ひきこもり・不登校・ニートとゲーム
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ひきこもり・不登校・ニートとゲーム

ひきこもりや不登校・ニートの子どもたちはゲームから何を得ているのか?

 

 

 

 

子どもたちに「ゲームは楽しいか?」と聞くと、一様に「楽しい」と答えます。

 

 

 

 

いったい何がそんなに楽しいのだろうかと思う人も多いのではないかと思います。

 

 

 

 

子どもたちと話をして、ゲームについてわたしなりに感じたことを書いていこうと思います。

 

 

 

 

ゲームのことを書くのは、今の子どもたちにとってゲームというのがとても身近にあり、ひきこもりの子どもたちにとってゲームは生活そのものとなっているという事実があるからです。

 

 

 

 

ゲームというものを理解することも、ひきこもりの子どもたちを理解するうえで大事になってくるのです。

 

 

 

 

ゲームにはたくさんの種類があり、子どもたちの好むものも千差万別です。すべてを一緒にするわけにはいきませんが、子どもたちがそのなかに共通する心理を持っているのではないかと感じています。

 

 

 

 

それは「連続する満足感」です。ゲームは、比較的簡単にクリアできることを連続させてひとつのものを作っています。

 

 

 

 

その比較的簡単にクリアできることを次々と達成していくことでユーザーが満足感を得られるようにできているのです。

 

 

 

 

ひきこもりの子どもたちは、実社会での成功体験が不足しており、またそれによって満足感も得られていないので、ゲームの中での満足感にはまってしまうのです。

 

 

 

 

満足感が比較的簡単に得られ、しかも連続して得られるところに子どもたちがはまっていく要因があるのだと感じます。

 

 

 

 

実社会から遠ざかってゲームばかりしていると、このゲームの世界での満足感を実社会に当てはめて考えようとするようになります。

 

 

 

 

しかし、この満足感の得られ方には問題があります。それは現実の社会ではありえないからです。

 

 

 

 

現実の社会では、努力を重ね時間をかけて目標を達成し、大きな満足感を得ていくものです。

 

 

 

 

したがって、ゲームでの満足感の得られ方を実社会に当てはめようとしても、そんな短期間で連続した満足感など得られないので、逆にできないという失望感を味わうことになってしまいます。

 

 

 

 

彼らの考え方を聞いていると、努力して時間をかける、回り道をしてでも目標を達成するという実社会で必要な考え方が抜け落ちてしまっています。

 

 

 

 

違う言い方をすると、こうすると必ずこういうものが得られる、と考えているのです。

 

 

 

 

すると、そうしたのに思っていたものが得られなかった場合、不満感、怒り、いら立ちを大きく感じるようになります。

 

 

 

 

つまり、自分の思い通りにならなかったときに我慢ができなくなってしまうのです。

 

 

 

 

ゲームが実社会に即して作られており、達成するのが難しいものであれば、そんなゲームは売れないでしょう。

 

 

 

 

だからメーカーも作らないのです。実社会に所属していて、実社会というものがわかったうえで、息抜きにゲームをする場合にはこういった感情にはならないと思いますが、ゲームが生活の中心になっているひきこもりのこどもたちは、ゲームの中での考え方が知らず知らずのうちに自分の考え方になってしまっています。

 

 

 

 

子どもたちとゲームについて話していると、つくづく比較するものが必要だと感じます。

 

 

 

 

比較するものとはゲーム以外の実社会の経験です。楽して得られえるものばかりではないという経験です。

 

 

 

 

この苦労して得られたものは大きな喜びを得られるものです。ゲームが楽しいと感じる理由はおわかりになったと思いますが、一番の問題は、ひきこもりの子どもたちは今まで生きてきたなかで成功体験が圧倒的に不足していて、満足感を得る手段をゲームに求めざるを得ないということです。

 

 

 

 

わたしはひきこもりの子どもたちに比較するものを経験させ、少しでも多くの成功体験をさせてあげたいと思っています。

 

 

 

 

そのためにもなるべく早く外に出られるようにしてあげることが使命だと思っています。

 

 

 

 

