ひきこもりと家族の信頼関係の回復
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ひきこもりと家族の信頼関係の回復

 

ひきこもりからの脱出を目指すにあたっては、ひきこもり本人と親や家族との会話の機会を徐々に増やし、これを通じて家族との信頼関係を取り戻すことが、主な課題となります。

 

 

 

 

ひきこもりに関して言えば、本人と家族との会話が、しばしば極端に貧しいものになりがちです。

 

 

 

 

たまにお説教する以外には、何を話していいかすらわからない、という家族も少なくありません。

 

 

 

 

しかし、会話がとぼしいままに長期化すれば、家族関係が一層ぎくしゃくしたものになり、治療への糸口もつけにくくなります。

 

 

 

 

わたしたちは家族に、普段からまめに(ただし、くどくならないように)声をかけることを勧めています。

 

 

 

 

無言でも返事を強要したりせず、あきらめずに何度でも、根気よくはたらきかけることが大切です。

 

 

 

 

日常のあいさつやちょっとした声かけからはじめて、本人が応ずるようなら、少しずつ話題をふくらませます。

 

 

 

 

話題としてはたわいない世間話や、趣味の話などがよいでしょう。仕事や学校、同年代の友人や結婚の話などは、本人の引け目や劣等感を刺激することになるだけなので、避けたほうが無難です。N112_miagerumidori_TP_V

 

 

 

 

ただし、本人のほうからそうした話題を持ち出してきたときは、その限りではありません。

 

 

 

 

本人からの話しかけは大きなチャンスでもありますので、どのような話題でも、まずしっかりと耳を傾けることからはじめます。

 

 

 

 

話しかけるにあたっては、話すときの表情や口調にも注意が必要です。どんなに本人を気遣う言葉であっても、苦虫を噛み潰した顔で、切口上でいわれたのではなんにもなりません。

 

 

 

 

言葉と態度がうらはらにならないように、できるだけわかりやすい態度を心がけることが大切です。

 

 

 

 

いいたい事を態度や行動で悟らせようとするのではなく、言葉で伝えていくことが大切です。

 

 

 

 

もちろん「皮肉」や「あてこすり」も禁物です。対応の基本は、あくまでも誠実な「正攻法」です。

 

 

 

 

両親からの働きかけに対しては、当初まったく反応がないか、むしろ幾分のとまどいで迎えられるのが普通です。

 

 

 

 

しかし、時間をかけてねばり強く接していけば、徐々に返事が返ってくるようになり、態度も柔らかく変わってきます。

 

 

 

 

それにつれて、会話もだんだんと豊かなものになっていくでしょう。

 

 

 

 

会話が増えてくる当初は、いろいろな思いがけない話題が出てきて、戸惑わされることもしばしばあります。

 

 

 

 

たとえば、ひきこもり事例では両親に対してひそかに「恨み」を持っていることがあります。

 

 

 

 

たとえば、「こんなみじめな自分が今あるのは、育てた親の責任である」「本当は行きたくない学校に、無理やり行かされた」「あの時無理にでも学習塾に入れてくれれば、皆に遅れることはなかった」「いじめられて苦しんでいるときに、気づいてくれなかった」「近所の環境が悪かったのに、引っ越しをしてくれなかった」「中学生からやり直したい。時間を元に戻して欲しい」などのようなものがあります。

 

 

 

 

こうした理不尽とも思える非難の矛先を向けられたとき、それでも冷静でいられる親は少ないでしょう。

 

 

 

 

「それは事実ではない」とか「そんな理屈は通らない」といった、「正しい反論」をつい、したくなってしまうかもしれません。

 

 

 

 

しかし、ここでも「正しさ」は、さして重要なことがらではありません。とにかくいいたいことはさえぎらずに、最後まで言わせ、耳を傾けることが大切です。

 

 

 

 

すぐにさえぎって反論したり、無理に話をそらしたりすべきではないのです。

 

 

 

 

たとえ本人の記憶が不正確で、明らかな事実誤認があったとしても、本人がどのような思いで苦しんできたか、まずそれを丁寧に聞き取ることに意味があります。

 

