ひきこもり・ニート・スネップ・不登校と心理療法・認知行動療法
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ひきこもり・ニート・スネップ・不登校と心理療法・認知行動療法

心理(精神)療法は、基本的には心因やトラウマなどが原因となる不安障害やパーソナリティ障害などで重要な役割を担う治療法ですが、発達障害でも二次障害や合併症の予防には極めて有効です。

 

 

 

 

一般に心理療法は、

 

 

 

 

○診断にともなう気持ちの整理

 

 

 

 

○自分の抱えている問題の整理

 

 

 

 

○適切な行動の理解

 

 

 

 

○社会スキルの学習

 

 

 

 

などを通じて本人の変化や成長を促し、家族もまたそれを受け入れ、ともに変わり、成長していけるようにするものです。

 

 

 

 

心理療法で初めに取り組む問題は、診断に対する反応です。彼らは発達障害の診断を受けると、ほとんどの場合、「安心感」と「自責感の軽減」を体験します。

 

 

 

 

「自分はだめな人間ではない。怠け者でも道徳的に欠陥があるわけでもない」

 

 

 

 

そのことに気づいてホッとするのです。しかし、なかには脳に機能的な障害があると知って、逆に自分の将来を考えて絶望したり、周囲の人間に対しても激しいいらだちや憤りを感じる場合もあります。

 

 

 

 

ですから、治療者(カウンセラー)は、彼らが決して悲観的、絶望的にならず、将来に希望を持って、楽観的で前向きに、積極的態度で立ち向かえるように促す必要があります。

 

 

 

 

彼らの長所や秀でた能力に気づいて、それを生かすように促すことも大切です。

 

 

 

 

通常、心理療法では、「治療契約」がなされ、これに基づいて治療者と発達障害者との間で「治療の枠組み」が作られますが、彼らはしばしば約束の治療時間を忘れたり、遅刻したりするので継続的に治療できない面があります。

 

 

 

 

また信頼関係やラポール(相手と心を通わせること。疎通性)を築くことが難しく、うまくできそうになっても、しばしばちょっとしたことですぐに崩れてしまいます。

 

 

 

 

このためプロの治療者であっても、ときには「もう勝手にしなさい!」と怒りとあきらめに近い感情を抱くこともあります。

 

 

 

 

そこで、彼らに心理療法やカウンセリングをおこなう場合は、心が広く寛大で包容力がある治療者を選び、治療の枠組みにこだわらず、息の長い治療を心がける必要があります。

 

 

 

 

それには、心理療法やカウンセリングとともに、前述の心理教育や環境調整療法、さらには自助グループへの参加や薬物療法などを並行しておこなうことが極めて重要になります。

 

 

 

 

心理療法では「本当の自分を取り戻すこと」にかなりの時間を使います。その第一歩が感情を取り戻すことです。

 

 

 

 

彼らの奥底にある感情を見つけることは、それを抱える本当の自分を取り戻すことでもあります。

 

 

 

 

つまり、感情を求めてゆくと本当の自分が見つかるのです。

 

 

 

 

本当の自分が意識に出る頃には、ひきこもりの当事者は親との絆がなかった事実にショックを受けます。

 

 

 

 

物理的にはすぐ側に親がいるのに、心理的には親がいなかった、自分は心理的な孤児だった、そこまで親を信用していなかったというショックです。

 

 

 

 

しかし、ここまでくると、ひきこもりの当事者はなぜ人間に緊張していたのか、なぜ人を信用できないのか、どうして自分がひきこもったのかを理解します。

 

 

 

 

簡単に言えば、親に甘えられなかったから人間に安心できなくなり、その人間関係が苦しくてひきこもったのです。

 

 

 

 

本当の自分が意識に表れると、ひきこもりの当事者はふつう幼児化します。多くのひきこもりの当事者は3歳までに親とのつながりを喪失しており、それ以後は仮面の自分で生きています。

 

 

 

 

ここでカウンセラーとの新しいアタッチメントを作るのですが、警戒心の強い「本当の自分」を安心させるのは並大抵の作業ではありません。

 

