ひきこもりから抜け出すために
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ひきこもりから抜け出すために

個人が受けるストレスの強さは、「環境」と「心の状態」の2つの要因で決まります。

 

 

 

 

同じ環境にいるのに、人によってストレスの度合いに差があるのは、それぞれの心の状態によってストレスのためやすさに差があるからです。

 

 

 

 

否定的な生き方をしている人は、基本的にストレスをためやすくなります。否定的思考と否定的感情はストレスを強め、強くなったストレスはさらに否定的思考と否定的感情を強めるからです。

 

 

 

 

つまり、否定的な生き方とストレスは、相互に強め合って悪循環を生むのです。

 

 

 

 

ですから、その悪循環を断ち切るには、否定的な生き方を、肯定的な生き方に変えなければなりません。

 

 

 

 

実際、ひきこもりの人が本当に回復してくるときは、だんだん肯定的なことに目が向くようになり、しだいに肯定的な生き方に変わっていきます。

 

 

 

 

ここでは、肯定的な生き方とはどんな生き方かということと、肯定的な生き方をするための具体的な方法、さらにストレスをためないためのストレス発散や浄化の方法を取り上げたいと思います。

 

 

 

 

ところで、子どもがひきこもりの状態になりますと、親も子どもの問題に出あうことで挫折し、苦しみます。

 

 

 

 

なかには、本人を非難するばかりの親もいます。それでも本人が暴力や暴言を親に向けるようになってくると、傍観者ではいられません。

 

 

 

 

ひきこもっている子どもだけでなく、その親もやはりストレスの強い状態になり、否定的になってきます。

 

 

 

 

そもそも家族というものは、ひきこもりに限らず誰かがストレスの強い状態にあれば、ほかの家族もストレスを強めるものです。

 

 

 

 

ひとりだけストレスの強い状態にあって、ほかの全員は元気いっぱいという家族は考えにくいものです。

 

 

 

 

したがって、親が強いストレス状態にあるのに、子どもだけが元気になるということはありません。

 

 

 

 

ですから、親は、本人のストレスがほぐれるよう本人に協力しながら、自分のストレスもほぐすようにする必要があります。

 

 

 

 

「本人にどう対応して協力していくのか」ということと、自分自身の否定的な状態に対して「自分の気持ちをどう立て直すか」ということの、両方をやっていくことになるのです。

 

 

 

 

ここで述べることは、ひきこもっている本人はもちろん、親にも実践してほしいことがたくさんあります。

 

 

 

 

今から述べることを参考にして、どうか子どもも親も心の闇を払拭してください。

 

 

 

 

そして、光あふれるいのちの輝きを取り戻してください。以前、ひきこもりの人に症状がある場合は、症状とうまく付き合っていくことが必要だと述べました。

 

 

 

 

「症状を気にしない」ようにすればよけいに気になってしまうので、症状をなくそうとはせずに、症状が気になってもいいから、症状があるままでできそうなチャレンジを積み重ねていくことです。

 

 

 

 

これができるようになると、「症状があっても、やればできる」ということが体験的にわかるようになります。

 

 

 

 

すると、「症状があってもいいか」と症状を受け入れられるようになってきます。

 

 

 

 

たとえば、吃音がある場合に、症状とどう付き合うかを説明しましょう。吃音は、人前で話すときに、緊張のために言葉がつまってしまう症状です。

 

 

 

 

話していてどもると、「人にどう思われただろうか。馬鹿にされるのではないか」などと考えてしまい、どもるまいとするほど、緊張は余計に強まり、さらにどもります。

 

 

 

 

わたしはそのような人に対して、どもらないように訓練するのではなく「土盛りながらでも少しずつしゃべればいい」という実践練習をするように、カウンセリングのなかで勧めます。

 

 

 

 

やがて、どもりながらでもしゃべられるようになってくると、どもることへのこだわりが減ってきます。

 

 

 

 

どもること自体は完全になくならないとしても、「どもることにこだわらない状態」になれば、カウンセリングでは「よくなった」と見ます。

 

 

 

 

どもることはあっても、どもることについての心的葛藤は消えており、症状と言うよりはどもり癖があるだけといえるからです。

 

 

 

 

これが症状を受け入れ、症状とうまく付き合っている状態です。幻聴の場合は、本人にははっきりと声が聞こえますから、それが気になるのは当然のことです。

 

 

 

 

ときには幻聴と言い争っていることもあります。幻聴も、「聞きたくない」「聞こえたらどうしよう」と気になって関心を向けるほど、幻聴は活発に「しゃべって」きます。

 

 

 

