ひきこもりになる子やその親子関係には、共通した特徴があるのか?
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ひきこもりになる子やその親子関係には、共通した特徴があるのか?






関東自立就労支援センターの相談室でこれまで扱ったひきこもり症状を示す子どもや父母の性格、その親子関係を、ひきこもる子どもや父母など周辺の人たちからの情報、心理テストの結果などを総合しますと、確かにある共通した特徴を指摘することができます。





ひきこもり子どもの性格特徴





第一の特徴は、人格自体が未熟で、幼稚で、自己中心的な傾向があります。これは、幼少期から親、特に母親に言われるがままにしか行動しなかったので、親から見ると家庭では「手のかからないいい子」でした。





子どもは母親には絶対的信頼を寄せて、甘え、依存的です。子ども自身は自らの要求どおりに事が運んでいったため、進んで何かをする意欲はあまりなく、またその自信もありません。





自己中心的でわがままであり、自分のペースで漫然と日常生活を送っていき、家族を含めて他の人からとやかく言われることを極端に毛嫌いします。





第二の特徴は、対人関係では過敏で警戒的です。





性格傾向としては、内向的で何事にも消極的であり、受け身ですが、その傾向は特に家庭外での対人関係で特徴的に現れます。





非社交的、閉鎖的で被害意識が強く、人と交わる場面を極力避けようとして、孤立感を深めます。





これは過去に仲間はずれやいじめを受けて、気持ちが傷つけられた体験から人と関わることを恐がり、用心するようになったことが主たる原因でしょう。





このように他人の顔色をうかがったり、その言動にたいへん敏感で神経質になり、警戒的です。





対人関係でのこの過敏性は、同じように自閉的傾向が強くても、統合失調症とは根本的に異なる特徴です。





第三の特徴は、生真面目で、几帳面であり、柔軟性に乏しいことです。





何か一つのことにとらわれると、なかなか頭から離れず、他の人から見るとまことに些細で、放っておいてもよいような事柄でも気になってしまい、これで一件落着ということにはなかなかなりません。





物事を柔軟に、弾力的に考えることができませんから、いつまでも不安がついてまわるということになります。





第四の特徴は、自責的、内罰的傾向が強いことです。ひきこもっているときの心情を聞いてみますと、外から見れば一見安閑としているように想像されますが、実際にはなかなか複雑なものがあります。





A君は「家にばかりひきこもっているとイライラ感が高まって、親に暴力や暴言ばかり吐いていました。そのうちに、時々、惨めな自分の姿に気づいて、自分は何のために生まれてきたのだろう、何でこんな自分になってしまったのだろう、これからどうなるのだろうなど、いろいろ自問自答していました」と言います。





そして、先が見えない思いから「絶望感」へと追いやられ、自宅マンションの最上階から飛び降り自殺を考えたこともあるそうです。





B君も最終的には、自分自身のふがいなさが原因であり、A君と同じくダメ人間として死ぬしかないと思っていたそうです。





また、A君の場合はさらに、なぜ自分がこんな目にあわなくてはならないのかという「屈辱感」も頭をよぎって、家族の誰かのせいにしたいという気持ちもあったといいます。





このように、ひきこもる自分自身が悪いのだという攻撃性がまず自分自身の内に向かいます。それだけでなく、A君の場合は家族の誰かを巻き添えにしたかったとも言います。





このような外罰的傾向はこれまであまり問題にされていなかったのですが、A君のように家族の誰かに対する潜在的な攻撃性を持っていることも、もう少し考慮しておいたほうがよいように思います。





父母の性格特徴





家庭は、経済的、文化的に世間並み以上の、いわゆる中流意識の強い両親が多いのですが、家庭だんらんとなる部屋の充実よりも、テレビ、冷暖房など電化製品が整えられた子ども用の個室に、パソコン、漫画、ビデオ、ゲームなど一人文化を享受できるソフトが整備されていて、ひきこもりを支える環境となっているのが特徴的です。





父親はまじめに黙々と働く仕事熱心な会社人間が多く、当然のことながら家庭での子どもとのコンタクトが少なくなり、存在感が希薄です。





母親は、どちらかといえば、神経質で、几帳面、潔癖なところがあり、見栄っ張りな性格傾向の人が多いようです。そして、子どもに対しては過干渉、過保護になる傾向があります。





家族関係





母親のこうした性格や行動傾向を示すのには、次のような社会的な背景もあります。都心からやや離れて地方色が残っている地域社会に住む家族、あるいは地方出身の父母を持つ家庭では、いまだに「家」意識がかなり残っているところがあります。





地方色の濃い地域社会では、祖父母など親族からの第一子長男への期待が大きいうえに、父親を含めてそうした親族から子育ては母親の役割と割りきっているために、初めての子育て経験をする母親は、男の子の養育にはかなりの精神的負担を感じているのが事実です。





父親の親族に社会的、職業的に優れた人がいると余計にそうです。母親が育児に関して神経質になるのは無理からぬことともいえます。





母親は、子育てに無関心な父親や、期待だけで援助のない親族への不満がしだいに募るにつれて、母親自身の欲求不満解消の代償に、子どもへの思い入れを深め、共依存的関係のなかに逃避しているようにも見受けられます。





また、ひきこもる子どもと他の兄弟との競争関係も絡んでいることがあります。





このように見ていきますと、子どものひきこもりへの予防や対策には、夫婦関係も含めた家族関係の調整など多角的視点からのアプローチも欠かせないように思われます。

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