ニートについて
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ニートについて

ニートとはNot in Employment, Education, or Trainingの略で、イギリスが発祥の概念です。

 

 

 

 

日本におけるニートの定義は、「仕事をしていない(求職活動もしていない)、学校に行っていない、15~34歳で未婚の人たち」となっています。

 

 

 

 

求職行動(ハローワークに通う等)をしていて仕事が見つかっていない人は、日本では失業者とされる(イギリスの定義は年齢が10代に限定されており失業者も含んでいる)。

 

 

 

 

ニートは、厚生労働省の2006年調査で62万人程度いるとされていますが、ここには35歳以上の人はカウントされないという統計のマジックがありますので、実態はもっと多いはずです。

 

 

 

 

ニートという概念は、青年のサポートをする上で、わかりにくさと便利さをもちます。

 

 

 

 

便利さの理由を先に述べますと、それまで心理学的・精神医学的支援が中心だった青少年支援に「就労」が導入されたことがあります。

 

 

 

 

ニートという言葉は2003年頃から爆発的に広がっていったのですが、それまでの青年支援はカウンセリングや友達作りといった、当事者の内面やコミュニケーションに焦点を当てたサポートが中心でした。

 

 

 

 

そこにニートが出現し、就労という視点、つまり経済的自立という明確な目標が掲げられました。

 

 

 

 

それまではどこか遠慮がちに語られていた「働く」ということが、堂々とした目標になってきました。

 

 

 

 

また、働くことが難しい青年にとっても、なぜ難しいのかについて曖昧にしないで、就労の困難さを明確化し、そのうえで別のサポートを考えていくといったような視点を持つことができました。PED_yokuharetaaozoratoookinaki_TP_V

 

 

 

 

こうした意味では、ニートという概念は青年支援に大きな影響を与えました。

 

 

 

 

ニートのわかりにくさは、「あれでもないこれでもない」といった、否定語のみが並び積極的に「○○である」という意味をもたなかったため、支援を必要としない人たちをも含んでしまうことです。

 

 

 

 

たとえば、「大学院を終了し、秋からアメリカに留学予定なのだが現在は家で論文を書いている」といったような若者も、やむを得ず家族の介護や家事をしている若者もここに含まれてしまいます。

 

 

 

 

当然、ひきこもりの一部も含まれるわけですが、これが62万人のなかに何割いるかは、問題がひきこもりなだけに数としてはわかりません。

 

 

 

 

ひきこもりの一部と書いたのは、たとえば、大学に籍を置いたままひきこもっている人は、ひきこもりではありますが、ニートではありません。

 

 

 

 

このように、ニートという言葉はひきこもりと同様、曖昧すぎて、若年者就労問題の統計資料を作成するうえではよいのでしょうが、支援の現場ではなかなかやっかいな概念です。

 

 

 

 

ただし、ニートが含意する「就労」という要素は支援現場ではそれなりの意味を持ちます。

 

 

 

 

よって、支援の現場で「より使える」概念として「狭義のニート」という段階を設定しました。

 

 

 

 

これは、家族と会話があり支援機関や知人につながっているため外出も誰かとできるのですが、就労できていない状態を指します。

 

 

 

 

この段階をあえて設定することで、自分がどこにいるかを把握することができます。

 

 

 

 

言い換えますと、支援のスモールステップに、こんぽ狭義のニートという階段を新たに設置することで、ひきこもりの当事者がどの段階に位置しているかを認識し、そこからどのように確実に階段を上っていくかを探っていけるということです。

 

 

 

 

この状態を設置せず、ひきこもり状態からいきなりアルバイトというのは、現実的には難しいし、継続できないことが多いです。

 

 

 

 

そればかりか、新たな挫折体験になることもあります。とりあえず、狭義のニート状態になり次を模索するという段階を踏んだほうが、よりリスクは低いです。

 

 

 

 

ニートの特徴

 

 

 

 

○男女比はほぼ同率です。

 

 

 

 

○全国で約85万人いるといわれています。

 

 

 

 

○9割近くの人が、現在の自分の状況に焦りを感じています。

 

 

 

 

○親との同居率が高いです。

 

 

 

 

○23歳と19歳のところにピークがあり、大学や高校を卒業した直後の若者に問題が出てきます。

 

 

 

 

○一度も求職活動をしたことがないニートの、してこなかった理由としては、「人付き合いなど会社生活をうまくやっていける自信がない」が最多です。

 

 

 

 

親や兄弟の職業とライフスタイル

 

 

 

 

親の職業は、子どもの職業選択においてなんらかの影響を及ぼすものです。それは以下の2つの面を持つと思われます。

 

 

 

 

第一に、親は子どもにとって職業のモデルです。親の職業上のライフスタイルと職業意識が子どもに反映します。

 

 

 