 

そこで気になりながらも、「好きにしゃべればいい」と思うようにします。すると、幻聴への関心が減り、幻聴の声が小さくなってきたり、減ってきたりします。

 

 

 

 

「症状と闘って撲滅しよう」という悪に抗するようなやり方をやめて、症状を受け入れるように付き合っていくのです。

 

 

 

 

症状のある人にとって、自分のこだわっている症状を受け入れるのはなかなか難しいことですが、すこしずつでもあるがままに受け入れられるように症状と付き合っていきましょう。

 

 

 

 

「がんばってちゃんとやらねばならない」という「ねばならない」思考は、肯定的思考ではなく否定的思考です。

 

 

 

 

なぜならこの思考は、行動を義務化させて自発的な行動を妨害するからです。この思考が強いことは、ひきこもりやすい人の特徴でもあげたように、しんどくなる人の特徴のひとつです。

 

 

 

 

しんどくなっている人は、共通して「ねばならない」思考が強く、それにしばられて苦しんでいます。

 

 

 

 

このしばりを命じているのは、自我意識のなかの理想我です。理想我は人間が成長して社会に適応していくために必要な自己制御システムですが、そのしばりは、ほとんどのことに関しては、「~したほうがよい」という程度のゆるいものでよいのです。

 

 

 

 

子どものしつけや教育でも、あまりがんばらせないようにするべきです。がんばり続けると、ストレスをためてしまうからです。

 

 

 

 

ただ、今でも「がんばり主義」が奨励されることが多く、がんばり主義がわたしたちの潜在意識にしみこんでいます。

 

 

 

 

そして、うまくいかないことがあると、自分を責めてがんばらせようとすることが癖になっています。

 

 

 

 

しかし、ひきこもりは人に合わせることや、それ以外のことをがんばり続けてしんどくなっている状態ですから、同じがんばり主義で元気になることはできません。

 

 

 

 

がんばりすぎないようにすることは、潜在意識の思い込みを変えることになり、とても難しいのですが、それでも変える方法はあります。

 

 

 

 

まず、日常生活の中で、がんばらずにやっている行動を思い出しましょう。たとえば、多くの人は、食事はがんばらないで食べているでしょう。

 

 

 

 

また、テレビはがんばらないで見ているでしょう。それらの体験から、「行動はがんばらないとできないわけではない」ということを理解します。

 

 

 

 

それから、「がんばらないで行動する」ということを、意識的に実行します。そしてそれを徐々に増やしていきます。

 

 

 

 

さらに、「自発的にやってみよう」と思う行動を増やしていきます。もうひとつは、「ベターなやり方でやってみる」ことを増やすことです。

 

 

 

 

「ねばらない」思考は「ベスト思考」です。「ベスト思考」は、抽象的な「ベスト」の基準に「常に達しなければならない」という思い込みにしばられていることです。

 

 

 

 

ただ、元気なときと調子が悪いときでは、当然実現できるレベルは異なります。「そのときの状態でベターなことができればいい」という考え方でやってみる体験を重ねると、「ねばならない」思考がゆるんできます。

 

 

 

 

最後に、がんばるのではなく意思を働かせることです。がんばることと、意思を働かせることは違います。

 

 

 

 

「意思を働かせる」とは、自分で「何かをやろう」と決めて、決めたことをやるということです。

 

 

 

 

これに対して、「がんばる」とは、理想我の求める理想像に自分を一致させようとする行動です。

 

 

 

 

意思は、初めは誰でも弱いのですが、働かせているうちに強くなってきます。意思が強くなると、自我意識のしばりから自由になれます。

 

 

 

 

また、必要に応じて行動を変えられるので柔軟になります。意思が働けば、行動のときにがんばる必要はなくなるのです。

 

 

 

 

ストレスが生じたときの回復力(ストレス・トレランス)を高めることも重要です。

 

 

 

 

この回復力には個人差が大きくあります。回復力が高いと、少々のストレス状態なら、すぐに心のバランスを回復することができます。

 

 

 

 

これに対して、回復力が低いとすぐにストレスをためてしまい、ダウンしやすくなります。

 

 

 

 

ストレスからの回復力は、生活トレーニングによって身につけることができます。

 

 

 

 

たとえば、生活体験が未熟な子どもは、いろいろ下手な行動をしては落ち込み、そこから回復する体験を重ね、少しずつ上手になります。

 

 

 

 

特に、失敗や挫折は回復力を身につけるチャンスです。ところが、親が子どもに失敗させることを恐れて過保護・過干渉になったり、子どもの失敗をしかりつけたりすると、子どもが「失敗は悪いことだ」と思い込み、失敗を恐れるようになります。