 

 

 

少しずつ、相手を怖がらせないように、やさしくアプローチしなければなりません。

 

 

 

 

アタッチメントを作る作業は、ひきこもりの社会復帰支援のクライマックスです。

 

 

 

 

この作業はカウンセラーにとって、自分の人間性、人を愛する能力が本物かどうかを問われる最大の試練です。

 

 

 

 

建前で接したり、理解したふりをすると、相談者がすぐに見破り、セラピストを信用しなくなります。

 

 

 

 

その導入部は、たとえばこんな雰囲気です。相談者の心の奥底に隠れていた「本当の自分」が意識に出ているので、少々異様に見えるかもしれません。

 

 

 

 

カウンセラー「怖がらなくてもいいよ。僕はあなたの嫌がることをしない。あなたと話をしたいだけなんだ。」

 

 

 

 

相談者「・・・・・。(無言)」

 

 

 

 

カウンセラー「誰もあなたに気づかなかったみたいだね。」

 

 

 

 

相談者「・・・・・・。(無言)」

 

 

 

 

カウンセラー「あなたは人と話をしたことがないの?」

 

 

 

 

相談者「・・・・・・。(うなずく)」

 

 

 

 

カウンセラー「お父さんやお母さんと話したことがある?」

 

 

 

 

相談者「・・・・・・。(首を横に振る)」

 

 

 

 

カウンセラー「僕は前からあなたを探していたんだよ。会えてよかった。」

 

 

 

 

相談者「・・・・・・。(無言)」

 

 

 

 

カウンセラー「僕が怖くないかい?」

 

 

 

 

相談者「うん。」

 

 

 

 

カウンセラー「それはよかった。僕はあなたのことをもっと知りたいんだ。今まで一人で辛かったはずだ。あなたのことをもっと話してくれないか?」

 

 

 

 

相談者「・・・・・・。(うなずく)」

 

 

 

 

こうした沈黙の多いコミュニケーションが、アタッチメント(感情的つながり)の始まりです。

 

 

 

 

「本当の自分」を見つけて、カウンセラーが感情的つながりを築くまで一年以上かかります。

 

 

 

 

しかし、「本当の自分」がカウンセラーと新しいアタッチメントを作ると、やがて生きる力と人と関わる能力が戻ってきます。

 

 

 

 

本当の自分が一人の人間に安心すると、その安心感が他の人間関係に広がっていくのです。

 

 

 

 

ひきこもりの社会復帰支援の成功は、本当の自分が新しいアタッチメントを作れるかどうかにかかっており、社会復帰の成否はここに集約されます。

 

 

 

 

ひきこもりの社会復帰支援は、成功か失敗の2つしかなく、95パーセントの回復は失敗となります。

 

 

 

 

新しい完全なアタッチメントを作れない場合、ひきこもりから抜け出すことはできません。

 

 

 

 

わたしの経験では、ひきこもりは時間が経つほど感情マヒがひどくなります。

 

 

 

 

本当の自分を取り戻すには、本人がまだ感情を感じるうちに行う必要があります。早期発見、早期実施が非常に大切です。

 

 

 

 

ひきこもりは若いほど、初期の段階ほど社会復帰がしやすいです。

 

 

 

 

民間あるいは専門機関を問わず、多くのひきこもり支援では、「働く」「少しでいいから外に出る」「人と会う」などに焦点が当てられています。

 

 

 

 

ひきこもりがアルバイトをしたり、コンビニに出かけるようになると、もう大丈夫だという専門家がいますが、こうした見方はひきこもりのアタッチメント・トラウマをまったく無視しています。

 

 

 

 

人に緊張する問題を解決しない限り、たとえ一度社会に出ても、また人間関係に疲れてひきこもってしまうでしょう。

 

 

 

 

さらに、彼らが恋愛したり、子どもを育てるのはもっと難しいでしょう。

 

 

 

 

ひきこもりは人間社会の外で生きる人たちです。新しいアタッチメントを通して人間社会に戻らない限り、ひきこもりの本当の快復はないでしょう。

 

