不登校・引きこもり・ニートと大人のAD/HD
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不登校・引きこもり・ニートと大人のAD/HD

不登校や引きこもり・ニートの人の中には、AD/HD(注意欠陥・多動性障害)によって対人関係がうまくいかなかったり、普通の人が普通にできることができなかったりして、学校や職場などでうまく社会生活を送れないで苦悩している人がいます。

 

 

 

 

ここでは不登校や引きこもり・ニートの人に関連する障害であるAD/HD(注意欠陥/多動性障害)について考えてみたいと思います。

 

 

 

 

一般的には、AD/HDは「落ち着きがなく、授業中に動きまわる子ども」の障害と思われていることが多いようですが、大人でもAD/HDの症状に悩んでいる人はけっして少なくありません。

 

 

 

 

AD/HDの特性として、アイデアが豊富、行動力があるなどよい面がある一方で、不注意や衝動的な行動がみられることが多く、それが本人のやる気とか関係なく、「無責任」「だらしがない」と誤解されてしまうこともよくあり、職場や家庭などで支障が出てしまうこともあります。

 

 

 

 

また、周囲の人から長年にわたり注意や叱責を受けてしまうと、落ち込むことが多く、その結果、他の障害を引き起こすことがあります。

 

 

 

 

AD/HDは、本人がその特性を理解し、適切な対処法を身につけ、また周囲の人が適切にサポートすることによって改善が期待できます。

 

 

 

 

大人のAD/HDは、子どものころからの症状が残るケースと、大人になってはじめてAD/HDと気づくケースとがあります。

 

 

 

 

小児期にAD/HDと診断された人の30~50%が成人になっても日常生活に何らかの支障があると感じています。

 

 

 

 

海外の報告によれば、大人のAD/HDは人口の2.5~4.4%といわれており、日本国内での調査の推定値は1.65%でした。

 

 

 

 

大人のAD/HDの特徴的な症状は「不注意」、「衝動性」、「多動性」です

 

 

 

 

「不注意」

 

 

 

 

細かいことに注意がいかないことで、本人のやる気とは関係なく「無責任」「だらしがない」と誤解されてしまうことがあります。

 

 

 

 

「衝動性」

 

 

 

 

さまざまな刺激に対して考える前に反応する傾向が、成人まで持ち越される場合があります。

 

 

 

 

「多動性」

 

 

 

 

多動性は、成長するにつれて気にならなくなるのが一般的です。それは、年齢を重ねるごとに、多動が好ましくない行為だということを本人が学習し、自らの行動を規制する能力が身につくためと考えられています。

 

 

 

 

ただし、落ち着きがなく、じっとしているのが苦手である、またはおしゃべりという形で多動性が残ることもあります。

 

 

 

 

大人のAD/HDの症状

 

 

 

 

〇 大切な約束時間や書類やレポートなどの提出期限を忘れてしまう。

 

 

 

 

〇 重要な書類やレポートなどを紛失してしまう。

 

 

 

 

〇 聞き間違いや、早合点が多く、うっかりミスをしやすい。

 

 

 

 

〇 根気のいる作業や勉強、単純作業が苦手。

 

 

 

 

〇 時間配分が苦手で、作業に段取りがつけられない。

 

 

 

 

〇 人が話している最中に発言したり、質問が終わる前に答えてしまう。

 

 

 

 

〇 整理が苦手で、部屋の中が片付かない。

 

 

 

 

〇 忘れ物や紛失物が多い。

 

 

 

 

〇 掃除や洗濯、買い物などが要領よくこなせない。

 

 

 

 

〇 車の運転が乱暴であり、スピードを出しすぎてしまう。

 

 

 

 

〇 すぐにカッとしてしまい、怒りをおさえることができない。

 

 

 

 

AD/HDの原因は、脳の発達のかたよりが関係していると考えられています

 

 

 

 

AD/HDは、脳の機能の発達・成熟にかたよりが生じた結果、症状があらわれると考えられていますが、それがなぜ起こるのかはよくわかっていません。

 

 

 

 

AD/HDでは神経伝達物資の一つであるドーパミンが不足し、神経伝達に異常が起こっていると考えられています。

 

