ひきこもりの長期化・高齢化と親の定年
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ひきこもりの長期化・高齢化と親の定年

ひきこもりの長期化・高齢化とともに、いずれ両親は定年となって年金生活に入ります。

 

 

 

 

さらに長期化すれば、ひきこもり本人よりも両親が先に亡くなるであろうこともまた、うごかしがたい現実です。

 

 

 

 

「節目」を迎えたら、こうした現実にも積極的に眼を向けるべきなのです。

 

 

 

 

家族の経済状況と今後の見通しについて、つつみかくさず本人に伝えることが大切です。

 

 

 

 

それはひきこもり本人の将来を気遣い、いたわりの気持ちをこめて「遺言」を託すような行為になるでしょう。

 

 

 

 

まずひきこもり本人に対して、家庭の資産や借金を含む経済状況を、できるだけ詳細に説明します。

 

 

 

 

定年後、それがどのように変化するか、それについても具体的にふれておきます。

 

 

 

 

万が一両親が亡くなるようなことがあった場合についても同様です。

 

 

 

 

昨今、生前の早い時期に遺言を作成することが奨励されますが、わたしたちはそれが治療的な意義を持ちうると考えています。

 

 

 

 

もちろん抵抗も予想されます。資産のある家族は、ひきこもり本人が資産にゆとりがあることを知って、いっそう遊んで暮らそうと割り切るのではないか不安になるでしょう。

 

 

 

 

逆に経済的余裕がない家族は、本人をいたずらに不安に陥れるだけではないかと心配するでしょう。

 

 

 

 

もっともな心配ですが、わたしたちの経験では、そのような事態はまず起こりません。

 

 

 

 

不安をあおるのは、具体性の欠けた脅しの場合だけです。「親はいつまでも生きてはいないよ」「うちはもう、余分なお金はぜんぜんないよ」といった曖昧な脅し文句は、ただ有害なだけです。

 

 

 

 

冷静かつ誠実になされる具体的・現実的な話し合いは、むしろ「家族の一員として信頼されている」という安堵感すら与えるでしょう。

 

 

 

 

わたしたちの経験した事例でも、父親が病気で倒れるなどして、経済的危機感を持ったことをきっかけに、長年のひきこもり状態から抜け出してアルバイトをはじめた青年がいます。

 

 

 

 

どうせ危機感を持ってもらうなら、現実的かつ具体的に、事実や数字で示されるべきです。

 

 

 

 

そうではないかたちで危機感をあおることは、たんなる脅迫、恫喝に等しい行為といえるでしょう。

 

 

 

 

この2つは、似ているようで、まったく違います。

 

 

 

 

両親が定年後、年金生活に入り、経済的な見通しが持ちにくい場合は、どのような選択肢があるでしょうか。

 

 

 

 

わたしはこの場合、ひきこもり本人が働けないままなら世帯分離して、生活保護の受給も考慮することにしています。

 

 

 

 

あるいは精神症状をともなう事例の場合、障害者年金の受給を勧める場合もあります。ppp_haretahinokumototaiyou500-thumb-260xauto-380

 

 

 

 

障害者年金の受給を受け入れることにも、治療的な意義があります。

 

 

 

 

みずからの状態がすでにハンディを負っているということを、正確に認識する助けになるからです。

 

 

 

 

もちろんほとんどのひきこもり事例は、生活保護や年金の受給などとんでもない、と反発します。

 

 

 

 

ときには支援者や治療者への不信感をあらわにされる場合もあります。

 

 

 

 

しかしわたしたちは、こうしたリアルな話題をあえて取り上げること自体が、長期的には本人の立ち直りを支えていくと信じています。

 

 

 

 

これまでに年金受給を勧めた事例はすべて、最終的にはわたしたちの提案を受け入れ、いっそう安定した精神状態に至っています。

 

 

 

 

話し合いがここまで進むと、すでに話題は社会参加にも一部関連してきます。

 

 

 

 

つまり、この段階で社会参加のルートも見直してみるということです。

 

 

 

 

みずからの状態が、少なくとも社会適応という点からは、一般の精神障害者となんら変わらないという現実を受け入れることが大切です。

 

 

 

 

それはたいへん勇気のいることですが、いったん受け入れさえすれば、よい意味で「居直る」ことも可能になります。

 

 

 

 

この時点で、保健所や精神保健センターのデイケア、作業所などといった、精神障害者向けのリハビリ施設の利用も考えることになります。

 

 

 

 

実際に作業所から入りなおし、そこでリーダーシップをとりつつ勤務を続けられるようになった事例を、わたしたちも何回か経験しました。

 

 

 

 

こうしたことは必ずしも「あきらめ」を意味しません。むしろ制約を受け入れることで、新たな可能性が開かれることを十分に期待できます。

 

 

 

 

そのような確信と経験にもとづいて、わたしたちはあえて、このように過激にもみえる提案をしています。

 

 

 

 

ニートの中高年化とそれに伴う厳しい現実

 

 

 

 

ひきこもりの高齢化と同様、ニートと呼ばれる無就業者の人たちが今、だんだんと中高年化してきています。

 

 

 

 

そして、そこには厳しい現実が付きまとっています。まずは、仕事が限られてくるということです。

 

 

 

 

たとえば、30歳の店長さんがいるお店で35歳の人を雇うだろうかというと、普通は雇いたがらないものです。

 

 

 

 

このようにして、30代になるとどんどん働く場所が狭まっていくのです。親も定年が近くなり、収入が減っていきます。

 

 

 

 

そうなりますと、親にもそろそろ頼れなくなるし、同時にプレッシャーをかけてくるようになります。

 

 

 

 

人によっては、「仕事をした経験もないし、もういいよ」と自暴自棄になり、場合によっては、生活保護を受けざるを得ないケースも出てきます。

 

 

 

 

さらに言うと、ホームレスになっていくという結末が待っているかもしれません。

 

 

 

 

いったん生活保護を受けるようになり、そこから自立するための支援を行うとなると、とても長い時間がかかるようになり、非常に困難な状況も予想され、さらにはお金もかかってきます。

 

 

 

 

ですから、無就業者がまだ20代、30代のうちに対策をたててやっていくことが大切なのです。

 

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