ニート・ひきこもりと人間関係
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ニート・ひきこもりと人間関係

「人間関係のスキル不足」が招くニート・ひきこもり。

 

 

 

 

ひきこもりと関係の深い不登校(以前は登校拒否)は、1974年(昭和49年)以降、2001年まで、児童・生徒数、出現率とも増加傾向に歯止めがかかりませんでした。

 

 

 

 

わたしが20年余年間ひきこもりをともなう不登校の子どもの支援活動を通して感じていることは、原因のひとつが人間関係のスキル不足にあるということです。

 

 

 

 

人間関係のスキルが不足すると、人間関係からくるさまざまなストレッサー(ストレスの元になるもの)を処理できずに、必要以上にストレスを受け、健全に発散できずに身体症状や精神症状が起きて動けなくなるのです(ただし、しばらくひきこもることには、外からのストレッサーを遮断し、ストレス症状としての身体症状を改善させ、自我の崩壊を防ぎ、うつ病や統合失調症を予防する働きがあるとも考えられるので、一概にすべてのひきこもりが意味がないと考えるのはよくありません)。

 

 

 

 

もちろん、このことはひきこもりだけではなく、ニートにも言えることです。ニートやひきこもりの大きな要因の一つになる人間関係のスキルは、親子の情緒交流を通して精神的な安定によってつくられ、親子関係の信頼基盤にもなります。

 

 

 

 

小学生になれば、精神疾患や発達障害などがない限り、この人間関係のスキルの基本ができていれば、情緒が不安定にあることはありません。

 

 

 

 

6歳までの親との情緒的なふれあいの中で、親の感情は無意識に子どもにすり込まれていき、子どもの感情はさまざまな種類の感情に分かれ成長し安定していきます。

 

 

 

 

そして、幼児期からの同世代との交流や親以外の大人(先生・保育者や隣近所の大人)との信頼感に満ちたつながりがあると、情緒がさらに安定して喜怒哀楽などの感情表現ができるようになり、他人との感情のやり取りが自然にでき、人間関係のスキルの土台を獲得していきます。

 

 

 

 

さらに、この土台の上に保育園・幼稚園、小学校での複雑な人間関係にもまれ、仲のよい友だちとそれほど親しくもない人との距離感や付き合い方の技術(スキル)が確実なものになっていきます。

 

 

 

 

そして、高学年になれば、自意識の目覚めとともに、他人への意識が過剰になり、異性を意識しだすといった大人へのステップを登り始め思春期に入ります。

 

 

 

 

その時期は理性的でありたいという自分と、欲求や欲望が強いもうひとりの自分とがあらわれます。

 

 

 

 

この相容れない矛盾した感情から葛藤が常に起こり、自分の感情がコントロールしにくい時期になります。

 

 

 

 

そして、思うようにいかない自分自身にストレスを感じ始め、理由なくイライラする日が続きます。

 

 

 

 

しかし、それらのことは誰にでもあることであり、どんな時代にもありました。思春期であれば、子どもは本能的に人間関係のスキル不足を感じ、退行現象を起こすことがあります。

 

 

 

 

その時に親が適切な対応をとることが大切です。

 

 

 

 

人間関係のスキルが育たない社会状況

 

 

 

 

1970年以降の30年あまりの間、子どもたちの人間関係のスキルは育たなくなってきました。

 

 

 

 

ここではその期間の社会状況について振り返ってみましょう。

 

 

 

 

経済的には70年代前半で高度経済成長は終わり、不登校が増え始めた1974年以降は安定成長期からバブル好景気、そしてバブル経済の崩壊期でもあります。

 

 

 

 

経済的な繁栄のなか、自家用車・家電製品やAV機器など物にあふれた消費生活は豊かさの象徴で、国民の間には一億総中流意識が蔓延化していった時代です。

 

 

 

 

産業労働構造は、第一次産業(農林水産業など)は衰退の一途をたどり、第二次産業(加工工業や建設業など)から第三次産業(商業、通信、公務、金融やサービス業)へと移り変わっていきました。

 

 

 

 

そして、地元の商店街は閑散とし、全国展開をする大手のスーパーマーケットが台頭していった時代です。

 

 

 

 

その影響で地縁・血縁関係が強い地域社会は衰え、行政、大企業などを中心とした、個人よりも組織や団体が力を持つ管理社会が形成されていきました。

 

 

 

 

それらの影響を受けて、家族社会も大きく変化していきました。子どもに学歴をつけるという考え方が強くなり、よい高校からよい大学、そして、大きな会社に入ることが人生の幸せという学歴神話が、日本独特の雇用システムである年功序列・終身雇用という制度と結びつき育っていきました。

 

 

 

 

大家族から核家族化が進み、同時に少子化も進むといった家族構成の変化が現れました。

 

 

 

 

少子化のなかで、企業や役所で働くサラリーマン世帯が増加して、農地や土地やお店などの生産財を子どもに相続させ、家を守るといった考え方を多くの市民はしなくなりました。

 

 

 

 

子どもに学歴をつけるという考え方が強くなり、よい高校からよい大学、そして、大きな会社に入ることが人生の幸せという学歴神話が、日本独特の雇用システムである年功序列・終身雇用という制度と結びつき育っていきました。

 

 

 

 

そして、社会の変化の中で保護者の意識や価値観にも変化が現れて、50代のわたしにとっては、思わず首をかしげたくなるようなひきこもりなどの事例が最近は増えてきています。

 

 

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