兄弟そろって不登校のケース
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兄弟そろって不登校のケース

1、「兄弟で不登校」が増加した背景

 

 

 

 

兄弟で不登校という例は、わたしの実感ではある時期から増えていたように記憶しています。

 

 

 

 

東京周辺ではここ20年くらいでしょうか。それ以前には、教育カウンセリングの場でも、家庭崩壊などの特別な例を除いてあまり出会うことはありませんでした。

 

 

 

 

しかし今では、けっして珍しいことではありません。兄弟4人が不登校状態で家に閉じこもっているという例もあります。

 

 

 

 

しの原因は詳しい研究を待たなければなりませんが、①「不登校は特別なものではなくどの子にも生じる」と社会的に認知されてきたこと、②複数の子どもを育てる親の知恵が伝承されなくなったこと、③子どもを家から学校に向けて押し出す家庭の力が弱くなったこと、④放任やじつけ力の脆弱化などの家庭的背景のために「我慢」や「根気」を求められる学校を窮屈で居心地悪く感じる子どもが増えたこと、などが関係しているように思います。

 

 

 

 

ある子が不登校になったとき、他の兄弟に問題が波及しないように防波堤のようなものを親が築くことができなくなったことも一因ではないかとわたしは考えています。

 

 

 

 

他の兄弟が「お兄ちゃんばっかり学校に行かなくてずるい。僕も行かない」といった反応があったとき、親として兄弟に「お兄ちゃんは本当は苦しんでいるんだよ。

 

 

 

 

なんとか学校に行こうと思うけど、今はそれができないの。お父さんとお母さんはお兄ちゃんがなんとか学校に行けるように応援するから、あなたは学校でがんばりなさい。応援しているからね」と「兄弟としての覚悟」を伝えたいものです。

 

 

 

 

2、はたらきかけのポイント

 

 

 

 

①一番初めに不登校になった子どもは不登校になる必然的理由をもっています。回復までに一番時間がかかるかもしれないととらえておきましょう。

 

 

 

 

②二番目、三番目となるにつれて模倣性の不登校である可能性が強いです。したがって後になればなるほど、健康度は高く、回復しやすいと考えてよいでしょう。

 

 

 

 

まずはたらきかける場合には、最後に不登校になった子どもからはたらきかけるとよいでしょう。

 

 

 

 

③親が愛情配分をうまくできず、不登校の子どもばかりに偏る場合に他の兄弟が一種の愛情飢餓状態になって愛情補給を求めて不登校になる場合もあります。

 

 

 

 

その場合には、親にそのことを気づかせ、愛情配分を自覚的に行っておくように助言します。両親でそのことを共有しましょう。

 

 

 

 

④兄弟そろって不登校の場合には、親も精神的に疲弊している場合が少なくありません。

 

 

 

 

近所や親戚からの批判的な眼差しにも出会っているはずです。まずは親が少しでも元気になり、心のゆとりを取り戻すことが不可欠です。

 

 

 

 

親を孤立させず、親のつらさを受けとめ、親が少しでも元気になるよう学校としても励ましていきます。

 

 

 

 

⑤こうしたケースでは、子どもの不登校の背後に夫婦関係や嫁姑関係、親戚関係などに根深い問題を持つ場合がよくあります。

 

 

 

 

また近所や地域との関係で孤立している場合もよくあります。

 

 

 

 

こうした問題はスクールカウンセラーや養護教諭、不登校担当などが受け止めながらも最終的には外部の専門的カウンセリングをすすめます。

 

 

 

 

⑥不登校を続けている兄弟の担任を含めてケース会議を開き、情報を交換整理し、関係者が協力して対応していきます。

 

 

 

 

時には親を交えて関係者が話し合うこともよいでしょう。

 

 

 

 

「別室登校」をしていていいのか?

 

 

 

 

1、別室登校についての葛藤

 

 

 

 

相談室や保健室などの別室では、同じような不登校気味の生徒たちと以外にも元気に「学校生活」を送っているのですが、そこから次のステップとして教室に戻るとなると困難をきたす子どもが少なくありません。

 

 

 

 

そればかりか、教室に戻そうとはたらきかけると、学校そのものを休むようになってしまうこともよくあります。

 

 

 

 

担任の先生としては、「カウンセラーや養護教諭には心を開いているのに、担任である自分やクラスの仲間のことは拒絶している」と悩んだり、「普通に登校している子どもたちは別室登校の生徒をどう見ているのだろうか」と他の子どもたちへの影響を考えたりして、別室登校に対して釈然としない気持ちを抱いてしまうこともあるのではないでしょうか。

 

 

 

 

2、別室登校が固定化してしまう原因

 

 

 

 

不登校気味の子どもが、別室登校が続く中で固定化し、教室から足が遠のいてしまう原因はいくつか考えられます。

 

 

 

 

①心の問題の根が深い

 

 

 

 

完全不登校になるところを別室登校でかろうじて学校とつながっている場合があります。

 

 

 

 

授業やクラスでの人間関係に対応する心のエネルギーが枯渇しているのです。

 

 

 

 

別室の刺激の少ない空間で、カウンセラーや養護教諭とかかわることで、少しずつ心のエネルギーを蓄積しているとも言えるでしょう。

 

 

 

 

②より安全な場所を求める

 

 

 

 

いじめや嫌がらせ、からかいなどに悩む子どもにとって、相談室や保健室は安全な避難場所です。

 

 

 

 

同じようなつらさを体験した仲間もいるので孤独にもなりません。教室での危険がなくならない限り教室復帰は難しくなります。

 

 

 

 

③教室との落差が大きすぎる

 

 

 

 

教室と相談室など別室の落差が大きすぎても教室復帰は難しくなります。

 

 

 

 

授業がなく、人間関係も限られ、刺激の少ない別室が文字通り別世界になってしまうと、教室への垣根がどんどん高くなってしまいます。

 

 

 

 

④先生が放任している

 

 

 

 

本当はまだ教室復帰のエネルギーが残っているにもかかわらず、その手がかりを教師側から差し伸べられず、本人もチャンスをつかめないまま、何となく楽なほうに流れてしまうことがあります。

 

 

 

 

⑤カウンセラーや養護教諭が必要以上に抱え込む

 

 

 

 

カウンセラーや養護教諭側が別室登校の子どもを抱え込みすぎて、クラス復帰を妨げている場合もあります。

 

 

 

 

3、別室登校で注意すべきこと

 

 

 

 

①校内での共通理解

 

 

 

 

別室登校についての基準や利用法をカウンセラーを含めた教職員間で話し合い、ズレのないようにします。

 

 

 

 

別室登校をめぐって互いに不信感に陥ったり、非難し合ったりすることが生じやすいからです。

 

 

 

 

②子どもに方針を伝える

 

 

 

 

教室復帰を目指すステップとしての別室登校であることを理解させ、別室での過ごし方やルールについてしっかりと話し合います。

 

 

 

 

③教室との落差を少なくする

 

 

 

 

教室とあまりにも異なる雰囲気にしないように注意します。ゲームやマンガ、音楽など教室で禁じられていることは、相談室や保健室でも認めないほうがよいでしょう。

 

 

 

 

④教室との交流をはかる

 

 

 

 

友達を派遣してもらったり、給食や一部の授業に参加したりと、子どもの状態に応じて教室復帰への試みを少しずつしていきます。

 

 

 

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