ひきこもりの外出の意味
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ひきこもりの外出の意味

ひきこもりの外出には2つの意味があります。1つはひきこもり本人の生活範囲を拡大すること、もう1つは将来的につながるであろう支援機関に通うための練習という意味合いです。

 

 

 

 

ひきこもりが外出することの意味は、自宅だけの生活を解消することと支援機関への接続の準備ということであって、そのためにまず「近所」に慣れていくことからはじめます。

 

 

 

 

よく親御さんたちは、外出の内容として「休日に車で観光地に遠出」ということを試みますが、ひきこもりの当事者の気分転換という点ではそれなりの意味があるものの、支援のなかでは副次的なものになります。

 

 

 

 

観光地への外出は見た目が派手なのでステップアップした気がしますが、これは残念なことに親だけがそういう気分になっているようです。

 

 

 

 

ひきこもりの当事者たちはどちらかというと、「自分を外出させたい親の気持ちに合わせてあげている」という、さめた感覚でこうした外出を捉えています。

 

 

 

 

換言すると、「近所が自分の悪口を言っている」といった被害念慮的症状を当事者が有している場合(一部の精神障害のタイプはもちろん、発達障害や性格の傾向のタイプにもこの症状は現れます)、近所への外出は、何時間もかけた観光地へのドライブよりもはるかに敷居が高いもののようです。

 

 

 

 

1ヶ月に1度ほど親の言うことを聞いてドライブに付き合えば、自分が恐れているもう1つの外出ー近所周辺へのーはそれほど強要されることはない、だから遠出はする、といった感覚です。PED_yokuharetaaozoratoookinaki_TP_V

 

 

 

 

 

けれども、支援のスモールステップの先々の展開を考えたとき、まずは、「自宅を中心とした外出」が常時できることが目標になります。

 

 

 

 

その場合、散歩以外に、書店・図書館・コンビに等に慣れることも含まれます。時間的には夜の外出から初め、やがて夕方へ移行し、そのうちに昼間外出してもそれほど気にならない状態を目指します。

 

 

 

 

曜日的には、休日から平日への移行が目標です。乗り物としては、電車に乗れるかなどは次の段階であり(よって、群集や密閉状態のなかでの多少の不安障害的症状ー動悸・発汗・嘔吐感等ーがあったとしても、この外出の初期段階においてはあまり関係ありません。むしろ被害念慮のほうが大きなテーマになります)、外出の初めは徒歩、やがては自転車で近所を自由に動けるようになることが目標です。

 

 

 

 

では外出の具体例を見てみましょう。時間は平日深夜、午前0時をまわっていることも珍しくありません。本人がごそごそと外出準備を始めています。それまでに、親やきょうだい(きょうだいの協力は難しいのが普通ですが)といった家族による地道な励ましにより、やっと本人は外出する気になっています。

 

 

 

 

数時間前から準備を始めることも珍しくないでしょう。親子関係は雑談程度ができるくらい復活しているので外出について語れるようになってはいますが、この外出の瞬間においては、親は緊張するようです。N784_sakuratodensya_TP_V1

 

 

 

 

玄関でためらう子どもに対して、あまり促しても逆効果になるかもしれませんし、何も言わなければせっかくその気になっているのにやめてしまうかもしれません。結果、親は黙ったままハラハラドキドキして見守るしかありません。

 

 

 

 

やはりその日は外出はやめてしまう人もいます。その場合、親はできるだけ残念な顔をしないことです。親の期待と失望にひきこもりの当事者は非常に敏感です。

 

 

 

 

失望が顔に出ますと、「言葉では出さないものの、外出できることを非常に期待している」という意味がメッセージとして伝わってしまいます。

 

 

 

 

ひきこもりの子どもは当然、自分も外出したいと思っています。ですがそれができません。できないからひきこもっているという苛立ちがあります。そうした複雑な気持ちを親はわかってくれていると思っていたのに、親の失望の表情は、子の親に対する失望にもつながってしまいます。

 

 

 

 

そのまま外出できてしまう人もいます。一戸建てならそのまま外ですが、マンションであれば廊下があります。マンションの場合、ひきこもりの当事者がエレベーターを使いたがらない理由を家族は知っておく必要があります。