本人が気づくまで、様子を見守ったほうがいいという意見を持っている人もいますが、わたしはできるだけ早く家から出して、実社会の成功体験ができるように指導することこそ、ひきこもりの子どもを救ういちばんの方法だと確信しています。

 

 

 

 

ゲームに達成感を求めて引きこもる(中学三年生男子生徒の事例)

 

 

 

 

都内に住む現在中学三年生のA君は、二歳のときに心臓病になり、それ以降大切に育てられました。

 

 

 

 

母親は虚弱体質のA君を、あまり外で遊ばせようとせず、周りの男の子がしているような遊びをさせませんでした。

 

 

 

 

その影響でしょうか、A君は内向的、内弁慶で同世代の子達と遊んでもすぐに疲れてしまう子どもに育ちました。

 

 

 

 

しかし、小学生のときから、成績は中の上で、しかも体が大きく器用でスポーツも陸上、サッカー、野球などを得意としていました。

 

 

 

 

頭が良くてスポーツ万能となれば、当然クラスメートの評判はよく、本人もそれを意識していました。

 

 

 

 

そうした意識が強すぎたせいか、小学生のときのクラブで自分が評価されないとすぐに他の部に移っていきました。

 

 

 

 

中学に入り、野球部に入部しました。そしてすぐにレギュラーになりました。ところが、それがA君にはプレッシャーだったようです。

 

 

 

 

小学生のときとは違い、練習はとてもハードでした。しかも、体の調子を崩しても簡単には休めず、これも彼にとって負担となっていました。

 

 

 

 

そして、ついに中一の夏休みに野球部を辞めてしまいました。

 

 

 

 

部活を離れ、帰宅部となったA君は、ゲームに熱中するようになりました。

 

 

 

 

夜遅くまでゲームにのめり込んでいるA君に、両親が「いいかげんにやめたらどうだ」と注意すると、「うるせえ!くそじじい、くそばばあ」と暴言を吐きました。

 

 

 

 

父親もおとなしい性格の人で、A君とは仲間意識で接してきました。この頃からA君は強く両親に対して反発するようになってきました。

 

 

 

 

ですが、学校ではあいかわらずおとなしく、内弁慶でした。

 

 

 

 

A君には高校生になる三歳年上のまじめな性格の兄がいました。

 

 

 

 

中学二年の一学期が始まった頃、A君ははじめて兄とケンカをしました。

 

 

 

 

ゲームに熱中し過ぎるA君は、朝起きられず、遅刻を繰り返していました。

 

 

 

 

まじめな兄はそれを見過ごすことができず、起こし役になっていました。

 

 

 

 

しかし、ある日A君が「うるせえな!」と怒鳴ったことで、大喧嘩になってしまったのです。

 

 

 

 

その後、不規則な生活が日常になってしまったA君は、寝ているとき頻繁に金縛りにあうようになっていました。

 

 

 

 

何か霊的なものかもしれないと思い、あるお寺にお祓いに行きましたが、効き目はありませんでした。

 

 

 

 

A君は毎晩のように金縛りに苦しめられ、不眠症になっていきました。

 

 

 

 

この頃から、母親は公的な相談所に行くようになりましたが、そこでのアドバイスはただ母親の育て方を批判されるばかりで、期待していたものではありませんでした。

 

 

 

 

金縛りに苦しむA君を心配して、二階の六畳間で親子三人で寝るようになりました。

 

 

 

 

そして、母親もA君が金縛りで苦しんでいるのを見ました。驚いた母親は、A君の背中をたたくようにして語りかけました。

 

 

 

 

悪夢から覚めたA君は母親に「鳥がのしかかっている感じ」だと怖さを訴えました。

 

 

 

 

A君は中学二年の夏頃から、嫌いな教科のある日は学校を休むようになりました。

 

 

 

 

他の日は、遅刻することはありましたが、それでもなんとか登校していました。

 

 

 

 

完全な不登校ではないので、学校側は不登校予備軍という捉え方をしていたようで、その件に関してA君との関わりはほとんどありませんでした。

 

 

 

 

こういうことは結構あるようで、成績優秀者と問題行動を起こす子どもは先生も関わりますが、中間の子は後回しにされやすい傾向があるとA君は後日語ってくれました。

 

