ひきこもりに見られるさまざまな症状
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ひきこもりに見られるさまざまな症状

不登校・ひきこもりに悩んで医療機関を受診し、病気だと診断されることがあります。

 

 

 

 

うつ病や統合失調症などのかかっていて、その症状のひとつとして不登校・ひきこもり状態に陥っている場合です。

 

 

 

 

外出できないという点では、不登校・ひきこもりと変わりがないため、本人も周囲の人も、病気であることに気づいていないのです。

 

 

 

 

特定の精神疾患にかかっている場合、不登校・ひきこもりに主眼をおかず、病気への対応が優先となります。

 

 

 

 

精神疾患には、脳機能の偏りによって発病しているものが多いため、薬物療法や心理療法でその偏りを調整することをめざします。

 

 

 

 

心理状態が改善して考え方の偏りがなくなってくれば、外出することへの抵抗感もやわらいできます。

 

 

 

 

病気への対応をとることで、不登校・ひきこもりの改善がはかれます。

 

 

 

 

ひきこもりが長期間続いた場合にみられることですが、時おり「近所の人が自分のうわさをしている」「家の外で自分のうわさ話をしているのが聞こえた」「子どもたちが通りすがりに自分の悪口を言っている」などといった訴えをする人がいます。

 

 

 

 

これらは被害関係念慮などといわれますが、精神医学的には幻聴や妄想の存在も一応疑っておくべき症状ではあります。

 

 

 

 

より確信性が高い場合は妄想と呼ばれることもありますが、実際にはこれらは、区別が難しいことが多いようです。

 

 

 

 

わたしたちの調査でも、「幻覚・妄想体験」については、軽度の被害関係念慮なども含めると20%の症例に伴っていました。

 

 

 

 

この症状が重要であるのは、スキゾフレニアとの鑑別が早急に必要とされるためです。

 

 

 

 

スキゾフレニアによる症状でなければ、それは妄想様観念といって、本当の意味での妄想とは異なります。

 

 

 

 

感情の不安定性、とりわけ抑うつ気分も、しばしば見られる症状の1つです。PAK12_ookinakinoshitade1224500_TP_V1

 

 

 

 

調査結果では、慢性的に気分の変動が激しいものが31%、軽度の抑うつ状態が見られたものが59%を占めていました。

 

 

 

 

また抑うつとは微妙に異なりますが「絶望感・希死念慮・罪責感」は、軽度のものは53%が経験していました。

 

 

 

 

しかし全体的にいえることは、ひきこもり状態の抑うつ気分がきわめてうつろいやすいということです。

 

 

 

 

本来の意味での病的なうつ状態は、むしろ少ないとすらいいうるでしょう。

 

 

 

 

精神病としてのうつ病によるひきこもり状態は、むしろ例外的なものです。

 

 

 

 

ただし、軽い躁うつ病の症状を伴う「循環性気分障害」によるひきこもり状態は、時おり見られます。

 

 

 

 

多くのひきこもり事例が経験している絶望感や希死念慮は、うつ状態とは無関係なのでしょうか。必ずしもそのように断定はできませんが、これらの感情も理解や共感で受け止めることが可能なものです。

 

 

 

 

たとえば彼らの実に88%が「孤独感・退屈・空虚さ」を経験しているという結果が出ています。

 

 

 

 

今まで何度も強調してきたことですが、ひきこもりの青年たちが安穏に怠惰な生活を送っているというのは明らかな誤解です。

 

 

 

 

彼らは周囲の家族以上に、社会参加できない焦りや絶望感に何度も襲われながら、日々を過ごしているというのが実情なのです。

 

 

 

 

社会の中にしかるべき位置がないということは、それほどまでにひきこもり本人を追い詰められた気分にさせるものです。

 

 

 

 

ですから、彼らの多くがこのような絶望感や希死念慮におそわれるというのも、彼らの判断力が正常に保たれているということを意味しているとみるべきでしょう。

 

 

 

 

「うつ病」との違いを強調しておくなら、うつ病の患者さんは、しばしば「何もかも手遅れで、もう取り返しがつかない」と考えています。

 

 

 

 

しかしひきこもりの事例では、「一日も早く、何としてでもやりなおしたい」という葛藤を抱いていることが多いです。

 

 

 

 

ただし、あまりにも余裕というものがないために、こうした考えが「希望」に結びつかず、「焦燥感」や「絶望感」にしかつながらないところが、彼らの不幸なのです。

 

 

 

 

さきにもふれたように、彼らはしばしば強い絶望感や空虚感に襲われながら日々を過ごしています。

 

 

 

 