 

 

 

 

ひきこもり当事者は、「近所の目が気になる」ことに加えて、「同世代との遭遇」を恐れている人がたくさんいます。

 

 

 

 

同級生に会うことはもちろん、いわゆる若者然とした人たち全員に対して抵抗感を持つ場合が珍しくありません。

 

 

 

 

いじめの被害体験がある人は加害者と重ね合わせたりしますし、恋愛に極端なコンプレックスを抱く人は若いカップルとすれ違うだけで緊張したり嫌悪感を抱いたりします。

 

 

 

 

このように、「近所」に加えて「同世代」もひきこもり当事者は苦手にしています。

 

 

 

 

すると、マンションの廊下や、ましてやエレベーターなどは、近所や同世代と接近してしまう危険なエリアということになります。

 

 

 

 

そのため、人によっては、階段を使うことになります。たとえばひきこもりの当事者がマンションの10階に住んでいるとして、外出初日は階段を使って7階まで降りるかもしれません。その場合の外出は、ダイエットという目標も併せ持っていることもあります。

 

 

 

 

すると、10階と7階を何度も往復することになります。20分ほど時間が流れ、外出初日は終了します。

 

 

 

 

外出初期においては、人によってさまざまではありますが、往々にしてこのような変則的な形式になることもあります。

 

 

 

 

ですから、親やきょうだいは本人が拒絶しない限りできるだけ付き添ったほうがいいのです。やがて、7階から3階、3階から1階へと徐々に移行していきます。

 

 

 

 

次にマンションや自宅周辺を歩くことになります。深夜であれば、コンビニにも立ち寄れるでしょう。外出の時間帯を夕方へ早めていき、やがて昼間に出かけられるようになることが次の大きな目標になります。

 

 

 

 

この一連の外出の移行が困難な場合、精神障害のタイプを疑ってもいいかもしれません。何らかの精神障害の症状で人知れずひきこもりの当事者は悩んでいるかもしれないからです。

 

 

 

 

この外出できるひきこもり状態が、ひきこもりの9割を超えているのが現状です。

 

 

 

 

一人で行動することへの不安をなかなか克服できない

 

 

 

 

不登校・ひきこもりに悩む本人になにがつらいのか話を聞くと、「なんとなく不安や恐怖を感じて外出できない」と返答されることがあります。

 

 

 

 

外出すると不安になり、ドキドキしたり、体調が悪くなったりするのです。

 

 

 

 

不安や恐怖の対象が本人にしかわからないため、周囲は対応に苦慮します。

 

 

 

 

しかし、本人も自覚がない場合があり、問いつめても、必ずしも答えは出てきません。

 

 

 

 

無理して答えを探さず、相談を繰り返すなかで、理解を深めていきましょう。

 

 

 

 

本人の性格や年齢などを参考にして問題点を探り、その対策をとっていきます。

 

 

 

 

原因によって対応が異なる

 

 

 

 

社会に対する不安にも、さまざまな種類があります。家族から離れる不安と、勉強が苦手なために感じる不安では、対応の方法が異なります。

 

 

 

 

不安・恐怖の対象を知ることが必要です。

 

 

 

 

○分離不安タイプ

家族、特に母親から離れることを恐れます。幼児期、小学校時代に多いです。家族といっしょなら外出できます。

 

 

 

 

ほとんどの場合、成長とともに自然にやわらいでいきます。

 

 

 

 

○モラトリアムタイプ

自分とは何か、人生とは何かに悩み、社会全体や将来に対して漫然とした不安を抱いています。

 

 

 

 

ほとんどの場合、目標ができると落ち着きます。

 

 

 

 

○対人恐怖タイプ

挫折を経験して、人間関係に恐怖を感じるようになります。自分の能力に不安を持っています。

 

 

 

 

いろいろな経験をつみながら自信をつけて克服していきます。

 

 

 

 

○心身症タイプ

プレッシャーの多い生活をしていて、気がやすまりません。失敗への不安・恐怖で精神的に落ち込んでいます。

 

 

 

 

ストレスのもとを改善して、克服していきます。

 

 

 

 

 

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