 

親が職業のうえでしっかりした基盤を持ち、子どもに情報を与えたり助言できる場合は、ニートやフリーターをしながらも見通しを失わず将来設計をたてることが可能になってきます。

 

 

 

 

反対に、親にその力がないと、子どもは目先のことしかわからず、経済的な余裕がないこともあって、刹那的な選択をしがちになります。

 

 

 

 

また、親が非正規雇用者であれば、フリーターへの親和性もあるでしょう。

 

 

 

 

もっとも親のようにはなりたくない、という意識も働くでしょうがどこに分かれ目があるのでしょうか。

 

 

 

 

第二に、親の職業は地域経済を反映しますが、それが同時に子どもにも反映します。

 

 

 

 

地域経済の衰退は、親子双方に悪影響を及ぼし、特に弱い社会階層の親子を直撃すると指摘されています。

 

 

 

 

ニート=働く意欲のない若者?

 

 

 

 

「ニート」は、フリーターの急増に対する社会的関心が急速に高まった時期に、まさに「若者の雇用問題」に対する社会全体の危機感を高めるという「使命」を担ったかのタイミングで、日本に移入されました。

 

 

 

 

移入元は、先述したようにイギリスです。この言葉の本家であるイギリスでは、1970年代後半以降、若年者の高失業率の問題に取り組む経験のなかから、義務教育終了後、進学も就職もしない若者に対しては、公的な職業訓練を受けることを事実上義務づけるような施策が展開されてきました。

 

 

 

 

こうした形での若者の社会的・職業的自立を支援する取り組みが、長年にわたって展開されてきたからこそ、90年代末に、学卒後、通学も就労もせず、職業訓練にも参加していない若者たち=NEETが多数存在することが明るみに出た際、それが社会的および政策的な関心を呼んだのです。

 

 

 

 

イギリスにおけるNEETの新たな発見は、コネクションズ・サービスに代表されるように、学校段階にいる若者たちへの個別的支援を含んだ、地域レベルでの、より包括的な若者の自立支援策のさらなる展開を促す契機になっていきました。

 

 

 

 

その背後には、NEETに代表される若者たちの困難を、個々の若者の個人的な問題としてではなく、貧困やマイノリティといった社会的困難が折り重なった構造的な問題としてとらえようとする視点があり、若者たちを社会へと「包摂」していくためには、公的な支援体制の構築が急務であるという認識が存在していたことに注目しておく必要があります。

 

 

 

 

こうしたイギリスの場合と比較すれば、日本における「ニート」の概念の導入には、いったいどんな狙いが込められていたのでしょうか。

 

 

 

 

若者の就労支援を社会全体の責任で行っていくという合意が確立しているわけでもなく、公的な職業訓練の機会も著しく貧困である日本において、一群の若者たちをニートと名づけることに、そもそもどんな意味があったのでしょうか。

 

 

 

 

政策形成に関与した者たちの間では、「いわゆる『ニート』やひきこもりと呼ばれる若者など、社会とのつながりを築きにくい若者に対しては、これまで政策的な支援が十分には届いていなかったのではないかと考えられる」といった認識から、より多くの困難を抱える若年層に政策的な支援の光を当てるという目的で、ニートの概念の社会的認知を得ようとする意図があったのかもしれません。

 

 

 

 

そうした意図そのものを疑うつもりはありませんが、しかし、フリーターの問題でさえ、個人としての若者が抱える「問題」へと転形してしまう強力な磁場を形成しているのが、新自由主義的な「自己責任」原則の跋扈する、現代日本の社会意識空間なのです。

 

 

 

 

そこでは、政策関与者たちの意図とは異なる方向に、日本におけるニート概念が普及していくということも、十分に想定しうるシナリオでした。

 

 

 

 

そう考えたとき、注意すべきことは、日本におけるニートの概念がイギリスのNEETとは重大な違いを持っているという点にあります。

 

 

 

 

日本版ニートは、イギリスと同様に、非通学・非就労・非職業訓練も若者を指していますが、同時にそこには、ニートは「非労働力人口」であるという限定がかけられています。

 

 

 

 

つまり、日本におけるニートには、失業者(=求職活動をしている「労働力人口」)が含まれていないのです。

 

 

 

 

実際問題として、労働力人口の「外部」としてニートを措定する、この操作的な定義の社会的効力は、絶妙でした。

 

 

 

 

この定義から、求職活動をしていないニートは、結局のところ「働く意欲のない若者である」といった理解が生まれてくるまでは、ほんの少しの跳躍が必要なだけです。

 

 

 

 

事実、「ニート=働く意欲のない若者」という図式は、論理的には飛躍を含んでいるにもかかわらず、マスコミ報道等を通じて、社会的にはきわめてわかりやすい解釈として、急速に普及していくことになりました。

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