 

 

 

ドーパミンが不足すると、「物ごとを順序立てて行う、やることに優先順位をつける」といった「実行機能」が低下したり、「報酬系」と呼ばれる機能が低下して「待つことができない」といった行動があらわれるといわれています。

 

 

 

 

また遺伝的な要因や、出産時のトラブルなどが関係しているという報告があり、さらに環境の要因なども複雑にからみあってAD/HDの症状があらわれると考えられています。

 

 

 

 

AD/HDの治療~治療の基本は「心理社会的治療」と「薬物療法」です。

 

 

 

 

大人のAD/HDへの対処法は、適切な行動を取れるようにするための「心理社会的治療」に加えて、必要に応じ注意集中力の改善や衝動性、多動性のコントロールを目的に行う「薬物療法」を組み合わせます。

 

 

 

 

〇 心理社会的治療

 

 

 

 

対人関係能力や社会性を身につけます。環境を変えたり、周囲が対応を変えたりしながら、意識して訓練を重ねていくことにより、これらのスキルを身につけます。

 

 

 

 

〇 薬物療法

 

 

 

 

AD・HDの症状を抑えて行動のコントロールをしやすくする治療です。お薬の力を利用することで、社会に適応する力や心理的治療の効果が高まります。

 

 

 

 

AD/HDの治療~心理社会的治療~

 

 

 

 

1、環境調整

 

 

 

 

AD/HDの方自身が自分の特性を理解し、生活環境や人間関係づくりを行います。

 

 

 

 

生活のリズムを作ったり、いつ何をするかといったスケジュールを決めることで、セルフコントロールがしやすくなります。

 

 

 

 

2、心理療法

 

 

 

 

社会で快く受け入れられる行動、態度とはどのようなものか理解し、適切な行動をとることができるように、対人関係の技能や社会のルール、マナーを学ぶソーシャル・スキル・トレーニングや認知行動療法を行います。

 

 

 

 

また、医師と本人との定期的な面接や、家族も含めた家族療法、AD/HDの人が集まる自助グループにおける集団精神療法では、意欲を持続させるための方法や目標を達成するための枠組みについて話し合います。

 

 

 

 

薬物療法

 

 

 

 

薬物療法は、AD/HDで問題となる行動上の特徴をコントロールするうえで効果があり、行動や思考、仕事や家事に対する姿勢や人とのかかわり方などに変化があらわれます。

 

 

 

 

AD/HDの要因の一つとして脳内の神経細胞の間で情報を伝える役割を果たしている神経伝達物資(ドーパミン、ノルアドレナリン)が不足気味であるといわれています。

 

 

 

 

薬物療法は、不足している神経伝達物資を増す薬が主に使われます。

 

 

 

 

このほか、症状に合わせて抗うつ薬や抗精神病薬、抗てんかん薬などが使われることもあります。

 

 

 

 

同時に取り組む心理社会的治療を進める上でも、薬物療法を利用してAD/HDの症状を抑えることは効果的です。

 

 

 

 

AD/HDと上手に付き合う気持ちが大切です

 

 

 

 

AD/HDの方は、不注意や衝動性、多動性のために、他人から誤解を受けてしまうことがよくあります。

 

 

 

 

「怠惰」や「協調性のなさ」、「努力不足」などと指摘され、自己肯定感が低くなる場合があります。

 

 

 

 

しかし、それがAD/HDという障害に起因するものとわかれば、対処法を見つけやすくなります。

 

 

 

 

〇 自分の特性を知ることが大切です。

 

 

 

 

AD/HDの方がよりよい生活を送るためには、まず得意なことと苦手なことが何か、自分で把握することが重要です。

 

 

 

 

その上で、得意なことを伸ばすように、日常生活を見直したり、AD/HDに理解のある友人や仕事の同僚などを見つけ、周りの人にサポートしてもらうとよいでしょう。

 

 

 

 

〇 ストレスをためないようにしましょう。

 

 

 

 

AD/HDの方は、ストレスに弱い傾向があります。ストレスをためないように、自分に合ったストレス解消法を見つけておくことも大切です。

 

 

 

 