 

 

 

もちろん「いつも同じことを、くどくど聞かされるので参ってしまう」とこぼす家族も、少なくありません。

 

 

 

 

しかし、そのような家族は、しばしば本人にいいたいことを十分に言わせていません。

 

 

 

 

ひきこもり本人が最後の言葉を言い終わるまで、じっと聞き役に回り続けることは、かなり困難なことです。

 

 

 

 

「何が正しいのか」ではなくて、本人が「どう感じてきたか」を十分に理解することが大切です。KAZ86_shinobazutoturibashi500_TP_V1

 

 

 

 

それが誤った記憶であっても、「記憶の供養」をするような気持ちで付き合いましょう。

 

 

 

 

これは本当のコミュニケーションに入る手前で、どうしても必要とされる儀式のようなものなのです。

 

 

 

 

ただし、注意すべきなのは、「耳を傾けること」と、「言いなりになること」はまったく異なる、という点です。

 

 

 

 

当たり前のようですが、しばしば混同されがちなことです。たとえば、本人が腹立ちのあまり、謝罪や賠償を要求してくることがあります。

 

 

 

 

こうした要求に対しては、原則として応ずるべきではありません。こうした要求は、訴えに対して十分にとりあわなかった家族に向けられがちのようです。

 

 

 

 

訴えを家族に届かせるために、より強烈な表現が選ばれた結果の、謝罪・賠償請求なのです。

 

 

 

 

ですから、やはり大切なことは、本人がほんとうに「自分の気持ちを聞き取ってもらえた」と感じることです。

 

 

 

 

そのように感じることで、格別のことは何もしなくても、恨みや要求は次第に鎮まっていくものです。

 

 

 

 

不登校・ひきこもりが、家族の一大事となってしまうことがあります。

 

 

 

 

ほかのきょうだいへの話しかけが減ったり、親自身の生活がおろそかになったりして、家庭のバランスが崩れます。

 

 

 

 

簡単に取り組める問題ではないため、家族の暮らしが変わるのはやむを得ません。

 

 

 

 

しかし、保護者が不登校・ひきこもりに振り回されるのは、よくない状態です。

 

 

 

 

家族の誰かがひとりで問題と取り組むのではなく、みんなが少しずつ意識しましょう。

 

 

 

 

ひとりひとりの負担が減ります。また、保護者自身が楽しんでいれば、その明るさが子どもに影響して、いい励ましになります。

 

 

 

 

子どもも、特定の人を頼らず、自立して充実した人生を送ろうと考えられるようになります。

 

 

 

 

子どもは親の姿を見ています。

 

 

 

 

不登校・ひきこもりになるのは、親だけの責任ではありません。

 

 

 

 

しかし、子どもが親の姿を見ていることは事実です。親がよう暮らし方をしていれば、子どもの気持ちも変わるものです。

 

 

 

 

○楽しく暮らしている親

不登校・ひきこもりの問題に取り組みながら、自分の生活も大事にしている。仕事や趣味の楽しさを子どもにも伝える。

 

 

 

 

○いつも退屈そうな親

仕事や家事への愚痴、不満を口にすることが多いと、子どもも社会に対して悲観的になる。

 

 

 

 

人生が退屈だと思わせないようにする。

 

 

 

○勉強・部活をがんばるきょうだい

きょうだいが学校で楽しく暮らしていれば、それを見て希望を持てる。

 

 

 

 

反発してかえって傷つくこともあるので、保護者がフォローする。

 

 

 

 

家族療法について

 

 

 

 

保護者が家族療法を受けることで、子どもと接する態度や考え方が変わり、それによって子どもの気持ちに変化が出て、状況が改善することはあります。

 

 

 

 

ただし、結果が出ない家族もいます。家族療法だけでよくなると最初から決めつけて受診するのはやめましょう。

 

 

 

 

期待通りの効果が得られないこともよくあります。

 

 

 

 

本人が受診を考えていない場合で、なおかつ家族の考え方に問題がある場合に、家族療法が効果的です。

 

 

 

 

けっして万能の治療法ではないことを理解してください。

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