 

 

 

アタッチメントを作ることができれば、ひきこもりの社会復帰のリハビリが始まります。

 

 

 

 

ひきこもりの心理療法には独特の難しさがあります。ひきこもりは相手に合わせて、本当の感情や考えを隠すために、本音のコミュニケーションができないのです。

 

 

 

 

愛想のいいふりをするひきこもりは「カウンセラー騙しのプロ」でもあります。

 

 

 

 

数回のカウンセリングでひきこもりが治ったと主張するカウンセラーがいますが、それは騙されているはずです。

 

 

 

 

ひきこもりは数回話しただけで何とかなるような生易しいものではありません。「もう大丈夫です。これからもう一度やり直します」などとひきこもりが言う場合、カウンセラーを信用しておらず、はやく離れたいと思っているだけです。

 

 

 

 

「あなたは信用できない。もう会いたくない」とは言えないので、嘘をつくわけです。

 

 

 

 

ひきこもりとのコミュニケーションの難しさは、彼等が自分を見失ったことにも関係します。

 

 

 

 

ひきこもりは自分の感情がわからないために、本音を言いたくても表現できない問題があります。

 

 

 

 

彼らはどんなにうまくコミュニケーションをとるように見えても、相手とはつながっていないのです。

 

 

 

 

人に安心できないひきこもりが社会生活に戻っても、しばらくするとまたリバウンド(元に戻る)するのは、人と関われない問題が解決していないためです。

 

 

 

 

以下の声は、彼らの孤立感の表れです。

 

 

 

 

本音を言うと人間関係が壊れる。いままでの我慢が水の泡。本当に思っていることを言ったことはない。(23歳・女性)

 

 

 

 

自己主張は許されなかった。少し目立つと悪口ばかり。本音で話したことがない。思っていることは何も言えず、やがて無気力になる。(33歳・女性)

 

 

 

 

目をつぶると一人ぼっちの世界に入る怖さがある。体が緊張して、顔がピクピクし寂しかった。置きざりにされる恐怖、一人ぼっちになる恐怖がある。(21歳・男性)

 

 

 

 

認知行動療法について

 

 

 

 

ひきこもりやニート・スネップに限らず、人は誰でもその人個人の「考え方の枠組み」を持っています。

 

 

 

 

この枠組みがゆがんでいると、現状を正確に把握したり、冷静に判断できなくなり、おかしな偏った思考回路にはまってしまいがちです。

 

 

 

 

これを「認知のゆがみ」と言います。認知のゆがみの例としては、たとえば、

 

 

 

 

○すべてを悲観的に考える「マイナス思考」

 

 

 

 

○些細な出来事を過度に一般化して考えてしまう「過度の一般化」

 

 

 

 

○「何々しなければならない、何々ができなければならない」と考える「すべき思考」

 

 

 

 

○「よいか悪いか、完全か不完全か」と考える「二者択一的思考」

 

 

 

 

○自分に無関係な出来事であったも関係しているかのように判断する「個人化傾向」

 

 

 

 

などがあります。認知行動療法とは、簡単に言えば、こうした認知のゆがみを見直すことで、おかしな偏った思考回路にはまりこんでしまった考え方のパターンから抜け出すための方法です。

 

 

 

 

このため特にうつ状態に陥っている発達障害者には治療の効果が期待できます。

 

 

 

 

治療者は、発達障害のある人とマンツーマンで一つひとつの場面や状況を例にあげて、物事の捉え方や考え方を修正し、社会に適応した行動ができるように支援します。

 

 

 

 

具体的なテクニックとしては、

 

 

 

 

○破局的な見方を緩和し、否定的な考え方から肯定的な考え方に移行させる

 

 

 

 

○認知のゆがみに気づくようにそれにラベリング(名前付け)する

 

 

 

 

○選択の余地を検討し、物事の多面的な見方とプラス、マイナスの側面を見る

 

 

 

 

などが用いられます。

 

 

 

 

 

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