不登校を克服するまでの4つの段階
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不登校を克服するまでの4つの段階

1.混乱期(初期)「どうして学校に行かないの!?」

 

 

 

 

 

ここでは、親の傾向性に原因がある不登校が、克服までに通る4つの段階について理解を深めていきたいと思います。

 

 

 

 

 

親の傾向性の原因がある不登校の場合、混乱期(初期)、安定期、転換期、回復期を経過して克服していきます。

 

 

 

 

 

混乱期は、子供が学校に行くのを渋る時期を過ぎ、学校に行かなくなった時期を言います。

 

 

 

 

 

この時期は、子供も親もパニック状態で、親が子供に「学校に行きなさい」と迫ったりすることで、追い詰められた子供が親に暴力を振るったり、親に無理難題を突きつけたりします。

 

 

 

 

 

不登校の混乱期は通常、2~3ヶ月続きます。親が対応を誤って長続きしてしまうと、1年以上続くことも珍しくありません。

 

 

 

 

 

次の安定期は、子供の暴力などが一応収まる時期です。

 

 

 

 

 

逆に、親が無理に学校に行かせようとするのをあきらめたために、子供が激しい抵抗を示さなくなったとも言えるでしょう。

 

 

 

 

 

ただ、子供は、部屋に閉じこもって出てこなかったり、リビングには出てきても外出できないという状態です。

 

 

 

 

 

近くのコンビ二には行けるけれども、学校には行けないという場合もよくあります。

 

 

 

 

 

一般に、不登校の安定期は非常に長い期間に及びます。この時期、親が対応を誤ると、混乱期に逆戻りしてしまいます。

 

 

 

 

 

不登校の転換期は、子供が一人で外出できるようになったり、母親とニュースについて話をするようになったりして、「フリースクールに行ってみたい」「学校に行ってみたい」と言い出す時期です。

 

 

 

 

 

回復期は文字通りです。後述する転換期の訓練を通じて子供に自信が生まれれば、目標や夢を見つけて自分で行動を起こします。

 

 

 

 

 

元の学校に戻るなり、フリースクールに行くなり、仕事を見つけるなり、自立への道を自ら選んでいきます。

 

 

 

 

 

以上の4つの段階を、通常なら1年から3年をかけてたどります。親としては、この4つの段階を知っていれば、「今、子供は、この段階にあるのだな」と客観的かつ冷静に見ることができるでしょう。

 

 

 

 

 

無理に学校に行かせようとしない

 

 

 

 

 

では、混乱期の対処法を詳しく見ていきましょう。不登校の混乱期に親が「とにかく学校に行きなさい」と子供を部屋から引っ張りだすようなことをすると、修羅場になってしまいます。

 

 

 

 

 

この時期、重要なことは、無理やり学校に連れて行こうとしないことです。

 

 

 

 

 

不登校になった子供の心は、車がオーバーヒートしているような状態なので、休息を必要としています。

 

 

 

 

 

体が無理をすれば静養が必要なのと同じ理屈です。

 

 

 

 

 

風邪で寝込んでいる子供を、無理やり外に連れ出す親はいません。

 

 

 

 

 

いま大切なのは、学校を休ませることです。そして、子供が本当に休めているかを観察することが非常に大事です。

 

 

 

 

 

ひどい暴力のときは、対抗せずに外へ非難する

 

 

 

 

 

不登校の混乱期は、子供が家の中で暴れて親に暴力を振るったり、家の中のものを壊したりすることもあります。

 

 

 

 

 

自分を責める親への苛立ち、惨めな自分へのふがいなさ、友達からの孤立、将来への不安や焦りなどが家庭内暴力となります。

 

 

 

 

 

バットで家中の壁を叩き壊したり、刃物を向けてきたりすることもあって、身の危険を感じることも多々あります。

 

 

 

 

 

子供の暴力に対しては、親が「ここまでは耐えられる」という限界を設定して、それを超えたら家から出て行くのがいいと一般的にも言われています。

 

 

 

 

 

親は子供を一生懸命なだめるわけですが、刃物を取り出したときなどは、どうしようもないので、家の外へ避難するしかありません。

 

 

 

 

 

これが一番いい方法だと言われています。近所に親類がいたり、支援機関の人が応援に来ることができるならば、様子を見に行ってもらいましょう。

 

 

 

 

 

場合によっては、警察官に相談することも考えられます。その結果、子供の様子が治まっていれば、帰宅すればいいのです。

 

 

 

 

 

子供の暴力に応戦してしまうと、親が怪我を負い子供を犯罪者にしてしまいかねません。

 

 

 

 

 

