ひきこもりを生む要因
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ひきこもりを生む要因

ニートの問題を解決するためには、まず、ひきこもりとは何かを知る必要があります。

 

 

 

 

そこで、これまで関東自立就労支援センターがかかわってきた事例の中から何人かに登場してもらい、彼らがどのような理由でひきこもったのかを知ってもらおうと思います。

 

 

 

 

ひきこもりは、その存在が発覚した当初は、過酷な受験戦争が原因だとか、狂信的な学歴信奉の親がいる家庭で生まれるなどといわれていました。

 

 

 

 

この見解は、現在もひきこもりの一部には当てはまるものの、すべてのひきこもりに該当するわけではありません。

 

 

 

 

現実には、受験戦争とは直接関係がないひきこもりも多数いるからです。ひきこもりは思いもかけない理由からも生まれることを覚えておいていただきたいと思います。

 

 

 

 

ひきこもりの事例1

 

 

 

 

親の何気ないひと言から生まれたひきこもり

 

 

 

 

Hさんは、中学時代からかなりひどいアトピーでしたが、周囲の友だちがそれをからかうことはありませんでした。

 

 

 

 

というのも、彼女の中学のクラスメイトは同じ小学校出身だったので、Hさんのアトピーに違和感をもたなかったからです。

 

 

 

 

事情が変わったのは、彼女が高校に入学してからです。県内各地から集まった新しいクラスメイトは、知らず知らずのうちにからだを掻くHさんを目ざとく見つけ、揶揄し始めました。

 

 

 

 

彼女が不登校になり、毎日家にいるようになったのは、3年に進級したころでした。

 

 

 

 

そして彼女は自室にこもるようになり、不登校からひきこもりになりました。母親から連絡を受けたわたしは両親から事情を聞きました。

 

 

 

 

両親は、娘が不登校になったのはアトピーのせいではないかと思うが、その後ひきこもりになった理由についてはまったく思い当たるふしがないといいました。

 

 

 

 

わたしはHさんと信頼関係を築いたのち、彼女にひきこもるようになった原因を聞かせてもらいました。

 

 

 

 

それは、母親が言った、「あなたもそろそろ受験の準備ね」という何気ないひと言だったのです。

 

 

 

 

ひきこもりの事例2

 

 

 

 

父親への反発から生まれたひきこもり

 

 

 

 

男子高校生のI君は、修学旅行に行って以来不登校になり、あっという間にひきこもりになってしまいました。

 

 

 

 

部屋に閉じこもる彼を父親が連日がなりたて、部屋からひっぱり出そうとしたのは言うまでもありません。

 

 

 

 

その様子を見ておろおろするだけの母親、「おまえの教育が悪いから、あいつがひきこもりなんかになったんだ」とわめく父親・・・・。

 

 

 

 

I君の父親は、たいそうな自信家でした。旧家に生まれ、隣近所からは慕われ、国立大学を優秀な成績で卒業していました。

 

 

 

 

I君がひきこもったのは、自分の家庭に嫌気がさしたからでした。子どものころからI君は、一方的に物事を決める父親が嫌いでしたが、それは成長して友達の家の様子を知るにつれ、「なんで僕の家はいつも父親ばかりがいばっているんだ」という疑問と怒りに変わっていきました。

 

 

 

 

I君は、暴君を父に持つひきこもりの典型でした。

 

 

 

 

ひきこもりの事例3

 

 

 

 

親と同じ職業になりたくなかったひきこもり

 

 

 

 

祖父の代からの医者一家に育ったJ君は、いくら勉強しても医学部に合格できず、3浪の末、ようやく歯学部に入学しました。

 

 

 

 

彼が大学不登校になったのは、その直後のことです。J君が不登校になった理由は、医学部に入れなかったコンプレックスが原因ではありません。

 

 

 

 

もともと医療に興味がなかったからなのです。彼の夢は、天文学者になることでした。

 

 

 

 

彼が天文学に興味を持ったのは、子どものころ祖母に連れて行ってもらったプラネタリウムで宇宙の広大さに魅せられたからです。

 

 

 

 

