ひきこもりの単調な生活を受け入れる
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ひきこもりの単調な生活を受け入れる

ひきこもりの生活ではしばしば、生活全般にだらしなさが目立つようになります。

 

 

 

 

まず昼夜逆転のように、生活のリズムがきわめて不規則なものになります。またひきこもっている部屋の中は、きわめて乱雑で、物やゴミが散乱し、足の踏み場もないほどの状態になっていることがあります。

 

 

 

 

時には本人は自分の部屋の環境が悪化しすぎると、茶の間や台所を占拠して、そこにも自分のゲームソフトやビデオ、雑誌を山のように積み上げるようになります。

 

 

 

 

あるいはまた「自室でテレビばかり見ている」「いつもゲームばかりしている」といった不満もしばしば聞かれます。

 

 

 

 

自分の興味ある対象にのみ関心を示して社会とかかわろうとしない、いわゆる「おたく」的な自閉傾向は、どうしても病的なものとして、悪く捉えられがちです。KAZ86_namiuchigiwa500_TP_V1

 

 

 

 

しかし、ひきこもりに関しては、たとえTVの画面を通じてでも社会的な関心を維持することが、むしろ望ましいのです。

 

 

 

 

TVやパソコンに溺れることが対人困難を助長するという意見も根強いようですが、はっきり根拠があることではありません。

 

 

 

 

むやみに危機感を抱くよりは、親も一緒になって楽しむほうがよいでしょう。「一緒に楽しむ」という行為それ自体が、立派なコミュニケーションであるからです。

 

 

 

 

いずれにしても、「生活態度」のような表面的な部分にとらわれたままでは、ひきこもりの本質が見えてこないのも事実です。

 

 

 

 

まず一度は、ひきこもりの本人のだらしなさも含めて、現状をまるごと受け入れるところからはじめることが大切です。これが基本的姿勢となります。

 

 

 

 

このような「だらしなさ」は、いずれもひきこもり状態から二次的に起こった症状なので、それだけ正すのは無意味なのです。

 

 

 

 

「だらしなさ」の受容は、ひきこもりの本人のプライバシーを尊重することとつながります。まず、「本人の部屋」というテリトリーをみだりに侵さないことです。大げさに言えば、部屋は本人の城であり聖域なのです。

 

 

 

 

どれほど乱雑で汚い部屋であっても、勝手に入り込んで掃除したり、ゴミを勝手に捨ててしまったりすることは避けなければいけません。

 

 

 

 

両親はまず、本人の部屋の空間的価値を尊重するという姿勢を明らかにすべきです。

 

 

 

 

これはたとえば、ドアを断りもなしに開けないとか、声をかけるときは必ずドア越しにかけるとか、部屋の掃除をするときは必ず本人に確認するとか、そういった些細な努力です。

 

 

 

 

同時に、プライバシーの境界をはっきりさせるためにも、お茶の間のような共有の場には、できるだけ本人のものを置かせないようにしましょう。

 

 

 

 

すでにそうなっている場合でも、じっくり交渉して撤去させるべきです。これもまた、「受容するための枠組み」を明らかにするうえで欠かせないことです。

 

 

 

 

引きこもりと退行

 

 

 

 

「退行」は症状というよりは、精神症状の生じてくるメカニズムの説明のための言葉です。

 

 

 

 

一番わかりやすい例は入院生活です。ある期間入院生活が続いた患者さんは、相当の社会的地位のある人でも、意外なほど幼稚だったりわがままだったりする側面をのぞかせます。

 

 

 

 

本来は、成長した個体が、発達段階のより未熟な状態に逆戻りすることを意味していますが、ここではごく簡単に「子ども返り」の意味で用いています。

 

 

 

 

わたしたちの調査結果では、攻撃的態度と依存的・退行的態度が交互に認められる、といったような「家族関係の不安定さ」は、44%で見られました。

 

 

 

 

また、一時的にせよ、「親に対する依存的態度、幼児的振る舞い」が認められた症例は、36%でした。

 

 

 

 

これらはいずれも、退行によって起こるものと考えてよいでしょう。ひきこもり状態は、この退行をしばしばひき起こします。

 

 

 

 

個人的な仮説ですが、これはある意味で、彼らが「健康」であるために生じる現象だと思います。誰しもある限られた空間で、他人に頼らざるをえない状況下に長く置かれると、程度の差はあれ、退行を起こすものです。

 

 

 

 

これは自然な反応であって、まったく退行することができない人がいたとしたら、それはそれで問題でしょう。

 

 

 

 

さて、話をもどしましょう。長くひきこもり状態にあった人は、しばしばこの退行、つまり子ども返りの状態に近づきます。

 

 

 

 

その結果、いつも母親にまとわりつき、幼児のように甘えた声を出したり、母親の体に触れたがったりします。

 

 

 

 

時には母親と同じ布団に寝たがり、それほどではなくとも同じ部屋でないと眠れないという事例は珍しくありません。MARI75_aoihana20110508500_TP_V1

 

 

 

 

夜中に母親を起こして、長時間延々と話を聞いて欲しがることも、一種の退行による症状と考えられます。

 

 

 

 

要求がかなえられないと、ほんとうに子どもが駄々をこねるように、泣き声でせがんだり、手足をじたばたさせたりするような光景も見られます。

 

 

 

 

退行が問題なのは、これがしばしば暴力につながるためです。家庭内暴力のほとんどは、退行の産物です。

 

 

 

 

これは子どもが親に振るう暴力に限りません。夫が妻に振るう暴力も、退行の産物です。

 

 

 

 

その暴力が退行によるものかどうかを見分けるのは簡単です。その人が家族以外の人に対しても暴力的に振る舞うか否かを見ればよいのです。

 

 

 

 

家族以外には紳士的で、家庭では暴君という人は、この退行を起こしているとみてよいでしょう。

 

 

 

 

また、常に暴力的な人は退行的ではないかというと、そのような人は単に人として未成熟であるとみなすことができるでしょう。

 

 

 

 

 

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