ひきこもりの高年齢化と今後の課題
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ひきこもりの高年齢化と今後の課題

 

最近深刻化しているのは、ひきこもりの高年齢化です。すでに現在、ひきこもったまま30代、40代を迎える人が増えつつありますが、年齢が高くなるほど、お金の問題が無視できなくなっています。

 

 

 

 

特に経済的に逼迫してきて、それでも自分から働くことができない状態でいるひきこもりの一部の人は、しばしば心中を考えがちです。

 

 

 

 

最悪の場合、「親を殺して自分も死のう」などと考えます。そういう事件がここ数年だけでも、数件報道されています。

 

 

 

 

まだ表に出ないだけで、その何倍もの家族が似たような状況に置かれていることでしょう。

 

 

 

 

そういう悲惨な状況、極限状況に追い詰められないためにも、お金の取り扱いをそうするかを話し合っておくことは、生き延びることを考えるうえでもとても大切なことです。

 

 

 

 

「追い詰められれば何とかなる」と考える人もいます。確かに、そういうこともあるでしょう。

 

 

 

 

しかしその一方で、追い詰められるほど体がすくんで動けなくなる場合もあります。MAR78_kosumosumurasaki500_TP_V1

 

 

 

 

ある程度、確実にいえることは、一部のひきこもりの人は、稼ぎに出るくらいだったら飢え死にするほうを選ぶということが本当にありえるということです。

 

 

 

 

こちらも、すでにそういう事件が何件か報道されています。長期間ひきこもっていて餓死した状態で発見されたというニュースを記憶している人もいるでしょう。

 

 

 

 

ひきこもり生活というのは、年齢が高くなるほど、そういう危険な方向に傾いていく危険性を秘めているのです。

 

 

 

 

それだけに、意思やがんばりではどうにもならないお金の問題を軽くみるべきではありません。

 

 

 

 

いよいよ経済的に行き詰まった場合に、どのように動くべきかということについても、あらかじめシミュレーションしておくことが重要です。

 

 

 

 

具体的には、どうすれば生活保護などの福祉を利用できるか、相続の場合にどういう手続きをすればいいのか、困ったときは誰に相談すればいいのかなど、そういうリアルな話を早い段階でしておくことは、直接にはひきこもりの人にとっての救済措置といえますし、間接にはそういう話題によって意欲を取り戻す人もいるでしょう。

 

 

 

 

今後の課題

 

 

 

 

ひきこもりは、他人とのコミュニケーションをあきらめた人たちです。その背後には、感情と個性を否定する日本的なしつけと教育、共依存、本音と建前を使い分ける二重構造という日本文化の本質的な問題があります。

 

 

 

 

ところが、戦後復興を遂げ、日本という国がその歴史上初めて飢えから解放されたとき、親子のつながりの弱い家族、世間体を第一に考える家族のなかで、ひきこもりが発生するようになりました。

 

 

 

 

ひきこもりの人にとっては、日々の生活そのものがトラウマです。

 

 

 

 

同級生たちが就職して結婚し、楽しく暮らす姿を横目で見、しかし自分は何もできない苦しみが毎日続きます。

 

 

 

 

この「ふつうの生活をできない苦しみ」が彼らの感情を麻痺させてしまいます。

 

 

 

 

ある年齢を過ぎるとひきこもりは感情がなくなり、社会復帰できる可能性が限りなく低くなります。

 

 

 

 

この現実を厳粛に受け止めないと、ひきこもり本人も家族も社会も、さらに傷つくことになります。

 

 

 

 

ひきこもりは社会復帰支援が困難なので、社会的にはまず、その発生の防止に力を入れる必要があります。

 

 

 

 

ひきこもりの発生の防止とは、「子供が感情表現できない状況を取り除く」ことです。

 

 

 

 

子供が自由に感情表現できる場があれば、他の問題が発生してもひきこもりにはなりにくくなると思います。

 

 

 

 

他の問題とは、非行やアルコール依存症などです。これ以上、ひきこもりを発生させないために、以下のことに注意しなければならないと私は考えています。

 

 

 

 

日本人とアメリカ人のしつけの最も大きな違いは、子供の罰し方です。アメリカ人は子供が悪いことをすると、「家の外に出さない罰」を与えます。

 

 

 

 

これに対して、日本人は「家の外に出す罰」を与えます。アメリカのしつけは、一時的に子供の自由を奪うだけです。

 

 

 

 

ところが、日本のしつけは子供に根深い「見捨てられる恐怖」と「外の世界への恐怖」を与えます。

 

 

 

 

多くの日本の親は、無意識に「おまえなんかうちの子ではない」「おまえは橋の下から拾ってきた」「家を出て行け」などと言いますが、これは子供が親への不信感を持つきっかけになります。

 

 

 

 

デパート等のおもちゃ売り場では、言うことをきかない子供を置きざりにしてしまう母親をときどき見かけますが、こんな些細な事と思えることでも、子供に「見捨てられ恐怖」を与えてしまいます。

 

 

 

 

子供を家の外に出す罰を止めましょう。特に、夜間に子供を家の外に放置するとトラウマになり、子供は親を信用しなくなります。

 

 

 

 

さらに良い子を演じて、自分の感情を否定するようになります。

 

 

 

 

また、親とのつながりが弱い状態で、親が子供を叱責したり、学校のいじめから守らないと、アタッチメント・トラウマが発生します。

 

 

 

 

こうした小さなストレスの積み重ねで、親子関係は崩れていってしまうのです。

 

 

 

 

また、子供をペットのように扱うと、感情表現が抑圧されてしまいます。

 

 

 

 

ペット扱いとは、子供の人格を無視して愛玩動物のように扱うことです。コミュニケーション能力のない大人が子供を可愛がると、気づかないうちにペット扱いになってしまいます。

 

 

 

 

外部から見ると可愛がっているように見えますが、大人が一方的に自分の楽しみのためにやっているだけです。

 

 

 

 

このため、ペット扱いする大人は、子供の反抗的な態度や口答えを嫌います。

 

 

 

 

また、子供は自由な感情表現をしなくなり、可愛いいふりをしたり、受け身のまま大人に身を任せるようになります。

 

 

 

 

日本人は子供っぽく振る舞って大人を喜ばせる子供がいることに気づく必要があります。

 

 

 

 

一部の母親は子供を意図的に無視します。こうした無視は子供に恐怖感を与え、自由な自己表現を不可能にします。

 

 

 

 

また、親が怒りを隠しながら不機嫌になると、子供は絶えず親の顔色をうかがうようになります。

 

 

 

 

これも、子供の感情表現を阻害します。怒るときははっきりと怒り、怒った理由をしっかりと説明することが大切です。

 

 

 

 

その後で抱いてあげれば、子供は傷つきません。無視する母親は、子供と向き合って話し合うのが苦手です。

 

 

 

 

母親も自分の親から無視されたからだと思いますが、そうした親は子供の目を見て会話をするのが苦手です。

 

 

 

 

しかし、子供を健康に育てるためにも、この問題に真正面から取り組まなければなりません。

 

 

 

 

意識して、無視を止める努力をしなければなりません。多くの日本人は、無視の恐怖を子供の頃から抱えています。

 

 

 

 

児童虐待の連鎖は、わたしたちの世代で終わらせましょう。

 

 

 

つづく

 

 

 

 

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