友達からのからかいといじめ
これは小学校5年生のA君のケースです。A君は少し動作が緩慢でそれが原因で、友達から再三からかわれていました。
特別に集団生活になじめないということもなく、どちらかというと正義感が強いほうでした。
再三からかわれるので、A君にはそれがいじめとなりました。そこで先生にこう訴えました。
「僕は誰にも迷惑をかけていないのに、どうしてからかわれるのか」。
A君は友人たちの間で、「不思議な奴」と思われていました。それは、いじめられても徹底的に限界まで耐えてしまうのです。
拒否的な態度を見せないで、臨界点に達し、今度は一転して人が変わったかのように、徹底的に不正に立ち向かうからでした。
その極端さと正義感ぶりは、まるで劇画か何かのようでもありました。そういうこともあって、友達や上級生から「極端で怖いけど、からかうとおもしろい奴」と思われてしまったのです。
A君からいじめの相談を受けた担任は、A君の極端な性格が原因で、そこを聞かなければとわかっていたのですが、A君の暴力的な部分ばかりが目立ち、それに執拗に「どうしてなんだ!」と食い下がるA君の態度に疲れてしまい、少しあきらめ気味でもあったのです。
そしてあきらめて、こんなふうに返事をしたのです。「もうケンカはやめなさい。どんなことがあっても、暴力はいけない。A君、あなたはからかわれているのよ。わかるでしょ」
A君は先生の説明に納得できませんでした。いじめの原因が相手にあるのに、どうして自分だけが叱られるのか、どうして自分に原因があるように言うのか、その矛盾にどうしても納得いかなかったのです。
だからなおも、先生に「わかるように説明して欲しい」と言い張りました。
担任は「誠実」に、A君が何を知りたいのか、何を聞きたいのかを、頭で判断しようと神経を集中させA君の言葉を聞き、そして答えました。
先生の答えは理路整然としたものでしたが、A君には諭された印象ばかりが焼きついて、不満げに顔を膨らませるだけでした。
そして最後にこう言いました。「先生は僕のことを何もわかっていない」そして「先生はわかろうとしてくれない」と思うと、「先生に話しても無駄」とそれ以降、口を閉ざしてしまったのです。
さて、このA君のケースで、担任はどのようにすればよかったのでしょうか。担任は頭でA君の言い分を聞こうとしました。
事実を理性的に受けとめようとしたのです。その姿勢はときに冷ややかに相手の心に映るものです。
理不尽なイジメでむしゃくしゃしているA君のくやしさを、まず事実認定の前に感じてあげてほしかったと思います。
担任がほんとうにA君のくやしさを理解できれば、そのあとの言葉かけは容易に、A君の心に寄り添うことができたでしょう。
そして、極端な性格がどこからくるのかも、話しの中からうかがい知ることができたかもしれません。
イジメる子の気持ちを考えすぎて、反発する機会を失ってしまったのです。
それが報われなさとして、爆発してしまうのです。A君は、迷惑をかけまいとしていたわけです。
そのことは最初にA君が訴えています。なのに、叱られる、その理不尽さを憤っているのです。
暴力を振るってまで憤っている、そのくやしさを先生にわかってほしいのです。
いじめの撲滅
いじめによって引きこもってしまう人たちがたくさんいます。ひどいいじめの被害者は人間不信となり、対人恐怖のために社会参加できなくなります。
彼らの怒りと恨みは想像を絶するものがあります。
これ以上社会に怒りを抱く若者を増やしても、何の意味もありません。
多くの日本人は気づいていませんが、学校のいじめは親子の絆に大きなダメージを与えているのです。
学校でのいじめをなくさないと、引きこもりは今後も増えるばかりです。
残念ながら、教師の多くはいじめを見て見ぬふりをします。
極論を言えば、「和」の文化に染まっていない外国人を雇用して学校でのいじめをなくしてもらうことも考えなければならないときがくるかもしれません。
日本人は、車や電気製品を作るのはうまいのですが、教育には不向きかもしれません。
日本の教育者は、子どもの個性をつぶして枠にはめ込むのが上手です。
ある人はこれを去勢教育と呼びましたが、日本の教育は個性ある人材をつぶし、自分の頭で考えない「指示待ち人間」を大量に生産しています。
そのストレスが、いじめを生み出しています。
日本とアメリカの教育の違い
日本の教育は従順な国民の育成を目的にしています。
文科省に支配される日本の教師たちは自分では何も決められない立場にあり、教師が「お上」に逆らうと教育委員会に処罰される仕組みになっています。
「お上」に従うしかない教師たちが子どもたちを、民主国家にはふさわしくない「自分の意見を言えない子どもたち」に育てるのです。
日本の中央集権教育システムの問題は、70年以上前に、連合軍総司令官ダグラス・マッカーサーが指摘していました。
マッカーサーは、軍国主義が日本に広まった元凶が文部省による思想統制にあると見抜いていました。
以下は、マッカーサー回顧録の日本の占領に関する記述です。
「日本に着いた時、私は日本の教育システムについて深く憂慮していた。
日本の学校は中央集権システムで管理され、地区の教育委員会とか教育責任者などは存在していなかった。
東京にある文部省がすべての科目の標準教科書を全国に配布していたが、こうした教科書は軍国主義と反米思想に満ち溢れ、すべて東京が管理していた。
実際、占領軍が上陸するまで、学校、新聞社、劇場、ラジオ、映画はすべて政府の宣伝機関であり、本来の役割よりも思想統制のために存在したと言ってもよいくらいだった」
マッカーサーの占領政策は日本の教育を根本的に変えたのですが、日本政府は戦後70年かけて少しずつ戦前の中央集権教育システムに戻していきました。
マッカーサーは自由な教育が日本を変えると信じていました。思想統制が日本をだめにしたと考えたからです。
マッカーサーの考え方は、アメリカ建国の理念である個人の自由を尊重する思想に基づいています。
現在のアメリカの教育は、マッカーサーの時代と基本的に同じです。
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