでうつ状態に陥ります。PP_senrozoi_TP_V1

 

 

 

 

また、強迫性障害、社会恐怖、(対人恐怖)、パニック障害などの不安障害を引き起こすことも少なくありません。過食、アルコール、買い物、セックスなどの依存症や嗜癖行動に走ることもあります。

 

 

 

 

児童精神科医のジョゼフ・ビーダーマンらは、大人のADHDの男性と女性それぞれ128名を対象として、精神症状や認知機能を比較したところ、女性は男性に比べて、うつ病や不安障害にかかっている割合が高く、また学生時代の成績は低く、認知能力が低かったと報告しています。

 

 

 

 

この事実は、女性のADHDとうつ病、不安障害、反社会的行動が遺伝的に関連していることを示唆しています。

 

 

 

 

またフォラオンらは、大人のADHDの女性69名の血縁者を調べたところ、ADHDだけでなく、うつ病、不安障害、反社会的行動の発症率が高かったと報告しています。

 

 

 

 

4、しばしば性的な問題を抱えやすい

 

 

 

 

大人の女性の発達障害に特有な問題のひとつに性的な問題があります。彼女たちは、しばしば性欲が低下して不感症になったり、逆に性欲が異常に亢進して異性関係が乱れ、セックス依存症に走ることがあります。大人のADHDの診断基準で知られるジョン・J・レイティらは、大人のADHDの一部は、性的刺激に非常に敏感で、性的欲求が強く、性生活にトラブルが生じることがあると述べています。

 

 

 

 

5,月経前不機嫌性障害(PMDD)が重くなりやすい

 

 

 

 

生理が始まる前になると決まってイライラしたり気分が落ち込んだりするー。多くの女性が経験するこの現象は「月経前不機嫌性障害(PMDD)」と呼ばれます。ADHDやASなどの女性の発達障害では、このPMDDが重度になったり、うつ状態を合併しやすいことが知られています。

 

 

 

 

PMDDの精神症状としては、わけもなく悲しくなって涙もろくなったり、イライラして怒りっぽくなったり、つまらないことで人と言い争ったりします。

 

 

 

 

 

また、集中力がなくなり、仕事にも遊びにも身が入らなくなり、高じると無気力で、閉じこもりがちになります。食欲や睡眠の変化をともなうのも大きな特徴で、食べ物の嗜好が変化して無性に甘いものが食べたくなったり、眠りすぎたり、逆に不眠になることもあります。

 

 

 

 

身体症状でよく見られるのは、頭痛や頭重感、乳房の痛みやはりで、ほかに関節や筋肉に痛みを感じたり、顔や手足にむくみが出たりする人もいます。

 

 

 

 

最近では、PMDDが女性の犯罪と密接な関係があることがわかってきました。ある疫学研究によれば、フランスでは女性の暴力犯罪の84%、万引きの63%が整理前や整理中に起きていました。米国や日本の研究でも同様のことが確認されています。

 

 

 

 

英国やカナダではPMDDと診断されると、限定責任能力(責任能力が著しく減退している状態)とされ、減刑の対象になります。

 

 

 

 

いずれにしろPMDDは、ADHDやASの場合、重症化しやすいから、女性の発達障害者にとっては深刻な問題です。

 

 

 

 

女性のADHDは不注意優勢型が多く、強い不安感と低い自己評価にため、傷ついたり誤解されるのを恐れて、なかなか深い友人関係や異性関係を築けません。

 

 

 

 

たとえ恋愛関係に発展したとしても、しばしばすぐに壊れてしまい、長続きしません。また、ADHDの女性は自己評価が低いので、普通の女性なら敬遠しそうな「だめ男」でも受け入れてしまう傾向があります。

 

 

 

 

相手に多くを求めず、「これくらいでいいか」と妥協してしまうのです。あるいは「誰にも相手にされなかったらどうしよう」との思い(不安や孤独)から、理想的な男性でないと知りつつ離れられない場合もあります。

 

 

 

 

「誰もいないよりはまし」と思うのです。一方で恋愛依存症になるケースもあります。男と女は親密になる蜜月(ハネムーン)期が一番楽しく幸せで、心理的、生理的に強烈な快感をともないます。

 

 

 

 

このためADHDの女性のなかには蜜月期のラブラブの刺激がほしくて次々と相手を替える人も珍しくありません。

 

 

 

 

このようなケースではカウンセリングで自分を見つめなおすことによってセルフコントロールする力を身につけたほうがいいと思います。

 

 

 

 

最近は恋愛・セックス依存症の自助グループもあります。もうひとつの問題として発達障害の女性は、しばしば結婚・出産後、児童虐待の加害者になるという点です。

 

 

 

 

乳児は「泣く」「笑う」といった行為で多くの要求や感情を表現します。親はそうした非言語の手がかりを通して子どもの内面を推測しなければなりません。

 

 

 

 

しかし発達障害者、とくにASの人にとって、これはきわめて不得手なことであり、乳児の要求や感情表現がわからずパニックになり、不安や抑うつなどの精神症状を示すこともあります。

 

 

 

 

子どもが生まれれば、育児だけでなく、近隣の親たちとのかかわりも増えます。これらの難題を乗り越えるには、専門医による適切な治療(薬物療法、カウンセリング、心理教育など)とともに、パートナーや舅、姑などの理解とサポートが不可欠です。

 

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