 

 

 

同じ頃、父親も問題を抱えるようになります。職場で管理職的立場を与えられました。

 

 

 

 

父親は高卒で定年間際で中間管理職になるのはやむを得ませんでした。ただ、無口で指導力を発揮することは苦手な性格でした。

 

 

 

 

そのことで父親にもストレスが溜まり始めます。加えて、家庭では息子の問題行動を見てイラつき、職場と家庭に問題を抱えた父親は、心身症に苦しみ、不眠から精神科の治療をうけることもたびたびありました。

 

 

 

 

ある日、母親はA君に、「父親が心の病気になったのはおまえのせいだ」と言いました。

 

 

 

 

A君は反発しました。

 

 

 

 

そしてA君の唯一の味方であった父親も、精神的にまいってしまい、子どもをやたら怒るようになっていきました。

 

 

 

 

父親は、しゃべるのが苦手で、理路整然と子どもを怒れないという事もあり、感情のおもむくままに突然怒り出すといった感じでした。

 

 

 

 

ストレスも加わり、いきなり物を投げつけるようにもなっていきました。

 

 

 

 

このような状況の中で、兄はA君に対して父親のかわりにたしなめるようになっていきました。

 

 

 

 

ある日のことでした。A君が家に帰ってくるなり、「外で他人と肩がぶつかった」と言い出し、その不満を母親にぶつけました。

 

 

 

 

肩がぶつかって頭にきたのなら、その場で相手に文句を言えばいいのにと思うかもしれませんが、内向的な彼にはそれができなかったのです。

 

 

 

 

その様子を見ていた兄が、抑えていた感情を吐き出すように、「情けないことを言うなよ。なんで、そんなことで母親に当たるんだ」

 

 

 

 

と言ってしまったため、激しい口論になりました。するとA君はいきなり、震える手で包丁を持ち出しました。

 

 

 

 

「やれるもんならやってみろ!」と気丈な兄は言いました。

 

 

 

 

「兄貴を殺して、俺も死ぬ!」そう言いながらも、A君は兄に向けていた包丁を畳の上に刺し、泣きながら部屋に入っていきました。

 

 

 

 

ところが、刃物を振り回すA君を見て驚いた祖父母が、外に逃げ出して近所の人に助けを求めたため、家庭やA君の混乱ぶりを周りの人たちに知られてしまいました。

 

 

 

 

本人は、これを気にして外に出られなくなり、ついに部屋に引きこもってしまいました。

 

 

 

 

現在、A君は高校に行きたいと思っています。そのために生活習慣を取り戻そうと、一~二週間程度の計画を立てて、昼夜逆転の生活を変えようとしています。

 

 

 

 

ですが、朝はなんとか起きますが、食事もしないで再び眠ってしまいます。そして深夜まで起きていて、ゲームに熱中しています。

 

 

 

 

A君がこういう状態の生活を続けているのは、自分自身で過大な評価を持ちすぎたためで、その評価によるプレッシャーと、一方でその評価がなくなったことで精神が不安定になったことが原因だと思われます。

 

 

 

 

ゲームに熱中するのは、現実の世界では得られない勝利の満足感、達成感を求めているのです。

 

 

 

 

引きこもりの子どもが、ゲームやパソコンに熱中する理由の一つかもしれません。

 

 

 

 

ある少年がこんなことを言っていました。「寝かせてくれないほど難しい新作ソフトをクリアーすると、不登校をしている自分もまんざらではないと思える」と。

 

 

 

 

引きこもるわが子を見て「ブラブラして」と言う親がいます。わたしは好きでブラブラしている子はいないように思います。

 

 

 

 

何かに夢中になりたい、そして一日を「意味のある日」にしたいと思っているはずです。

 

 

 

 

子どもたちは何か達成感を得られるものを探しているように思います。

 

 

 

 

ブラブラはあくまで表向きで、必死な思いを悟られまいとする健気な姿とわたしには思えてくるのです。

 

 

 

 

A君の日常を見ても、そんな気持ちを抱くのです。

 

 

 

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