不必要な罪を犯させないことが大切です。そのために外に出ることが勧められています。

 

 

 

 

 

子供の無理難題の要求は、「徹底的に聴く」

 

 

 

 

 

不登校の混乱期には特に、子供が「お菓子を買ってくれ」「ゲームソフトを買ってくれ」「パソコンを買ってくれ」などと、次から次へと親に買い物を要求します(安定期も続く)。

 

 

 

 

 

これに対して、親はどう対処したらいいのでしょうか。

 

 

 

 

 

関東自立就労支援センターでは、「3日間、何を買って欲しいのかを聴き続けてください」と勧めることがあります。

 

 

 

 

 

そうすると、子供はどんどん要求し続けます。ときには「家を買ってくれ」とエスカレートする子供もいます。

 

 

 

 

 

それに対して、「ああ、家ね」とひたすら聴き続けます。徹底的に話を聴いていると5時間以上かかる場合もあります。

 

 

 

 

 

そして、子供の口から要求が出てこなくなったら、「じゃあ、明日また聴くから」と言ってその日は終わります。

 

 

 

 

 

やがて、子供は「もういいよ」と要求しなくなります。

 

 

 

 

 

このことが意味しているのは、子供の要求が二重構造になっているということです。

 

 

 

 

 

言葉の上で、「あれ買ってくれ、これ買ってくれ」という第一の要求がありますが、その言葉の奥に真の要求があります。

 

 

 

 

 

それは「自分を全面的に受け入れて欲しい」という要求です。

 

 

 

 

 

今までのように親から「ああしなさい、こうしなさい」と一方的に言われるのではなく、「自分の言うことに耳を傾けてほしい」という要求なのです。

 

 

 

 

 

徹底的に聴いた後の子供の要求は、食べものやゲームソフト、CDなど、そう高価でないものでしょうから買ってあげたらいいでしょう。

 

 

 

 

 

子供の行動の種類によって、子供が受けているストレスがわかる

 

 

 

 

 

混乱期の子供の言動によって、子供がどんなストレスを受けているのかがある程度わかります。

 

 

 

 

 

子供が「とにかく学校へ行きたくない」という場合は、子供の心に耐え切れないぐらいの負荷がかかっています。

 

 

 

 

 

その負荷は、学校での友達関係、いじめなどからくることもあれば、親子関係など家庭内の不和からくる場合もあります。

 

 

 

 

 

将来や自身の存在に対する漠然とした不安からくることもあります。親に対する暴力がひどい場合は、親への不満が背景にあると考えられます。

 

 

 

 

 

「あれ買ってくれ、これ買ってくれ」と次々と要求する場合は、親がふだんから子供にかまっていなかったり、親の考えを押しつけていたりするときに起こります。

 

 

 

 

 

子供の言動によって、親がどう対処すべきか、ある程度分かってきます。

 

 

 

 

 

 

したがって、子供の言った言葉を聞き流したり、言い返したりしないで、まず受けとめることが大切です。

 

 

 

 

 

子供の心の声を聴こうとする事によって、親として変えるべきところが分かってきます。

 

 

 

 

 

2.安定期「不登校がこのまま続くのか不安・・・・・・・」

 

 

 

 

 

不登校の場合、混乱期を過ぎたら安定期に入ります。この時期、子供は学校に行けませんが、家の中では穏やかで安定した状態になっています。

 

 

 

 

 

安定期は、親にとってはひとつのチャンスです。

 

 

 

 

 

親が自身の傾向性(偏りのあるものの見方や考え方)を見つめ、子供への接し方を変えていくのがこの時期だからです。

 

 

 

 

 

要は、子供との関係を見直し、もっと仲良くなるということです。

 

 

 

 

 

子供と仲良くなったぶんだけ、次の転換期へと移行するまでが短くなります。

 

 

 

 

 

逆に、それを怠ると、安定期が3年やそれ以上長く続くことになってしまいます。

 

 

 

 

 

関東自立就労支援センターのアプローチと、通常のカウンセリングなどとの違いはここにあり、一般的には不登校の安定期に、親に対する具体的なアドバイスはないとされています。

 

 

 

 

 

関東自立就労支援センターでは、親が自分の子育てや生きかたに何かしら行き過ぎたところがないかを振り返ることによって、子供が不登校を克服するプロセスに入っていくとアドバイスしています。

 

 

 

 

 

このときに、自分が「抑圧型」「優柔不断型」のどちらのタイプの親なのかを見ていく必要があります。

 

 

 

 

 

人生の課題として向き合う

 

 

 

 

 

その前に気をつけるべきことがあります。

 

 

 

 

 

