ひきこもりと兄弟姉妹、祖父母、親戚との関係
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ひきこもりと兄弟姉妹、祖父母、親戚との関係

ひきこもり当事者が男性で、男きょうだいがいる場合、私たちの経験では、そのきょうだい間は仲が悪いことが多いです。そこには一定のパターンがあります。

 

 

 

 

一つ目はきょうだいがひきこもっていない場合です。つまり、学校なり就労なりにそのきょうだいが就いている場合、きょうだい仲が悪くなることは珍しくありません。

 

 

 

 

仲の悪くなる順番としては、まず、ひきこもり当事者のほうがきょうだいに対して距離をとり始めます。それは当然でしょう。

 

 

 

 

自分はひきこもっているのにきょうだいのほうは挫折なく学校や仕事に行っているのですから、コンプレックス、という一言では割り切れない、複雑な思いをひきこもり当事者はきょうだいに対して抱きます。PPH_yuuyaketoodaiiba_TP_V1

 

 

 

 

 

きょうだいのほうは、はじめは理由がわからないまま、距離をとられます。兄という立場であっても、弟という立場であっても、みなそれぞれ自分の生活がありますから、はじめはそれほど気になりません。

 

 

 

 

でも、時には露骨に距離をとられる場合があります。そうなりますと、多かれ少なかれ思春期という要素が入っている者同士、けんかになることもあります。

 

 

 

 

派手なけんかにならないまでも、お互いが徐々に距離をとりはじめ、やがてはほとんど口をきかなくなるようになります。これは非常によくあるパターンです。

 

 

 

 

二つ目は、きょうだいもひきこもっている場合です。それぞれの事情がありますから、一言で言うのは難しいのですが、二人ともひきこもっているとき、それぞれのペースでひきこもりますからやがて物理的にも距離が生じ、会話が少なくなります。

 

 

 

 

会話が少なくなると関係は疎遠になり、まるで他人同士が暮らしているような雰囲気になります。KAZ85_20130323-P3230244500_TP_V1

 

 

 

 

ここに、互いの親に対する思いや、きょうだい間の歴史などが積み重なってきて、複雑な感情が生じてきます。

 

 

 

 

いずれにしても、ひきこもりの支援を考えたとき、きょうだいがひきこもっている場合は論外として、ひきこもっていないきょうだいも、それほど支援には影響を与えません。

 

 

 

 

きょうだい間の関係が悪いので、外出するのを手伝ってもらうわけにもいきません。この場合は、きょうだいは自分の自立を目指していくことのほうが先決です。親は、きょうだいの力をそれほど当てにしてはいけません。

 

 

 

 

ひきこもり当事者が男性で、きょうだい仲がいい場合も、基本的には、当事者に対してあまりかかわらず、きょうだい自身の自立を模索していくことになります。

 

 

 

 

きょうだいが当事者の自立に直接手を貸すよりも、きょうだい自身が自立していく姿を当事者に見てもらうほうが、長い目で見るとプラスになるかもしれません。

 

 

 

 

ひきこもりという状態は、矛盾した気持ちを同居させた状態です。一方では仕事をしたい、その一方ではこのまま永久にひきこもっていたい、一方では家族と仲良くしたい、その一方では放っておいてほしい、一方では家から独立したい、その一方では独立はめんどうだ・・・・。あげたらきりがないほど、両極端な矛盾した思考とともに生活をしています。このような矛盾を理解し、時間をかけて社会へと接続することが、親が動くことの意味であり、支援者の仕事の意味です。

 

 

 

 

このような粘り強いかかわりをきょうだいにまで求めるのは酷だと思います。きょうだい間の複雑な歴史やそれぞれの親に対する思いが、そうした粘り強さを跳ね返してしまいます。

 

 

 

 

どんなに仲がよくても、時にはもどかしい感情も生まれるでしょう。そんな感情を抱くきょうだいを責める気にはなれません。きょうだいは、まず自分の道を歩んでもらうことが一番でしょう。

 

 

 

 

ひきこもり当事者が男性で、きょうだいが女性の場合、そのきょうだいは多くがひきこもっていません。また、互いの仲が険悪なことも、経験上あまりありません。

 

 

 

 

だいたい雑談程度はできることが多いようです。なかには、ひきこもり当事者の脱ひきこもりを手伝う人もいます。具体的には、外出を促し、その付き添いをするきょうだいもいます。そしてその試みがうまくいくこともあります。

 

 

 

 

けれども基本的にこの場合も、きょうだいは自分自身の自立を模索していくことを優先することが先決です。その理由は、先にも書いたように、粘り強い関わりはきょうだいには酷ではないかということです。

 

 

 

 

ひきこもり当事者が女性の場合、ときに深刻な関係を聞くことはありますが、多くの場合、きょうだいは仲が目立って悪くありません。

 

 

 

 

それはあくまでも「目立って」悪くないということであって、複雑な関係性はそこにあります。ですがこの場合、わたしたちの経験では、きょうだいはあまり表に出てきません。

 

 

 

 

女性がひきこもる場合、親との関係性は維持していることが多いから、親はきょうだいにそれほど頼ったり影響されることなく、親と当事者の二人三脚で何とか社会参加を目指すということが多いです。

 

 

 

 

いずれにしても、きょうだいという存在は、ひきこもり状態を深刻化させる(原因論とは別)ものでも解決に向かう一助となるものでもありません。ひきこもりの当事者からすると、どこかで常に意識はしているが、親に比べるとはるかに存在感の薄い存在、と言えるでしょう。

 

 

 

 

言い換えますと、ひきこもり支援における家族の役割の比率は、圧倒的に親が占めているということです。祖父母や親戚と、ひきこもり当事者の多くとは距離をとります。

 

 

 

 

理由は明快で、祖父母や親戚は「自立」を普通に迫ってくるからです。祖父母の場合は、徐々にひきこもり当事者のことを理解し自立に関する話題を避ける人もいますが、祖父母にとってみるとそのこと(自立を迫らない)はかなりストレスがたまることでもあります。

 

 

 

 

自立に触れてはいけない、その理由が祖父母にとってはわからないから、当事者に対しての言動が不自然になります。そのことをひきこもり当事者も見抜きます。その結果、両者の関係はぎくしゃくし、ぎこちないものになります。

 

 

 

 

しかしほとんどの場合は、自立して当たり前というふうに祖父母は当事者や親にかかわってきます。親戚になるともっと顕著です。ですから当事者はこのような人たちを避けます。

 

 

 

 

ですから、正月やお盆がひきこもり当事者にとっては何よりも苦痛な季節なのです。なかには少数派ではありますが、上手に当事者にかかわってくれる親戚も存在します。

 

 

 

 

この場合は、親は、この親戚を相談役やときには支援者として位置づけることもできます。ですが、価値観の柔軟な親戚は、それほど多くはありません。

 

 

 

 

というわけで、きょうだいも祖父母・親戚も、基本的にひきこもり支援にはかかわらないほうがよいのです。ひきこもり支援とは、当事者と親との問題であり、状態がひきこもっているときは、とにかく「親が動く」ことがすべての支援の始まりなのです。

 

 

 

 

 

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