 

 

 

 

失敗を恐れるとチャレンジもしなくなりますし、何かするときに「失敗するのではないか」という不安も強まります。

 

 

 

 

ひきこもりの人で失敗をひどく恐れる人は、とても多いのです。親は、すぐ口を出したり代わりにやってしまったりするのではなく、子どもが自力で失敗や挫折を解決するのを、暖かく辛抱強く見守ることが本来は必要なのです。

 

 

 

 

親がすべきことは、そのような見守りであって、あとは求められたときに相談に乗ったり協力したりすることだけです。

 

 

 

 

困難や挫折にあっても立ち上がるという体験を何度も積み重ねていると、回復力が身についてきます。

 

 

 

 

また、つらくても立ち上がれる働きが自分のなかにあることを、体験的に理解できるようになります。

 

 

 

 

上手にストレスを発散できると、ストレスの原因を根本的に解決できていなくても、かなり楽になります。

 

 

 

 

暴力をふるったり、大声でわめいたりするような行為は下手なストレスの発散です。

 

 

 

 

たとえば、サンドバックを思い切り殴る、板を立てかけて「こん畜生」といいながら丸めた粘土をなげつける、カラオケで大声を出して歌うなどは、上手な発散です。

 

 

 

 

周囲に迷惑をかけない発散を楽しい感じでできるようになれば、より効果的です。

 

 

 

 

自分のことを受け入れてくれる、心許せる相手(友人、カウンセラーなど)に、話を聞いてもらうこともよいでしょう。

 

 

 

 

親も子どもと信頼関係ができていれば、そのような心を許せる相手になれます。信頼できる相手に向かって自分の気持ちを言語化することで、ストレスが発散できるとともに自分の気持ちを客観化でき、自己理解が深まります。

 

 

 

 

「笑い」もストレス発散に役立ちます。明るく笑うことは、人をリラックスさせます。

 

 

 

 

笑うと免疫細胞が活性化することが実証されており、その理由は笑いがストレスを軽減させるからだといわれています。

 

 

 

 

アメリカの医師パッチ・アダムス氏は、笑いと愛の医療を40年間実践してきました。

 

 

 

 

笑いが生命の持つ自然治癒力を高め、難病の治療にも効果があることが示されています。

 

 

 

 

1998年びは彼の生き方と活動をテーマにした映画も製作され、世界的に影響を与えています。

 

 

 

 

何もしないよりも失敗したほうがいい

 

 

 

 

「いつか良くなるのではないか」こんなことを漠然と考えている親がいかに多いことでしょうか。

 

 

 

 

わたしは言います。「何もしなければよくなりませんよ」と。世間体を気にして、外に分からないように隠そうとしている親、いつかよくなるだろうと放っておく親、何か悪いことをしないだろうかと監視しているだけの親・・・・。

 

 

 

 

「いつか良くなるだろう」という希望を持つことは構いませんが、手を打たずしてよくなることなど残念ですがありえないのです。

 

 

 

 

子どもは「どうしたらいいかわからない、もうどうでもいい」と、気持ち的に追いこまれているのです。

 

 

 

 

どうしたらいいかわからず日々苦悩している子どもに「将来何をしたいのか」と聞くこともナンセンスですが、それを放っておくことはもっとよくありません。

 

 

 

 

子どもはどうしたらいいのかわからなくて、泥沼のなかでもがいているのです。誰かに助けてもらいたいと思っているのです。

 

 

 

 

そんなときに親が引っ張ってあげなくて誰が引っ張ってあげるのかとわたしは問いたいです。

 

 

 

 

母親に「子どもが良くなるなら、針の橋を渡れますか」と質問することがあります。

 

 

 

 

そうしますと、たいていの母親は子どもが良くなるためなら何でもしますと答えます。

 

 

 

 

であれば、なぜ世間体など気にしているのでしょうか?自分を犠牲にしてもいいから、わたしが引っ張っていくんだという気持ちをもっと前面に出してもいいのではないでしょうか。

 

 

 

 

子どもを救うことと仕事や世間体とどちらが大事なのでしょうか?はっきり言って生活のことを考えてしまうような親では子どもは救えません。

 

 

 

 

子どもだって自分のことがいちばん大事だと思ってくれない親を信頼しますか?