自分の傾向性を見つめると言っても、自分を責めるわけではありません。また、子供や夫を責めるわけでもありません。

 

 

 

 

 

子供が不登校になったときに、やってしまいがちなのは誰かを責めることです。

 

 

 

 

 

「どうして学校に行けないの?」と子供を責めます。次に「夫が悪い」と責め始めます。

 

 

 

 

 

「夫が厳しすぎたから」あるいは「優しすぎたから」と夫のせいにします。

 

 

 

 

 

最後は「自分の子育てが間違っていたのではないか」と自分を責めます。

 

 

 

 

 

しかし、不登校は、「誰が悪い」という性質のものではありません。

 

 

 

 

 

子供や親が人生の課題、「人生の問題集」として解決していくべきものです。

 

 

 

 

 

子供も夫も変わっていくべきところはあるけれども、まず母親が自分自身から課題に向き合うことを勧めています。

 

 

 

 

 

 

「優しさ8割、厳しさ2割」を目指す

 

 

 

 

 

親の傾向性のタイプには、子供に抑圧型の人、優柔不断型の人以外にも2種類あります。

 

 

 

 

 

一つはアダルトチルドレン型で、子供時代に親から受けた心の傷が関係した傾向性です。

 

 

 

 

 

もう一つは完璧主義型で、自分や人に完全を求め、足りない部分を責める傾向性です。

 

 

 

 

 

その結果として、夫婦や嫁姑が不和になったり、子供が不登校になったりします。

 

 

 

 

 

 

この2つは抑圧型と優柔不断型と重なる部分があります。

 

 

 

 

 

親が傾向性を変えていくときに目指すものとして、子供の自立を支援する親子関係がありますが、これを別の言葉で言うならば、「優しさ8割、厳しさ2割」です。

 

 

 

 

 

仏教では、優しく包み込む接し方を「摂受(しょうじゅ)」と言いますが、これが8割です。

 

 

 

 

 

相手が明らかに悪に陥りそうなときに厳しく導く接し方を「折伏(しゃくぶく)」と言いますが、これが2割ということです。

 

 

 

 

 

優しさ100%なら子供を甘やかし、厳しさ100%なら子供を萎縮させてしまいます。

 

 

 

 

 

8割・2割がちょうどいいバランスだという考え方です。

 

 

 

 

 

簡単に言えば、厳しくしかることも大切ですが、基本的には、子供のいいところをできるだけほめて、長所や強み、すばらしさを引き出していくのが望ましいということです。

 

 

 

 

 

抑圧型の親は、優しさやほめることを忘れてしまいがちです。

 

 

 

 

 

優柔不断型の親は、厳しさや叱ることを忘れてしまいがちです。

 

 

 

 

 

子供への接し方は、自分の傾向性に基づくものなので、それを変えるには時間がかかります。

 

 

 

 

 

その結果、子供に変化が起こるのに時間がかかります。

 

 

 

 

 

それが、安定期が長期化する場合の理由です。不登校の安定期に大切なことは、時間に耐えることです。

 

 

 

 

 

親が時間に耐えて努力したぶんだけ、不登校の克服は近づきます。

 

 

 

 

 

3.転換期「子供が動き出しそう」

 

 

 

 

 

不登校の安定期を乗り越えていくと、子供に変化が現れてきます。子供が「学校に行きたい」「アルバイトをしてみたい」などと言い始めます。

 

 

 

 

 

しかし、このときに気をつけなければいけないことがあります。

 

 

 

 

 

子供が前向きになったからとおって、「やっとその気になってくれた。待ってました」といわんばかりに、学校や社会に送りださないということです。

 

 

 

 

 

いきなり学校に行っても勉強についていけないし、人間関係もうまくいきません。

 

 

 

 

 

この時点では、まだ外部との安定したコミュニケーションができるまでの精神的なエネルギーがありません。

 

 

 

 

 

ここぞとばかりに子供の背中を押してしまうと、心のエネルギー不足になって、かえって不登校が長引いてしまいます。

 

 

 

 

 

それを避けるため、わざわざ転換期という時期を区切っているのです。

 

 

 

 

 

この時期に必要なことは、年齢にもよりますが、「空白の時間」を埋める訓練です。

 

 

 

 

 

学校に再び通う場合は、家庭教師をつけたり、フリースクールなどの支援機関に行かせたりして、遅れた勉強を取り戻す必要があります。

 

 

 

 

 

就職する場合は、職業訓練機関に行き、基礎的な能力を身につけるのが適当です。

 

 

 

 

 

なお、子供によっては相当長く休んでいたにもかかわらず、突然に登校したりアルバイトを手始めに働き出すこともあります。

 

