ひきこもりの社会復帰と家族の協力
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ひきこもりの社会復帰と家族の協力

ひきこもりが社会復帰を目指す場合、家族の全面的な協力が必要なのは言うまでもありません。

 

 

 

 

ほかの疾患と比べても、家族の重要性は段違いに大きいです。他の疾患の場合、家族の協力が不十分でも、薬物や個人精神療法などで、あるレベルまでは治療できます。

 

 

 

 

しかしひきこもりの場合、家族の協力が得られなければ、その治療はほとんど完全に不可能です。

 

 

 

 

そもそも本人に治療意欲がまったくないか、きわめて不安定である以上、家族が協力せずして治療にならないのは当然ともいえます。

 

 

 

 

ここでは「家族」とは事実上、両親のことです。両親が全面的に関わることが、治療上不可欠であるということです。

 

 

 

 

さらにいえば、両親以外の家族あるいは親戚の関与は、不要であるか、あるいは有害です。

 

 

 

 

父親の無関心も問題で、しばしば支援や治療は母親に任せきりになりがちです。

 

 

 

 

本当に任せきりならまだましですが、父親本人は、気まぐれに本人をしかりつけたり激励したり、それで責務を果たしたつもりでいることが多いです。

 

 

 

 

しかしそのような関わりは、支援や治療の足を引っ張るものでしかありません。

 

 

 

 

もちろん父親には仕事がある関係で、支援や治療の中で母親の比重が大きくなることは避けられません。TSU88_tabidachi500_TP_V1

 

 

 

 

しかし経験的には、父親が熱心なケースほど支援や治療も進展しやすいです。

 

 

 

 

やはり両親がひきこもりへの理解を共有し、力を合わせて事に当たるほうが望ましいです。

 

 

 

 

定期的に通院するなどは無理でも、時には両親そろって家族会や勉強会に参加するなどして、本人への対応や心構えを十分に一致させておくことが大切です。

 

 

 

 

残念ながら、こじれたひきこもりのケースでは、両親の関係もしばしばギクシャクしたものになっていることがほとんどです。

 

 

 

 

父親は「母親の養育方針が間違いだった」と主張し、母親は「父親の無関心が原因だ」とおたがい譲りません。

 

 

 

 

しかしこれは、もっとも避けるべき「犯人探し」の論理です。そう、「犯人探し」はつまるところ、答えのない問いであり、治療上は害の多い考え方です。

 

 

 

 

なによりもひきこもっている本人が、一番そういう考え方に陥りやすいです。

 

 

 

 

「自分がこうなったのは親のせい」という発想は、両親のそうしたいさかいからも影響を受け、いっそう強化されてしまいます。

 

 

 

 

これを防ぐためには、回り道のようでも、両親の夫婦関係から見直す必要があります。

 

 

 

 

話し合いで解決することもあれば、カウンセリングが必要になることもあるでしょう。PPW_benchinisuwaruseinen_TP_V1

 

 

 

 

ともかく、両親が夫婦として仲良くなれること、そのことの治療的効果は、絶大なものがあります。

 

 

 

 

両親がみずから葛藤の解決に取り組み、それを乗り越える姿は、ひきこもり本人にも確実に希望をもたらすでしょう。

 

 

 

 

また、しばしば密室的な母子関係が生まれて、支援や治療の妨げになることは見てきたとおりですが、母親が父親と親密な関係にあることで、このような密室化は防ぎうるでしょう。

 

 

 

 

同世代復帰

 

 

 

 

ひきこもる子どもたちと出会い、その歩みを共にするとき、心の底から「主役」になれたらきっと笑顔が戻ってくるだろうなと思うときが数多くあります。

 

 

 

 

勉強だけではない、その子が持っているいろんな切り札(能力)を見つけて磨きをかけ、それを発揮できる舞台(場面)をたくさん用意してあげたらいいなと思うことはたびたびあります。

 

 

 

 

彼らの評価の定規はあまりにも片寄りすぎていたように思います。その舞台づくりをどうするのか、わたしは面接しながら考え込んでしまいます。

 

 

 

 

ただ、その前に子ども自身、社会復帰への道筋として、行き詰まった家族関係を「見限れない」としたら、親御さんは最低この4つをクリアーするために協力してほしいと思います。

 

 

 

 

1、とりあえず食卓を家族で囲むことができて各人とも世間話を交わすことができる。

 

 

 

 

2、互いが笑い合いの中でその雰囲気に快感を持てる。

 

 

 

 

3、冗談が交わされ、安心して弱音が言える(家族が互いに家族の中の誰かに逃げ場を持ち、またその反対にその役割を担っている)。

 

 

 

 

4、家庭が緊張しない(無口な子はいない。いたとしたらたび重なる緊張感が安心して話せる心のゆとりを奪ってしまった可能性がある)。

 

 

 

 

これを確認するには、親は、わが子がこの家庭に生まれ育ってよかったと「今」思っているのかを自らに問うことです。

 

 

 

 

こうした努力によって、弱音のはける「還る家」が子どもの心に定まってくると、意識は外に向かっていきます。

 

 

 

 

「同世代復帰」の始まりです。20歳になったら国民年金のことも本人と相談してみてください。

 

 

 

 

けっしてこっそりと掛けるようなことは特別な事情を除いてはやめてください。

 

 

 

 

そのとき、子どもはすぐ「同世代復帰」を果たそうとハイジャンプを試みて「二人称、三人称」の場を探します。

 

 

 

 

高校進学なら全日制高校、就職なら正社員を求めます。しかし、実際に動いてみると、これはかなりの負担になります。

 

 

 

 

わたしは、その思いを受けとめながらも、まずは一人称でいられる状態から入っていくほうがいいと思います。

 

 

 

 

高校であれば、通信制高校のスクーリング出席を目安にしたらどうでしょうか。

 

 

 

 

就職なら、なるべく遅刻しないで一日数時間のアルバイトに耐えられるかどうかです。

 

 

 

 

ところで最近、就職拒否(ニート)する若者の急増が社会的テーマとしてテレビ、インターネットなどで取り上げられています。

 

 

 

 

そこでよく話されている内容としては、今の若者にとっては現実的な意味で、働く必然性がないこと、自らの個性重視から「納得できる仕事」が見つかるまで、妥協せず探し続ける、仕事では束縛されたくない、といったことです。

 

 

 

 

なんとなく理屈は通っていますが、わたしが思うには、ここにも「一人称」の苦しみが見えてきます。

 

 

 

 

そして、こんな時代状況を反映してか、厚生労働省は勤労青年を「おおむね30歳未満」に解釈していくことを明らかにしました。

 

 

 

 

この先どうなろうとも、二人、三人称で得た小さな達成感を積み上げていくことに、親御さんや周りの人たちは気を配って欲しいと思います。

 

 

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