ひきこもり支援と家庭の会話の重要性
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ひきこもり支援と家庭の会話の重要性

ひきこもり本人との会話で重要なのは、相互性と共感性であり、言葉のキャッチボールです。しつけや、教え導こうといった「上から目線」にとどまっている限りは、意味のある言葉のキャッチボールは成立しにくくなります。

 

 

 

 

ひきこもりの子どもとまったく会話がない場合は、まず「あいさつ」から始めてみましょう。「おはよう」「おやすみ」「ただいま」などのあいさつをしっかりと励行することです。

 

 

 

 

もちろん本人に対してだけでなく、家族全員がお互いに挨拶しあう習慣をこのさい定着させましょう。

 

 

 

 

このほか試みる価値のある働きかけとしては「誘いかけ」「お願い」「相談」などがあります。いずれも本人の存在価値を尊重するというメッセージがこめられています。

 

 

 

 

会話がまったくないのに、簡単な家事を頼んだら黙ってやってくれた、というエピソードは意外に多いのです。本人からの反応がなくても、続けてみる価値はあります。

 

 

 

 

会話をすすめるにあたって重要なことは、誠実でわかりやすい態度を貫くことです。水面下でいろいろ画策したり根回ししたりするやり方は、しばしば裏目に出ます。

 

 

 

 

また、食卓にひきこもりの記事やアルバイト雑誌を置いておくといった「これ見て悟れ」方式は、ほぼ確実に怒りしか買いませんのでここではお勧めしません。

 

 

 

 

話題は自然にまかせてよいのですが、いくつかの「べからず」はあります。本人がひそかに恥じ、劣等感を持っているであろう部分には触れないように配慮しましょう。

 

 

 

 

たとえば将来の話、学校の話、同世代の友人の話、などがそうです。逆に話題として好ましいのは、本人から距離のある話題、たとえば時事問題、芸能界の話題、趣味の話題などです。

 

 

 

 

本人はしばしば社会的な関心が非常に高く、ニュースなどについてもネット情報などからかなり詳しい知識を持っています。

 

 

 

 

社会情勢などについて本人の意見を求めると、喜んで応じてくれる場合もあります。わかりにくい話題があったら、いろいろ教えてもらうのもいいでしょう。

 

 

 

 

ところで、会話において話題の選択以上に大切なのが「話し方」です。多くの父親は、しばしば「上から目線」の権威的な物言いが癖になっています。PPO_kiirokukouyoushitaicyoutobiru_TP_V1

 

 

 

 

上司が部下に向かうような態度、あたかも世間の代表であるかのような表現などが典型です。

 

 

 

 

たとえば「世間ではこれがあたりまえだ」「そんなことは社会では通用しない」などといった言い回しは、それだけで本人の強い反感を買ってしまいます。

 

 

 

 

意見を言うのはかまわないのですが、「お父さんは、個人的にはこう思うんだけど」といった個人的、かつ、ぼかした表現のほうが、ずっと心に届きやすくなります。

 

 

 

 

母親に多い問題としては、ストレートな批判や非難はしないかわりに、皮肉やいやみがごく自然に出てきてしまうことです。こうした刺激は、しばしば家庭内暴力の原因になります。できるだけ素朴でまっすぐな表現をこころがけるほうがよいでしょう。

 

 

 

 

こうした、不適切なコミュニケーションのスタイルもまた、両親が互いに気をつけあうなどしながら、徐々に改善を図りたいものです。

 

 

 

 

関係改善の目安としては、親密な会話を通じて「(本人が家族に)弱音を吐ける」「冗談が言える」などがあります。

 

 

 

 

これは言いかえるなら、本人が家族の前で不自然な演技をしたり、強がったりする必要がない関係を目指す、ということでもあります。

 

 

 

 

本人はしばしば、家族の前では「怠け者」を演ずることがあります。「自分はもう一生働くつもりはない」などと宣言したりもします。

 

 

 

 

しかし多くの場合、こうした態度は親から責められることを避けるために無意識になされる「演技」なのです。

 

 

 

 

そうした演技の裏に、強い焦燥感や不安が秘められていることはいうまでもありません。表面的な態度だけをみてあわてるのではなく、まずは本人の向上心を信じることが関係改善の第一歩ともいえます。

 

 

 

 

こうした働きかけを続けていくと、次第に本人もそれに応ずるようになっていくのですが、時には突然、親へのうらみつらみを口にしはじめるケースもあります。

 

 

 

 

こうした場合、家族は戸惑いながらも、弁解や反論をこころみようとしますが、いずれも適切な対応とはいえません。

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重要なことは、本人の言いたいことはさえぎらずに最後まで言わせ、十分に耳を傾けることです。

 

 

 

 

「それは事実ではない」とか「そんな理屈は通らない」といった、「正しい反論」をするべきではありません。客観的な「正しさ」よりも、本人がどのような思いで苦しんできたか、まずそれを丁寧に聞き取ることが大切です。

 

 

 

 

私はこの行為を「記憶の供養」と呼んでいますが、ここでは耳を傾けることがすなわち「供養」なのです。

 

 

 

 

よく「いつも同じことを、毎晩のように、くどくど聞かされるので参ってしまう」とこぼす家族もいます。しかし、本人に「十分に聞いてもらえた」という満足感を持ってもらえば、うらみつらみの段階はむしろ短期間で乗り越えられると思います。

 

 

 

 

ただ一点、注意が必要なのは、ここで本人の「いいなり」になるべきではない、ということです。PEZ86_midorinoicyounamiki500_TP_V1

 

 

 

 

うらみつらみがこじれて、賠償金などの具体的な償いを要求してくるような場合もありますが、本人の訴えに「行動」で応じるべきではありません。「それはできない」と断ってかまいません。

 

 

 

 

話は聞くが、いいなりにはならない。耳は貸すが、手は貸さない。これが基本的な姿勢となります。

 

 

 

 

 

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