 

 

 

 

新しいコミュニケーションのスタイルをつくる

 

 

 

 

 

こに時期は、部屋にこもっていた子供がリビングに出てきて、いっしょにご飯を食べるなど、親子の会話ができてきます。

 

 

 

 

 

そのときに大切なことは、子供の話をじっくり聴き、子供の気持ちを汲みとる「傾聴」です。

 

 

 

 

 

子供の気持ちに共感し、「こういうことなのね」と、言葉にならない部分をフィードバックしてあげることによって、子供自身がよくわからなかった自分の気持に気づくことができます。

 

 

 

 

 

また、親の気持ちを「私は」「お母さんは」を主語にして伝えるのも効果的です。

 

 

 

 

 

これまでは、「(あなたは)こうしなさい」という、相手をコントロールする指示・命令的なコミュニケーションがほとんどではなかったでしょうか。

 

 

 

 

 

「お母さんはこう思うよ」「お母さんはこういうことを心配しているのよ」と伝えることによって、最終的には子供の判断を尊重する新しいコミュニケーションのスタイルをつくり出していくことができます。

 

 

 

 

 

子供は、「自分で考え、判断していい」というメッセージを親から受け取り、自分の判断に責任を持つようになります。

 

 

 

 

 

一方で、親の考えを聞き、「こういうところを心配していたんだ」と気づくこともできます。

 

 

 

 

 

子供が「学校に行きたい」と言い出した場合は、「お母さんは、このまま学校に戻ったら、勉強についていけないんじゃないかと思うんだけど」と伝え、公的支援機関やフリースクール、家庭教師などのパンフレットをそっと机の上に置いておくといいでしょう。

 

 

 

 

 

後は、子供自身の選択です。母親が勉強を見ることができるなら、見てあげればいいでしょう。

 

 

 

 

 

または、学校の協力をもらうのもいいでしょう。

 

 

 

 

 

子供が「就職したい」と言い出した場合は、職業訓練やコミュニケーション・スキルを訓練するための公的機関に通う必要があるでしょう。

 

 

 

 

 

子供が小学校低学年の場合は、親が付き添い登校をして子供の不安を和らげたり、集団行動に慣れるため、地域の子供会やクラブ、またはキャンプなどへ参加させることも勧められます。

 

 

 

 

 

その結果、勉強にやる気が出たり、人間関係で自信が持てるようになったら、子供は自分で選択肢を探し、行動するようになるでしょう。

 

 

 

 

 

ここで気をつけてもらいたいことは、子供がフリースクールなどに行くようになると、親は「一段落した」という気持ちから、支援者に任せきりになることです。

 

 

 

 

 

このようになると、子供は「親に見放された」と感じます。

 

 

 

 

 

また、混乱期、安定期に逆戻りすることにもなります。

 

 

 

 

 

これをリバウンドと言います。そうなってしまうと、今までの数倍の努力と時間を費やさなければならなくなるので、注意しましょう。

 

 

 

 

 

4.回復期「子供が自分で動き始めた!」

 

 

 

 

 

「学校に行っても勉強に追いつける。仕事を始めても大丈夫」という状況になったら回復期です。

 

 

 

 

 

いよいよ子供が自分の足で自分の人生を歩き始めます。

 

 

 

 

 

そのときに大切なことは、親の側が子供から自立することです。

 

 

 

 

 

不登校の子供の親には、子供の面倒を見ることが生き甲斐になっている人がかなりいます。

 

 

 

 

 

「ダメな子」の面倒を見ることに親が自分の存在価値を見い出しているのです。

 

 

 

 

 

「この子には自分が必要なんだ」という強い気持ちです。

 

 

 

 

 

中には子供を自分の手元に引き止めるために、無意識のうちに子供が成長し、自立するのを邪魔する行動をとってしまうこともあります。

 

 

 

 

 

ある意味で、親が子供に依存しているのです。これを「共依存」と言います。

 

 

 

 

 

そのメカニズムに気づいたら、親も自立し、子離れすることです。

 

 

 

 

 

子供が自立し、親の助けなしに生きていくことはある意味では親にとってはさびしいことです。

 

 

 

 

 

しかし、親子がお互い依存しすぎず、成長を助け合う関係に移行することで、不登校を乗り越えることができるのです。

 

 

 

 

 

小学校低学年までの不登校には、「親子分離」と言って、母親から離れる不安によるものがあります。

 

 

 

 

 

この場合は、この4つの段階をたどらず、母親が付き添い登校をしたり、担任が家庭訪問していっしょに遊んで信頼関係ができたりすることによって、一人で登校できるようになることもあります。

 

 

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