「自分も未知の星を探し出し、名をあげたい。そうすれば、親がこだわる家名を高めることができる」彼はそう思い、その思いを祖母に明かしました。

 

 

 

 

祖母は、諸手をあげて喜びました。ですが、彼の両親はそのようなことなどまったく知りません。

 

 

 

 

J君が将来医者になるのは当然だと思っています。だから、J君は医学部を受験しました。

 

 

 

 

ですが、何度受けてもなかなか合格できません。このままでは家がもめると考えた彼は、自ら歯学部を選び、親との妥協点を探りました。

 

 

 

 

ですが、親から返ってきたのは、「歯学部ていどの頭きりないんだから」という言葉でした。

 

 

 

 

この言葉はJ君の胸に深く突き刺さりました。J君はひきこもりになり、「おばあちゃんさえ生きていれば」と、ひとり涙を流しました。

 

 

 

 

ひきこもりの事例4

 

 

 

 

大学受験に失敗したひきこもり

 

 

 

 

教育熱心な母親に「お受験」を強いられたK君は、5歳年上の姉ともども幼少から受験競争と習い事だけで育ってきました。

 

 

 

 

さいわい姉は小学校からある大学の付属校に通い、大学卒業後は外資系の企業に就職しました。

 

 

 

 

ですが、弟のK君は不運が続きました。まず、有名幼稚園の入園に失敗し、小学校も区立に甘んじるはめになりました。

 

 

 

 

母親の異常なまでの教育熱がヒートアップする一方で、父親の見て見ぬ振りも急速に進みました。

 

 

 

 

K君は、中学受験でようやく第二志望の中高一貫校に入学しました。成績は真ん中くらいでしたが、高校生になったころには、自分の進路を有名私立大学の経済学部に決めていました。

 

 

 

 

彼が早々に経済学部を選んだ背景には、商学部を出た父親が銀行員、経済学部を卒業した母親が公認会計士という両親の経歴がありました。

 

 

 

 

彼は父親と同じ道を歩めば、裕福な暮らしができると信じていたのです。そう考えたのも無理はありません。

 

 

 

 

幼稚園入園前からはじまった塾の送り迎えはいつも母親が運転する高級外車、家族旅行の宿泊先は、高級ホテルか老舗の旅館でした。

 

 

 

 

そんな彼が大学を受験しました。ですが、第一志望はおろかすべり止めにも合格しませんでした。

 

 

 

 

高校を卒業した彼は、予備校に入ったものの、予備校不登校からひきこもりになってしまいました。

 

 

 

 

この4人の若者がそれぞれの理由でひきこもりになった事情はおわかりいただけたと思いますが、彼らはその後、ひきこもり自立支援センターでの個別のケアで、全員ひきこもりから脱出しました。

 

 

 

 

彼らの特徴をもう一度考えてみましょう。まず、アトピーだったHさんは当時女子高生でした。

 

 

 

 

また父親に反発したI君も高校生でした。そして、親と同じ職業になりたくなかったJ君と、大学受験に失敗してひきこもりになったK君は、大学生と予備校生でした。

 

 

 

 

そう、彼らはみな、なんらかの学校に通う「生徒」や「学生」だったのです。

 

 

 

 

では、彼らはどのような状態からある日、ひきこもりになったのでしょうか。

 

 

 

 

Hさんは高校3年生になると、「不登校になり、毎日家にいるようになりました」

 

 

 

 

I君は「修学旅行から戻ると不登校になりました」。さらにJ君は、「歯学部に入学したとたん大学不登校」に、K君は「予備校不登校からひきこもり」になっていきました。

 

 

 

 

つまり、彼らは全員、「不登校」という状態を経て、ひきこもりになったのです。したがって、「本来のひきこもり」とはなにかをまとめると、次のようになります。

 

 

 

 

「本来のひきこもり」とは、不登校という前兆現象を経て生まれる、生徒、学生だけが陥る、特定の停滞である。

 

 

 

 

いかなる者も不登校という前兆現象に陥らないかぎり、ひきこもりになることはないのです。

 

 

 

 

「本来のひきこもり」は不登校から生まれるということを、よく覚えておいていただきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

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