そして、それが耐え難いほど高まるとき、ふと自殺を考えてしまう事例も珍しくありません。

 

 

 

 

こうした「希死念慮・自殺企図」については、46%にみられ、自傷、自殺未遂歴のあるものは14%でした。

 

 

 

 

この数字はきわめて深刻なものですが、反面意外に少ないともいいうるかもしれません。

 

 

 

 

少なくとも、他の精神疾患一般に比較すた場合、それほど高い数値とはいえません。PAK24_morinonaka1227500_TP_V1

 

 

 

 

そして、ひきこもり事例では、「過食・拒食」といった摂食障害の症状が、一過性にみられることがあります。

 

 

 

 

一般には女性のほうに圧倒的に多く、この場合に限っては、むしろ摂食障害の治療を第一に考える必要があります。

 

 

 

 

男性で見られる場合は、経過から見てやはり、ひきこもり状態に続いて起こったと考えられる事例が多いように思います。

 

 

 

 

心に原因があって体に症状が出る病気を「心身症」と呼びます。ストレス性の胃炎や高血圧などが代表的なものですが、摂食障害なども心身症の一つとされています。

 

 

 

 

こうした「心身症状」については、もっとも多いものが心因性と思われる「自律神経症状」です。

 

 

 

 

こちらは全体の66%にみられました。原因については、生活の不規則性が最大のものと考えられます。

 

 

 

 

このほか心因性のストレスもかなり関与していることは間違いないでしょう。

 

 

 

 

とくに病気でもないのに、「病気なのではないか」「病気になるのではないか」といったことが気になる症状、「心気症状」については、自分の健康状態に過敏なものをふくめると60%に認められました。

 

 

 

 

また、こちらは非行との関連性がもっとも強いのですが、シンナーやブロンなどを常用するような「薬物嗜癖」については、慢性的なものが6%、一度でも経験のあるものを含めると18%に認められました。

 

 

 

 

症状がなくなることへの不安

 

 

 

 

症状へのこだわりが強いと、ひきこもり生活が症状一色で明け暮れているように見えることがあります。

 

 

 

 

たとえば、拒食でも過食でも、強い摂食障害の人は、1日中食べることばかり考え続けたりします。

 

 

 

 

また、強い不潔恐怖の人は、いつも、「ひょっとして汚れたのではないか」と思い、その不安を消すための強迫的、儀式的な行為を繰り返すので、毎日それでへとへとになります。

 

 

 

 

症状がある場合、本人は、「症状があることが問題のすべてであり、この症状さえなければ、ちゃんとできるようになる」と思いがちです。

 

 

 

 

しかし、実際には、症状は人間関係がうまくいかない根本原因ではなく、さらに症状を敵視して症状をなくそうとがんばるほど、症状への関心が強まり悪化しがちなことは、前述したとおりです。

 

 

 

 

さらに、もうひとつ、症状が続いてしまう理由があります。それは、精神科医のアルフレッド・アドラーのいう「症状の利用」です。

 

 

 

 

つまり、症状があるほうが本人にとって都合がよいことがあるので、症状を温存してしまうのです。

 

 

 

 

症状で苦しんでいるはずの本人にとって、いったいどんな都合のよい点があるのでしょうか。

 

 

 

 

まず、症状が自分や親に対する言い訳になります。それは「ちゃんとできないのは、この症状のせいだ。自分のせいではない」という言い訳です。

 

 

 

 

たとえば、対人恐怖があるときに、「人間関係がうまくいかないのは対人恐怖があるからだ。対人恐怖がなければもっと人間関係はうまくできているはずだ」といえるのです。

 

 

 

 

それから、症状をとおして、あるいは症状があることを理由にして、これまで自分を支配してきた親を支配し返すことができます。

 

 

 

 

不潔恐怖の人が、汚れたと思う場所を母親などに拭かせるのはその例です。自分で拭くと、自分の手に汚れがつくのが不安だからといって、自分の決めたやり方を母親に強要し、少しでも違うと怒り出したり、何度もやり直しをさせたりします。

 

 

 

 

「汚れたのではないか」と不安に思ったタオルや家具などを、次々に捨てることを親に強要するケースもあります。

 

 

 

 

症状があることで、親を支配できるのです。このように、症状があるほうが本人にとって都合のよい面があるので、「症状がつらい」と訴えながらも、本心から症状をなくしたい思っているのかどうかが自分でもはっきりしなくなります。

 

 

 

 

長期間の確認強迫がある人が、「症状がなくなることも不安」といったことがあります。

 

 

 

 

症状が、ある意味、自分の支えや張り合いのようになってしまっているのです。

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