中学生の不登校と社会性の問題
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中学生の不登校と社会性の問題

 

 

 

 

 

中学生の不登校問題が顕著になるのは、1978年頃からです。 

 

 

 

 

これは対教師暴力が頻発し、荒れる学校として社会問題化した時期と重なります。

 

 

 

 

 

いわゆる「校内暴力」と呼ばれるようになりました。

 

 

 

 

 

これらの現象が、不登校が増加を始める直接の原因になりました。

 

 

 

 

 

この事態を収拾するために、学校規範を守ろうとする教員たちの悪戦苦闘が始まりました。

 

 

 

 

 

一度荒れるようになると、学校は無政府状態になります。

 

 

 

 

 

結果、学校や教師は、力や規則で事態をコントロールするようになりました。

 

 

 

 

 

無政府状態にせよ、学校の緊急対策にせよ、当然、学校は楽しくない場となります。

 

 

 

 

 

特に、非社会的な子や神経質な子どもには、苦痛以外の何物でもない場となります。

 

 

 

 

 

その結果、中学の不登校は増加し始めることになりました。

 

 

 

 

 

しかし、この時期に中学生がなぜ荒れだしたのでしょうか。

 

 

 

 

 

これは中学入学前に、社会性を発達させるうえで重要な発達課題をこなしていないことが関係するとわたしは考えています。

 

 

 

 

 

それまでの子ども文化の中では、異年齢集団による自然発生的な集団遊び経験がありました。

 

 

 

 

 

児童期の中期から後期にかけては、ギャング・エイジといわれ、社会性の発達上重要な役割を果たしていました。

 

 

 

 

 

中でも、異年齢集団による集団遊び経験は、社会性発達のための豊富な体験の場でした。

 

 

 

 

 

それまでの子どもたちは、いわゆるガキ大将がリーダーシップをとり、リーダー・フォロワー関係を保ちながら、年功序列形式で集団遊び文化を伝承していました。

 

 

 

 

 

その中では、年少の者に配慮し、遊びのルールを子どもの個性に合わせて変更していました。

 

 

 

 

 

大勢の集団の軋轢が生じても、ガキ大将というリーダーが集団をまとめ、仲間集団で作り上げた規範を守ることが行われていました。

 

 

 

 

 

社会性の発達で、特に基本となる重要な体験の場がギャング・エイジの時期に用意され、その中で社会性の多くが培われていたのです。

 

 

 

 

 

当時の心理学者や社会学者は、この児童期の異年齢集団遊びが消えていく現象を重視し、盛んに研究を行いました。

 

 

 

 

 

そして、70年代の終わりには、わが国からこの異年齢集団遊びが消失したと宣言せざるをえなくなったのです。

 

 

 

 

 

この背景には、地域社会の流動化と地域共同体の崩壊、少子化傾向、空き地の消失が指摘されています。

 

 

 

 

 

私自身は、上記のことはこの現象の背景要因ではありますが、わずか数年で全国の子どもの遊びから異年齢集団遊びを喪失させた直接の原因を説明していないように思います。

 

 

 

 

 

私は、さまざまな玩具の増加したことが一番大きな原因ではないかと考えています。

 

 

 

 

 

子ども向け玩具の増加にともなって、一つの遊びを共有する子どもの人数が相対的に減少したのです。

 

 

 

 

 

実際、70年代半ばから、テレビの子ども番組が玩具会社によって提供されるようになりました。

 

 

 

 

 

これに象徴されるように、子どもが重要な消費者として産業界に認知され、子ども向けの高価な玩具がこの時期に大量に販売されました。

 

 

 

 

 

いずれにしても、これらの理由のために、地域の集団遊びは崩壊し始めます。

 

 

 

 

 

その結果、児童期から思春期へ移行する際に、親密な他者との関係を形成・構築しなおす段階に入るところで、学校内でトラブルを引き起こすようになったのです。

 

 

 

 

 

ちなみに、中学の問題史を追いかけると、次のような流れになります。

 

 

 

 

 

70年代の半ばは、学校間抗争が問題となりました。

 

 

 

 

 

学校単位で他の学校の生徒と闘うものでした。

 

 

 

 

 

80年代の初めまでは学校内での教師への暴力、校内暴力が話題になりました。

 

 

 

 

 

しかし、80年代の半ばになると、いじめ問題へと中学の教育問題は移り始めます。

 

 

 

 

 

中学生は、攻撃性が表出されやすい時期ですが、攻撃性の問題史を見ると、攻撃性を向ける対象が、外側の世界からしだいに内側の世界に変わってきています。

 

 

 

 

 

校外から校内、校内から学級内へと変化していっています。

 

 

 

 

 

そして、80年代から、怒りの対象が強者から弱者へと転換します。

 

 

 

 

 

さらに、問題行動を起こすグループの構成も、どんどん小さな集団へと縮小していきます。

 

 

 

 

 

このことを見ても、年々子どもの社会性が低下し、問題が反社会的な問題から非社会的な問題へと移行していく様子がわかるように思われます。

 

 

 

 

 

社会性が低下し、些細なトラブルを自分たちの力で収拾する力も急速に低下していく姿がここにも現れています。

 

 

 

 

 

いわゆる反抗期になり、情動が高まってもそれをコントロールした経験をもつ子どもが少なくなりました。

 

 

 

 

 

大勢と群れて遊ぶ体験が減り、全般に社会性が低下しました。

 

 

 

 

 

大人の介在がなくては、仲間との折り合いをつけられない子どもたちが、大勢中学に入学していったのです。

 

 

 

 

 

そのような背景があって、この時期から中学の不登校が急速に増えていくようになったと私は考えています。

 

 

 

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