ひきこもり支援は長期戦
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ひきこもり支援は長期戦

 

ひきこもりの事態が深刻であっても、いやむしろ深刻であるほど、絶対に関わろうとしない親も現実にいます。

 

 

 

 

 

とりわけ父親にはこのタイプが多いのです。どんなに母親が促しても話し合いに応じないばかりか、「お前がなんとかしろ、俺は知らん」の一点張りです。

 

 

 

 

当の本人は仕事に没頭するかのようで、実はもっとも大きな困難を避け、仕事へと逃避しているのです。

 

 

 

 

 

つまり、これもまた「ひきこもり」なのです。このような態度は、やはり想像力の欠如として批判されなければなりません。

 

 

 

 

問題なのは、誰が悪いかというような瑣末な事柄ではなく、これからどうあるべきか、どうするか、ということなのです。

 

 

 

 

もし今すぐに手を打たなければ、十年後、二十年後には、三十代ないし、四十代にいたったわが子を養いつづけなければなりません。

 

 

 

 

そう、もちろん定年後もずっと、です。事態を漫然と放置しつつ、目前の状況から目をそらし続けることの結果は、それほど歴然としています。

 

 

 

 

このようにあえて将来の不安をあおりますと、一部の親は「子どもが立ち直れるなら何でもする、どんな犠牲でも払う」といった、過剰反応に陥ってしまいます。PAK66_koibitototewotunagu20140301500_TP_V1

 

 

 

 

これはこれで困ったものです。わたしたちは両親に、本気で支援や治療に取り組んでもらいたいと考えていますが、何も「すべてをなげうって支援や治療だけに専念せよ」と主張したいわけではないのです。

 

 

 

 

支援や治療自体は、生活の一部をそのために割くだけで、十分に可能なのです。

 

 

 

 

それでもかなりの数の、とくに母親が、なかば償いの気持ちから、本当に何もかもなげうって本人の世話に当たろうと試みます。

 

 

 

 

 

このような密着した母子関係は、むしろひきこもりの社会復帰の妨げになります。

 

 

 

 

それにもかかわらず、そのような関係がしばしば生まれてしまうのは、なぜでしょうか。

 

 

 

 

わたしたちはそれが、ひきこもり本人も、また母親自身も、そのような関係をどこかで望んでいるためだと考えています。

 

 

 

 

自分を犠牲にすることの甘美さもまた、こうした関係を強めます。こうなってきますと、犠牲も献身も、一種の中毒のようなものになってしまいます。

 

 

 

 

本人は「僕は母親なしでは生きていけない」と感じ、母親も「この子は私なしでは生きていけない」と確信します。

 

 

 

 

もちろんそれは錯覚にすぎないのですが、この中毒作用はそれほど強烈なのです。

 

 

 

 

ひきこもりの社会復帰という長期戦、それもかなりの消耗戦をやり遂げるには、両親それぞれが自分の世界を、しっかりと確保する必要があります。

 

 

 

 

父親には仕事や付き合いがありますから、この点は、主に母親について強調しておきます。

 

 

 

 

24時間、ひきこもり本人と向き合って過ごすようなやり方は、まったく好ましくありません。

 

 

 

 

母親もまた、パートなどの仕事や趣味、習い事などの時間を十分に確保すべきですし、社交もかかせません。

 

 

 

 

そのような場面で、母親が自分のための時間を確保することは、母親自身の精神的バランスの維持に役立つはずです。

 

 

 

 

母親が外に出かけることを非常に嫌がるケースもありますが、あえて振り切ってでも出かけていくことで、ひきこもり本人の中にも「母親という個人」があらためて認識されるでしょう。

 

 

 

 

自分とは異なる個人としての母親を認め、その事実を受け入れることが大切です。

 

 

 

 

こうした変化は、ひきこもりの社会復帰支援を進めていく中で、きわめて重要な意味をもちます。

 

 

 

 

回復には数年かかると腹をくくる

 

 

 

 

ひきこもりや不登校の状態から完全に回復するには、多くの人が数年かかります。

 

 

 

 

治療機関は人それぞれですが、早期改善を期待して、あせっていろいろ治療の手を繰り出しても、かえって遠回りしてしまいます。

 

 

 

 

家族や周囲の人は、腹をくくってじっくりと対応していきましょう。

 

 

 

 

ひきこもり状態が長期化していくと、急激に改善することが期待できなくなります。

 

 

 

 

あせればあせるほど、落ち込んだり、深みにはまったりすることがあるので、無理な目標をたてたりしないでゆるやかに改善していく子どもを見守るようにしましょう。

 

 

 

 

気長に数年間はがんばろうと思っていれば、社会に出て行く意欲がいずれでてきます。

 

 

 

 

問題より人間関係を重視する

 

 

 

 

何か問題が発生したとき、その問題を解決しようとします。ですが、不登校やひきこもりの場合は、「問題」(学校へ行かないこと、部屋にひきこもっていること)ではなく、人間関係に焦点を当てることのほうが、問題解決という点では賢いやり方といえます。

 

 

 

 

問題に焦点を当ててしまうと、どうしても即物的な解決を目指してしまいます。

 

 

 

 

不登校なら「学校へ行きなさい」ということになってきます。

 

 

 

 

親がきつく言えば行く子もいるかもしれません。でも、それでは少しも問題の解決になっていません。

 

 

 

 

しばらくは登校しても、また行かなくなる可能性があります。

 

 

 

 

そして、そのときはもっと悪い状態になっています。リバウンドの状態です。

 

 

 

 

部屋に閉じこもりきりの子を強引に引っ張り出すことはできます。

 

 

 

 

でも、根本的な問題が解決されていなければ、強引に部屋から出してもすぐにまた引きこもってしまいます。

 

 

 

 

不登校もひきこもりも人間関係の失調から来ています。それもほとんどの場合、親子の人間関係の失調なのです。

 

 

 

 

ですから、それが改善されない限りは、問題が解決したとは言えないのです。

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活動内容
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 学習 支援、生活訓練
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・各種資格取得支援