ひきこもりと家族の力
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ひきこもりと家族の力

家族の気持ちを理解することから。

 

 

 

 

 

不登校・ひきこもりが始まって、今後でどうなるかという底知れぬ不安、子どもへの期待が打ち砕かれた口惜しさ、これらは初期から生じ、時間が経過するごとに形や深まりを変えて、家族の心に去来するにちがいありません。

 

 

 

 

 

 

子どもへの期待が打ち砕かれた口惜しさは、親でなければわかりません。

 

 

 

 

 

わが国に根強い、精神疾患に対する偏見もあって、恥ずかしいという気持ちもあるかもしれません。

 

 

 

 

 

この点を十分に理解し、意識して支援者は家族に対応することです。

 

 

 

 

 

家族には、そんな不安を表さない態度で当事者に対応する必要があることを伝えます。

 

 

 

 

 

回復や支援の方向を示し、安心感を与えて励まし、もっとも苦しんでいるのは当事者自身だということを繰り返し伝えます。

 

 

 

 

 

家族を支えることで、家族が安心して子どもと接することができます。

 

 

 

 

 

家族のこの態度は、不安や不満が昂ぶっている時期の当事者の心を鎮めるもっとも大切な条件です。

 

 

 

 

 

家族の全員が高いレベルで安心感を持つことが理想ですが、なかなかそうはいきません。

 

 

 

 

 

まず、相談に来られた一人から始まります。支援者は家族全体が安心感を持って当事者に接することができるように援助します。

 

 

 

 

 

非常に多い例は、父親が子どもの状態を理解しないという母親からの苦情です。

 

 

 

 

 

しかし相談を続けると、相談に来られた母親のほうが不安が強く、焦っていたと思われる場合もあります。

 

 

 

 

 

父親なりに、子どもの安心感をつくる態度や会話の工夫をしていたりします。

 

 

 

 

 

ひきこもり当初の若者・特に男性は多くの場合、父親を攻撃しますが、父親が悪いのではありません。

 

 

 

 

 

若者も言葉とは裏腹で、本心は父親を愛し、頼りにしている場合が多いのです。

 

 

 

 

 

このように信じて接すると、父親自身が対応のまずさや言葉遣いの誤りを発見し、見直しが起こってきます。

 

 

 

 

 

夫婦がまったく同じ言葉や動作をもっていることはありません。それぞれが気持ちを共有していればよいのです。

 

 

 

 

 

共有していることを確認しあえばよいのですが、難しい場合も多々あります。

 

 

 

 

 

それには支援者が家族といっしょに話し合う、相談には夫婦で来るなどが効果的です。

 

 

 

 

 

祖父母が相談に来て、支援が始まった例もあります。家族のなかの温度差はやむをえませんが、一人でも安心感を持って当事者に働きかける人がいれば、まわりを高めていきます。

 

 

 

 

 

当事者との接点としての家族

 

 

 

 

 

相談当初、当事者と接するのは多くの場合は家族だけです。

 

 

 

 

 

ひきこもりの当事者は、「家族を通して社会を覗く」といわれていました。

 

 

 

 

 

今は「ITを使って、わたしより社会のことをよく知っているようですが」と家族の方が語られます。

 

 

 

 

 

しかしそれは、社会参加・就労を促すような社会との接点にはなりません。

 

 

 

 

 

ネット通販を利用して、文献やCD、ゲームソフトなどを買いあさっているなど、社会参加を意識したうえでの行動というよりも、社会から逃れている自分を守るための行動ではないかと思います。

 

 

 

 

 

しかし閉じこもっている場合、当事者の行動や関心を探ることができるのは家族の観察だけです。

 

 

 

 

 

ここは慎重に、家族の観察をもとに、家族と支援者・医師との検討が求められます。

 

 

 

 

 

医師の判断も非常に重要です。当事者は社会参加を意識していないとしても、趣味のつながり、昔の友人や子ども時代の教師などの接点が当事者の社会参加を促す力として働く場合もよくあります。

 

 

 

 

 

家族が壁になる

 

 

 

 

 

支援を始めたらすぐ閉じこもりから抜け出すことはほとんどありません。

 

 

 

 

 

声をかけたらすぐ動き出せるのは、すでに家から出歩く段階の当事者です。

 

 

 

 

 

心が和み、不安定期を越え、家庭から抜け出すまでの時期の支援は、大きく家族の力にかかっています。

 

 

 

 

 

ここで問題になるのが、「家族の壁」です。長いひきこもりに、家族が「これ以上は動かない」とあきらめるか、「子どもが楽しくしているからこれでいい」と判断してしまうのです。

 

 

 

 

 

家族からの接点が唯一の時期、家族があきらめてしまうことは支援を放棄することになります。

 

 

 

 

 

このような例は、高年齢からのひきこもりや長期化している場合の家族に多く見られます。

 

 

 

 

 

家族の「共依存」との指摘もあります。家庭訪問でせっかく積み上げてきた支援者との関係を、焦った親の言動、逆にあきらめた親の態度で駄目にしてしまう例もたくさん見てきました。

 

 

 

 

 

これも「家族の壁」です。

 

 

 

 

 

家族といっしょに

 

 

 

 

 

このように家族は安定する場として機能しますが、逆の機能も持ち合わせています。

 

 

 

 

 

誰かが病気や怪我で苦しむと、他の人たちも苦しくなり、心が痛むでしょう。

 

 

 

 

 

家族は、そこに属する個人に対して大きな精神的影響があります。

 

 

 

 

 

各々が意識しなくても影響し合う集まりで、小さな社会ともいえます。

 

 

 

 

 

子どもが不登校やひきこもり状態になるだけで、家族の形は知らぬ間に変わっていきます。

 

 

 

 

 

家族を題材にしたドラマ、映画、小説などが多いのは、多くの人たちが何らかの家族の悩みを持ち合わせていること、互いに影響し合っていることの証拠です。

 

 

 

 

 

家族から何も影響を受けていない人はいないでしょう。

 

 

 

 

 

それほど、家族は個人に大きな影響力を持っています。

 

 

 

 

 

ここで大切なことは、支援者も家族もともに限界があるということです。

 

 

 

 

 

だから、支援者・家族がともにお互いの限界を理解しあい、互いに悩み、相談しながら、当事者が過ごしやすい環境を整えていく必要があります。

 

 

 

 

 

家族のなかで、不登校・ひきこもりなど問題が起きたとき、誰が悪いと犯人探しをしても問題はいっこうに解決しません。

 

 

 

 

 

これから先がよりよくなるために、家族の一人ひとりに何ができるか、当事者に何を提供することがよいか、家族みんなで考えていくことです。

 

 

 

 

 

地域や行政にある社会資源を何か利用できないか、支援はすべての人のつながりを意識することが重要だと考えています。

 

 

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