不登校の回復期に親が注意すべきこと
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不登校の回復期に親が注意すべきこと

 

 

 

不登校の子どもが少しずつ学校復帰に向けて動き出すことがあります。そのことは親にとっても教師にとってもうれしいことなのですが、対応を誤ると、また逆戻りしたり、せっかく築いてきた信頼関係を崩してしまうことがあります。



1.学校復帰のサイン



不登校状態の子どもの中に、心のエネルギーが蓄積され、再登校に向かって気持ちが動いてくると、次のような行動が見られます。



〇 家にいることの退屈感を訴える。



〇 休日などの外出が増える。



〇 家族の手伝いをするようになる。



〇 クラスの様子や学校の行事などを気にし始める。



〇 部屋の整理や机上の整理を始める。



〇 これまで行きたがらなかった床屋に行って髪を切る。



〇 クラスの友達に連絡をしたりして接触を求め始める。



〇 押入れなどにしまいこんだ教科書など学校関係の品々をまた出してくる。



〇 学校に関する話題に抵抗を示さなくなる。



〇 自分のほうから学校に関する話題を家族に話す。



〇 進路情報を求める。



〇 勉強の遅れを気にし始める。



〇 友達といっしょに遊びに行く。



〇 来客などに顔を見せてあいさつするようになる。



〇 親を通して学校と連絡を取りたがる。




2.回復のサインが見られたら



(1)先回りしない



不登校状態にいたわが子に回復のきざしが見えると、親は誰でも喜ぶことでしょう。しかし、親のほうが先走って、再登校に向けてあれこれ動き始めたり、勉強の遅れのことを気にし始めたりすると、子どもは再びひきこもりモードになってしまうことがあります。わが子の不登校をきっかけとし、立ち止まり、親なりに親子のあり方や家族のあり方、夫婦のあり方などに目をむけ、修正してきたプロセスがまるでなかったように親の姿勢がリセットされてしまうと、子どもは「これまではなんだったのか」と親不信にもなり、無力感にもとらわれます。「不登校」という犠牲をはらって送り続けたメッセージが、まるで意味がなかったような気持ちになってしまうからです。



2)子どもの背中のほうを支える



学校復帰に向けて、子どもをリードするのではなく、子どもの後ろから歩いていくように心がけましょう。つまり、子どもが決めて行うことを、背中を支えるように後からサポートするのです。そうすれば、子どもは自分で加減をして歩むことができるでしょう。しっかり背中を支えてもらっていることを感じることができれば、不安に陥らずに歩むことができます。



(3)子どもと復帰計画を話し合う



ときどき親の予測も、教師の予測も、カウンセラーの予測も超えたかたちで学校復帰をはかる子どもがいます。子どもなりにいろいろと学校復帰について考えていることがあるのです。子どもの復帰計画に耳を傾けるとよいでしょう。子どもの方も、自分のこれからの行動を言語化することで、いまできること、いまはまだ無理そうなことなどを整理することができます。



大切なことは、子どもの復帰計画を否定・批判しないことです。できるだけ具体的な行動レベルになるよう、子どもの語る復帰計画に耳を傾けましょう。



不登校の回復期に教師が注意すべきこと



1.回復期と判断したら



不登校状態の子どもが徐々に回復し、学校復帰に向けて動きつつある、と判断された場合の教師の関わりの留意点を考えてみましょう。



(1)家庭と密に連絡を取り合う



学校復帰に向かう子どもの心には、さまざまな葛藤が渦巻いています。登校しても勉強が追いつかないのではないか、不登校のきっかけとなった友達とのトラブルがまた生じるのではないか、クラスの中に居場所はあるだろうか・・・・・等々です。学校のことはあまり考えずに不登校状態が続いていた時期よりも不安定なのです。「学校に行く気持ちになったらしい」との家庭からの情報を得て、学校側から一方的にはたらきかけることがないように注意しましょう。




(2)受け身に対応する



むしろ、「学校復帰に向かっているのでは」と判断された場合には、保護者同様、こちらが消極的に感じられるくらいの対応のほうがよいのです。子どもの求めたものだけに応えるようにし、積極的すぎないように心がけます。




(3)はじめは「教師―児童・生徒関係」の確立をはかる



教師側がこの時期の不登校の子どもへの対応をクラスの子どもにまかせっきりになってしまうと、不安から変わりやすい不登校の子どもの言動がクラスの子どもにはうまく理解されずに、「嘘をついた」「せっかく家まで行ったのに出てこない」などと受け取られてしまいます。不登校になり始めの時期と同じような不安定な友達関係が再来してしまいます。この時期、不登校の子どもからの求めがない限り、クラスの友達とのかかわりは後回しにします。まずは安定した教師と子どもの関係をつくることが大切なのです。その土台ができて子どもは友達関係へと広げていくことができるのです。



2.はじめの一歩のために



回復期の子どもは状態が「行きつ戻りつ」するものです。一喜一憂せずに、子どもが葛藤を乗り越えながら歩む姿を見守りましょう。子どものほうが学校の情報を求めてきたら、丁寧に返すようにしましょう。特に実際に再登校しようと考えている日については、時間割、持参が必要な教材、プリント類、そして校舎に入るときの時間と入り口まで、きめ細かく連絡を取り合います。



わたしはカウンセラーとして、この時期の子どもと関わる際には、「前向きの先生」にならないように心がけます。子どもが学校復帰を持ち出しても飛びつかず、「せっかく休んでいるんだから、もう少し休んでもいいと思うけど」といった感じで学校復帰話に飛びつかないように心がけます。子どものほうが焦れてきて「学校と連絡をとってほしい」と求めてきた時点で、「ためしに、やってみる?」といった感じでやっと動き出します。子どもにとって不登校状態にいる自分の存在を認めてくれる人が0(ゼロ)にならないように注意しなければならないのです。


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