不登校とひきこもりの特質
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不登校とひきこもりの特質

不登校の人たちに共通する特質として、親から見て手のかからない素直な良い子が多いというのが特徴的で、不登校になるきっかけや原因もあまりはっきりしないことが多いです(もちろん、なかにはいじめや友人関係等、原因がはっきりしていることもあります)。

 

 

 

 

やさしくて思いやりがあり、人を押しのけてまで自己主張するのが苦手という人たちが多くて、なんといっても学校という同世代の集団の中では、はっきりとしたいじめにあわなくても、すごいストレスを感じてしまう人たちが多いのではないかと思います。

 

 

 

 

そういう性格は、親や家庭環境や学校での教育によって影響されるものでもあるのでしょうが、やはりその人本来のもって生まれた特質のほうが強く影響しているのではないかと感じています。

 

 

 

 

しかし、そうした特質は、けっして発達の障害や人格的な欠陥ではないと思います。

 

 

 

 

事実、大人になってからは、その思いやりに満ちたやさしい性格が、社会的に大きく役立つものとなっていく様子を、わたしはたくさん見てきました。

 

 

 

 

ただし、思春期において、彼らは不登校という過程を通らなければ、巣立ちはできなかったようにも思えます。

 

 

 

 

中学一、二年というのが、不登校のはじまりの年齢として多いのですが、まさにそれは思春期のはじまりの時期であり、第二次反抗期の時期でもあります。

 

 

 

 

その時期になってとつぜん、それまで親から見てよい子だった子どもが、さまざまな形で自己主張しはじめます。

 

 

 

 

不登校とは、そのいちばん強い自己主張の方法といってもいいかもしれません。

 

 

 

 

その方法は、良い子にとっていちばん手っ取り早い、そしてもっとも効果的な、親をもっとも慌てさせる方法だからです。

 

 

 

 

それに動転して無理やり学校に行かせようとすると、なかには子どもの自立の動きが、家庭内暴力という形で出てくることもあります。

 

 

 

 

わたしが今まで不登校の問題にかかわってきて実感したことは、その背後にあるものは、今まで人の敷いたレールに乗っかっているだけの良い子だった子どもが、そのレールから降りて、初めて自分の足で歩き出そうとする動きだということです。

 

 

 

 

それは、とても健康的な動きであると感じられます。巣立ちのためのレッスンです。

 

 

 

 

それは、その人が次のステップに進むためには必要な作業なのだと思います。

 

 

 

 

ひきこもりの人たちにも、子どものころの性格や特質などは、かなり不登校の子どもたちと共通する点が多いような印象があります。

 

 

 

 

そういう意味では、不登校も、ひきこもりも、それが本人の特質に根ざすものであるという点で、根はいっしょなのではないかと感じています。

 

 

 

 

しかし、不登校とひきこもりの問題の最大の違いは、不登校がやがて時期が来れば自然に社会へ向けての動きが出てくるのに対し、ひきこもりではしばしばその動きが見えないままずるずると長期化してしまうことにあります。

 

 

 

 

この違いは、どこから来るのでしょうか。不登校になる人よりも、ひきこもりの人のほうがより病理が重いからでしょうか。

 

 

 

 

でも、今まで会ってきたひきこもりの人たちを見た限りでは、けっしてそうではないと思います。

 

 

 

 

対人訓練が乏しいから、人とコミュニケーションする能力に問題があるからなどとよく言われますが、わたしが会ってきたひきこもりの人たちは、すくなくともコミュニケーションの能力に問題があると思われる人たちのほうが少なかったと感じます。

 

 

 

 

むしろ、自分の言葉でしっかり語ることのできる人たちであるという印象のほうが強いのです。

 

 

 

 

この違いの一つには、二十代前半くらいまでは学生生活を送る時期ということで、それなりに猶予期間として社会的に認知されますが、その年齢を過ぎると、社会からのプレッシャーは段違いに強まるということがあると思います。

 

 

 

 

その強いプレッシャーがますます、ひきこもりから出にくくする要素になってしまうようです。

 

 

 

 

さらには、たぶん十代という、ある意味で心に柔軟性がある時期に「ひきこもる」という作業を充分にできなかったか、あるいはその時期を過ぎてしまってから、その作業をやらなければいけなかったというハンディキャップもあるように思います。

 

 

 

 

不登校やひきこもりの問題に関わってきてわたしが学んだことは、それは「自立」をめぐる問題であり、みんなと同じでなければならないという「呪い」から抜け出して、「自分らしく生きる道」を模索することであるということでした。

 

 

 

 

世間では、ひきこもりの人たちに対する印象として、何をするかわからない犯罪者予備軍とか、親に甘えて、いい年をして親のすねをかじっている人たちというイメージがまだまだ強いように思えます。

 

 

 

 

しかし、実際に彼らに会ってみると、それはまったく実態にはほど遠いものだということがわかります。

 

 

 

 

たぶん同じ年頃の若者の中では、人を傷つけるとか、犯罪というものからいちばん遠いところにいる人たちだと思います。

 

 

 

 

また、いままで会った人の中で、一生親に依存して生きていていいと思っている人は、一人もいませんでした。

 

 

 

 

誰もが真剣に、社会に出ること、仕事につくこと、親から自立することを痛切に望んでいました。

 

 

 

 

みんな、そのように普通にやれないでいる自分に否定的になり、葛藤し、苦しんでいます。

 

 

 

 

日本で数十万人とも、一説には百万人以上ともいわれる膨大な数の人たちが、なぜ、ひきこもっているのは、何を考えているのか、わたしはたくさんのひきこもりの人たちに会って、彼らの体験を少しずつ聞くことで、ある種の感触のようなものは感じてきています。

 

 

 

 

わたしは、ひきこもりの問題には、わたしたちへの、あるいはわたしたちの社会への、とても大切なメッセージが込められているのではないかと感じています。

 

 

 

 

一人ひとりを見ていくだけでは気づかないようなメッセージが、ひきこもりの問題を全体として、現象としてみていくと、、見えてくるものがあるように思えます。

 

 

 

 

誰もが「ひきこもり問題」の窓を通して、自分自身の生き方やこの社会のことを考えていく手がかりのようなものを見つけることができるのではないかと思っています。

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