不登校の要因
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不登校の要因

不登校が問題になってから、約半世紀が経とうとしていますが、不登校の原因は特定されていません。

 

 

 

 

というよりも、特定できないのです。不登校はさまざまな要因が重なり合って生じるものです。

 

 

 

 

しかし今だに不登校の原因が学校か、それとも家庭かといった議論がなされることがあります。

 

 

 

 

確かに子どもにとって生活の大部分を占める学校と家庭は子どもの心に大きな影響を与えるものです。

 

 

 

 

心理的にも親子関係や家庭環境は他の人間関係と比べて格段に重く、また学校での友達関係や教師との関係も子どもにとっては切実なものでしょう。

 

 

 

 

家庭と学校のどのような要因が不登校とかかわりが強いか、いくつかあげてみましょう。

 

 

 

 

「家庭の要因」

 

 

 

 

〇家庭内の人間関係(母子関係・父子関係・親子関係・夫婦関係・兄弟関係・嫁姑関係・・・・)に生じる問題・・・・・葛藤、確執、不和、競争、嫉妬、喧嘩、反目、無視、依存など。

 

 

 

 

〇親の子どもへの態度や行動:愛情飢餓、放任、分離不安、慢性的不安、過度の甘やかし、溺愛、過干渉、期待過剰、支配、偏愛、精神的不在、など。

 

 

 

 

〇家族病理:母子癒着、虐待、アルコール依存、スケープゴードなど。

 

 

 

 

〇その他:家庭の経済的状況、親の病気、兄弟の不登校、家族成員の非社会性、単身赴任、親の不就労、家族の多忙、家族の疑集性(強過ぎ、拡散)、家庭環境の急激な変化、家庭崩壊、家族の死、欠損家庭、離婚再婚の繰り返し、転居、地域からの孤立、隣近所とのトラブル、被虐待経験、DV、要介護者や障害者の存在など。

 

 

 

 

「学校の要因」

 

 

 

 

〇学校内の人間関係「1」(教師との関係)誤解、叱責、差別、執拗な注意、無視、バカにされた、体罰など。

 

 

 

 

〇学校内の人間関係「2」(友人関係)けんか、いじめ、からかい、仲間はずれ、無視、嫉妬、部活内いじめ、しごき、練習疲れ、試合での失敗など。

 

 

 

 

〇学業:授業理解困難、集中困難、授業妨害、成績不振、試験のプレッシャー、塾の勉強との落差など。

 

 

 

 

〇その他:病気や怪我などによる欠席、入学、進級、転校などのなじめなさ、先輩後輩関係、規則校則、委員会活動、学校外での付き合い、遊び、集団行動、集団の雰囲気への過緊張や苦手意識など。

 

 

 

 

これらは一部に過ぎません。これらの学校、家庭要因のほかに、「本人の要因」「社会文化変化の要因」などもあります。

 

 

 

 

特定の単一原因に求めることがいかに無理があるかわかるのではないでしょうか。

 

 

 

 

親も教師も、その時はよかれと思って子どもに投げかけたことが、結果的に裏目に出ることがよくあります。

 

 

 

 

あるいは、その時点では誰の責任でもなくどうしようもなかったこともあります。

 

 

 

 

こうした個々の要因は、「何が悪かったか」「誰が悪いか」といった犯人探しのためではなく、「これから」のために検討したいものです。

 

 

 

 

今、改善できることは何か?修正するべき点は何か?と未来に向かって検討するのです。

 

 

 

 

不登校の原因を単純に学校もしくは家庭のせいにしていく姿勢は、本人の問題解決にならないばかりか、その子とかかわる人々をいたずらに対立させてしまいかねないのです。

 

 

 

 

「不登校はどの子にも起こり得る」という言葉の功罪

 

 

 

 

「不登校(登校拒否)はどの子にも起こり得る」と言われてからもう10数年がたちます。

 

 

 

 

この言葉は、平成4年の文部省(当時)初等局長通知「登校拒否問題への対応について」の中に出てくるものです。

 

 

 

 

当時、増え続ける不登校の問題に対して文部省は「学校不適応対策調査研究協力者会議」を立ち上げ、その報告書をもとに全国の教育委員会、学校に通知しました。

 

 

 

 

しかしその後も、通知の予想どおり不登校は一般化し、増え続けている現状があります。

 

 

 

 

子どもの不登校問題に取り組むとき、この「不登校はどの子にも起こり得る」という言葉が影のようにつきまとい、不登校に取り組む者の心に今ひとつ釈然としない気持ちをわき起こすように感じるのはわたしだけでしょうか。

 

 

 

 

「不登校はどの子にも起こり得る」という言葉によって、子ども本人は劣等感や罪悪感、自信喪失などに陥ることが少なくなり、精神的葛藤から解き放たれた反面、気軽に学校を休むようになりました。

 

 

 

 

登校しないことに葛藤が少なくなり、「明るい不登校」と言われる不登校が急増しました。

 

 

 

 

また、再登校へのモチベーションも弱くなりました。保護者も、以前ほどわが子の不登校に悩まなくなり、親子間の葛藤が減った分だけ子どもにとって家庭の「居心地」がよくなりましたが、その反面、登校へ向けての親なりのはたらきかけが少なくなりました。

 

 

 

 

教師も、不登校の子どもへ理解を示すようになりましたが、一方で「誰もがなるのだから仕方がない」と試行錯誤しながらはたらきかけることも少なくなりました。

 

 

 

 

保健室や相談室、適応指導教室、フリースクールなど不登校の子どもにとって居場所が拡大しました。

 

 

 

 

このことで救われた子どもも少なくありませんが、それらの居場所と教室、学校との間の温度差も生じ、子どもにとっては教室や学校が遠のくことにもつながりました。

 

 

 

 

「不登校は特別なことではない」という見解は、新聞、ネットなどのマスメディアを通じて社会に浸透し、不登校児童生徒やその親などが世間からの偏見やプレッシャーを受けることが少なくなった反面、不登校の持つ問題性(社会的場面への不安、対人不安、社会的能力の未獲得、耐性の欠如など)が見過ごされやすくなりました。

 

 

 

 

「不登校は特別なことではない」という言葉は、もともとは不登校対応の基本としてあげられた5つの視点の一つに過ぎず、残りの四つの視点が大事なのです。

 

 

 

 

1、不登校はいじめや学業不振、教職員への不信等、学校生活上の問題に起因する場合も多いので、学校や教職員の努力が重要である。

 

 

 

 

2、学校、家庭、関係機関、本人の努力等によって、かなり改善ないし解決できる。

 

 

 

 

3、学校生活への適応を図るために、多様な方法が検討される必要がある。

 

 

 

 

4、好ましい変化は、自立のプロセスとして受けとめ、積極的に評価する、という四つの視点です。

 

 

 

 

つまり「不登校は特別なことではない」のだから、いろんな見地から検討してあきらめずにはたらきかけるという視点を提示したのです。

 

 

 

 

その後、「不登校は特別なことではない」という言葉だけが独り歩きしてしまった感があります。

 

 

 

 

残りの四つの視点を改めて見直したいものです。

 

 

 

 

 

 

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