〇 家族と、お互い気持ちをわかり合うことが大切です。

 

 

 

 

周囲の方も家族療法などを受け、お互いの気持ちをわかり合うことが、治療効果を高めることになります。

 

 

 

 

周囲の方ができるサポート~特性を理解し、苦手なことはサポートする~

 

 

 

 

AD/HDの方は、不注意や衝動性、多動性のために、さまざまな症状が見られます。

 

 

 

 

失敗やミスを責めるのではなく、苦手なことは身近な方がサポートしてあげることが重要です。

 

 

 

 

〇 AD/HDの特性を理解する。

 

 

 

 

AD/HDの方が問題を引き起こすのは、怠けているからでも、努力が足りないからでもないことを理解しましょう。

 

 

 

 

〇 失敗やミスを責めない。

 

 

 

 

叱責や非難されることで、周囲の人との溝が深まり、疎外感や反発心が生まれ、不安障害など他の障害を引き起こすことがあります。

 

 

 

 

〇 苦手なことは周囲がサポートする。

 

 

 

 

AD/HDの方は、自分の苦手なことにどんなに努力しても成果はあまり期待できません。

 

 

 

 

かえって心理的負担が大きくなるばかりです。それよりも、周囲でできることは支援して協力してあげるほうが望ましい方向に向かいます。

 

 

 

 

〇 家事は家族が分担して行う。

 

 

 

 

家事が手際よくできない方の場合は、家族が家事を分担して支援することが大切です。

 

 

 

 

〇 連絡を密にして、要点を書類にして手渡す。

 

 

 

 

通常より頻繁に連絡をとりあうことが大切です。また、打ち合わせの内容などの要点をメールや書面にして渡すことも重要です。

 

 

 

 

確認する仕組みをつくる

 

 

 

 

AD/HDの方は、忘れやすく管理することが苦手です。大切なことは、報告を求めたり、家族や上司など周囲の方が確認する仕組みをつくることです。

 

 

 

 

〇 管理業務などは、経過をチェックする。

 

 

 

 

途中経過を報告させるしくみなどをつくり、チェック機能を強化することで、たとえミスが起こったとしても影響を最小限に抑えることができます。

 

 

 

 

〇 約束の時間やスケジュールを聞いておく。

 

 

 

 

家族や同僚は、毎朝、今日は誰かと約束がないか、期限を迎えた仕事がないかなどを確認し、声をかけてあげてください。

 

 

 

 

〇 時間管理は具体的に指示を出す。

 

 

 

 

作業をいつから始めたらよいのか、どのくらいのペースで行えばよいのか、どの時期に何をやればよいのか、スケジュールについては具体的な指示を出します。

 

 

 

 

〇 指示は小分けに出す。

 

 

 

 

指示を出すときは、一度に多くの指示を出しても忘れてしまうので、小分けに出すことが大切です。

 

 

 

 

〇 服薬管理をサポートする。

 

 

 

 

医師の指示どおり服薬しているかどうかを確認しましょう。

 

 

 

 

興奮しているときは、冷静になるまで待つ

 

 

 

 

AD/HDの方は、些細なことで興奮しやすく、しばしば争いごとを起こしてしまうことがあります。

 

 

 

 

しかし、その怒りはすぐにおさまり、怒っていたことを忘れてしまいます。落ち着いて話し合いができるようになるまで、少し時間をおきましょう。

 

 

 

 

〇 相手が冷静になるまで待つ。

 

 

 

 

興奮しているときは、反論したり、刺激を与えるようなことは避け、相手が冷静になるまで待ちましょう。

 

 

 

 

〇 怒る原因を理解する。

 

 

 

 

相手がどのようなことで怒るのか理解しておくことが大切です。また、プライドを傷つけるようなことや、心の傷に触れることは言わないように配慮することも大切です。

 

 

 

 

〇 感謝や評価をことばにする。

 

 

 

 

AD/HDの方は、周りの人から「嫌われているのではないか」「信頼されていないのでは」など自己否定的な感情を持ち、不安を抱えています。

 

 

 

 

感謝や評価のことばを聞くことで、自分を認めることができ、心にゆとりを持つことができます。

 

 

 

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