 

 

 

 

だから子どもが何か問題を抱えていたら、親は真っ先に気づかなければなりませんし、手をうってあげなければなりません。

 

 

 

 

まして世間体など気にしている場合ではありません。どんなことをしてでも救ってあげるという気持ちを持たなければ、子どもは救えません。

 

 

 

 

わたしが見ている子どもたちも、まず親と面接をします。わたしに頼む親は、子どもを救う選択肢として他人に預けるということを選んだのです。

 

 

 

 

この子をなんとか救おうという気持ちを持ったうえでわたしに預けているのです。

 

 

 

 

その気持ちが通じるから、わたしも全力で子どもを支援、指導するし、親の気持ちも子どもに入っていくのです。

 

 

 

 

自分では面倒を見きれないから他人に預けてしまおうという気持ちの親であれば、わたしは預かりません。

 

 

 

 

第一預かってもそういう親ではうまくいきません。そういう気持ちは通じます。子どもだって厄介者を見るような目で親から見られていたら、それを必ず感じます。

 

 

 

 

子どもはすべての人に見捨てられた気分になるでしょう。まずなんとしてでも救ってやるんだ、自分がやるんだという気持ちを持ってください。

 

 

 

 

方法論はそれからです。わからなくて悩んでいる子どもに「どうしたいのか?」と意見を聞いても仕方がないでしょう。

 

 

 

 

そうなっているのなら、親がしっかりと方針を決めて、信じた道に子どもを導いていく以外に方法はないのです。

 

 

 

 

その方針を決めるのにわからなければ、おじいちゃん、おばあちゃん、自分の兄弟、親戚、会社の同僚、学校の先生、専門家などに意見を求めればいいのです。

 

 

 

 

それなのに世間体を気にして、隠そう、隠そうとしているとすれば、やっていることが逆ではないですか。

 

 

 

 

子どもが親からどう思われているのかを敏感に感じるように、おじいちゃん、おばあちゃん、もあなたのことをわかっていますし、周り近所の人だってわかっています。

 

 

 

 

時便では隠しているつもりでも、わかっていると思ったほうがいいのです。そんなことよりも、子どもを救うという一点に集中してください。

 

 

 

 

そして決めた方針に自信を持って進んでください。今日から毎日声をかけるようにする、まず相談しよう、食事の時間は一緒に食べるようにしよう、専門家に話してもらおう、病院に連れて行こう・・・・、方針を決めたら実行してください。

 

 

 

 

もしうまくいかなくても、失敗したと嘆かないでください。それですべて終わりではありません。

 

 

 

 

違う方法を考えればいいだけです。わたしたちプロがやっても、うまくいかないことのほうが多いのです。

 

 

 

 

しかし、そこであきらめないで次の方法を考え、何とかしてあげようという気持ちを持ち続けているから結果を出せているのです。

 

 

 

 

失敗などない、それは良くなるまでの過程でしかない、と言っておきます。

 

 

 

 

ですから、必ず立ち直らせるという信念を持って、子どもを引っ張っていってください。

 

 

 

 

あきらめず、投げ出さず

 

 

 

 

ひきこもりから抜け出すためには、その状態にもよりますが、ある程度たっぷりとした時間が必要です。

 

 

 

 

子どもへの対応は、時宜に応じて微妙に変わります。その場その場で親がどう理解し、対応していったらよいか、という微調整が不可欠です。

 

 

 

 

そのためには長期的に、そしてきちんと通うことのできる援助機関と専門家を「身近な場所」で探すことが肝心です。

 

 

 

 

もしも親自身が子どもの訴えに傷ついてしまい、その傷がゆえに子どもに心を開くことができないときには、関係の回復のために、まずは親自身の心のケアが必要になるかもしれません。

 

 

 

 

どちらか一方の親に責任をなすりつけ、片方が逃げている家族の場合には、両親が協力しあう態勢が整うまで、状態が改善されることは望めないでしょう。

 

 

 

 

子どもが問題を呈したとき、その解決に向けて何年かかるとしても、あきらめず、投げ出さず(いえ、疲れたらときどき投げ出してよいのです。

 

 

 

 

それは小休止。そしてまた、戻ってきてください)、両親が一緒に対応を考えるようになる家族には、良くなっていく脈があります。

 

 

 

 

繰り返しますが、親の仕事とは、よい先生を見つけて任せることではなく、「自分たち家族のことを一緒に考えてくれる自分たちの先生」

 

 

 

 

を身近な場所に探し、どうしたらよいか、相談しながら問題解決の道を模索していくことです。

 

 

 

 

つまり「よい先生」がいるのではなく、それは互いの関係のなかでつくっていくものです。

 

 

 

 

わたしたち援助専門家が治すことができるのではなく、わたしたちはよくなっていく過程の手助けを精一杯するだけ、なのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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