いじめる側の心理
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いじめる側の心理

いじめには、暴力をふるったりからかったりする直接的ないじめと、仲間はずれにしたりシカト(無視)をするといった間接的ないじめがあります。

 

 

 

 

 

また、その背後にあるいじめの心理も一通りではありません。そこにはいくつかの違った心理がはたらいています。

 

 

 

 

 

人は誰でも人よりも勝ちたいとか、優れていたいという気持ちを持っています。

 

 

 

 

 

そういう気持ちがあるから、ゲームに熱中するし、スポーツや勉学に打ち込みます。

 

 

 

 

 

優越の気持ちは人を成長させる原動力です。

 

 

 

 

 

しかし、ゲームやスポーツ、それに勉学でも皆ルールがあります。どんなに勝ちたくても、ルール違反をすることは許されません。

 

 

 

 

 

同様に、人間関係にもルールがあります。誰でも優越への欲望を持っていますが、いじめは人間関係のルールに反してまで、人に優越したい、人を凌駕したいとする行為です。

 

 

 

 

 

このため、暴力で、あるいは言葉によって他の子どもを無理やり押さえつけ、苦しめ、自尊心を傷つけます。

 

 

 

 

 

優越と密接に結びついている心理に、支配の欲求というものがあります。これは、人を自分の思い通りに動かしたいとか、人に影響を与えたいという気持ちです。

 

 

 

 

 

支配の欲求もまた誰にでもあります。優越欲求と同様に、支配欲求もそれ自体が悪いものではありません。

 

 

 

 

 

人を指示したり、従わせることは多くの人にとって快適なものです。一般には権力欲求と呼ばれています。

 

 

 

 

 

会社員だったら、誰でも出世を望むと思いますが、部下を持ち、より大きな責任を任されることは、負担であるとともにやりがいでもあるでしょう。

 

 

 

 

 

ほかにも、弁舌によって人を動かしたり、女性的魅力によって男性を支配するなど、人々はさまざまなやり方で支配欲求を満たそうとします。

 

 

 

 

 

ここに上げたものはどれも悪いことではなく、それを嫌だと思う人はいるかもしれませんが、それは人の好きずきであって、社会的には問題ありません。

 

 

 

 

 

しかし、腕力で人を無理やり従わせようとするなら、これは社会的に非難されることになります。

 

 

 

 

 

小さい子どもたちの間ではそうしたことがたびたび起こります。

 

 

 

 

 

たとえば、遊びのやり方、おもちゃの使用などをめぐってけんかが起こったりします。

 

 

 

 

 

しかし、子どもたちはやがて暴力はルール違反でよくないことだと気づき、別のやり方に移っていきます。

 

 

 

 

 

 

たとえば、お願いするとか、交換条件を出すとか、順番が来るまで我慢して待つとかです。

 

 

 

 

 

子どもが成長するにつれてやり方は変わりますが、支配や優越の欲求自体はなくなることはありません。

 

 

 

 

 

しかし、それにばかり固執するとか、現れ方が悪かったりすると問題となります。

 

 

 

 

 

その一つの形態がいじめです。繰り返し同じ子どもに暴力を加えたり、みんなでこづきまわしたり、からかったりする行為は、自分たちが優越していることを確認し、相手を押さえつけ、支配欲を満たそうとする行為です。

 

 

 

 

 

女の子たちの集団は、一人の子を仲間はずれにし、聞こえよがしにひそひそ話をしたり、目配せあったりして相手の子どもを心理的に追いつめます。

 

 

 

 

 

被害者の子どもからすると、直接暴力の対象となることも嫌なことですが、多数から排斥されたり、悪意のある仕打ちを受けることも非常に辛いものです。

 

 

 

 

 

これらの行為はその子どもの自尊心をおおいに傷つけ、惨めな気持ちにさせます。

 

 

 

 

 

女の子のこうした間接的ないじめは、国が違っても共通して見られます。

 

 

 

 

 

それは、男の子とは違うやり方で優越や支配の欲求を満たそうとするものです。

 

 

 

 

 

当人たちは、大人からいじめの行為をとがめられても、「そんなつもりはなかった」と言い逃れできると思っているようですが、それは浅知恵というもので、そんな言い逃れは通用しません。

 

 

 

 

 

優越や支配の欲求は、思春期の頃から高まってくる自己への関心と無関係ではありません。

 

 

 

 

 

この時期の子どもたちは、自分自身に強い関心を持つようになります。

 

 

 

 

 

自分がどんな人間か、どんな容貌で、どんな身体的特徴があるのか、何が得意で何が不得意か、何が好きで何が嫌いかなど、自分の性質や特徴を知ろうという気持ちが強まります。

 

 

 

 

 

これにともなって、自己価値の感覚も発生します。これは、自分がどれくらい優れた人間か、自分がどのような価値を持つ人間かという感覚で、一般には、自尊心あるいはプライドと呼ばれています。

 

 

 

 

 

「あの人は、プライドが高い」といえば、ネガティブな評価になりますが、これはプライドを表に出す人という意味で、内面的には誰でも一定の自尊心を持っています。

 

 

 

 

 

言い方を変えると、自己価値の感覚を持ちたいと思っています。これを本当に失ってしまうと、うつ病になってしまいます。

 

 

 

 

 

そうした人たちは、「自分は何をやってもダメな人間だ」、「自分には何の価値もない」と思い込み、仕事にも勉学にも意欲を失ってしまいます。

 

 

 

 

 

うつ状態の人を見るとわかるように、人が健康な気持ちで生きていくためには、自己価値の感覚が必要です。

 

 

 

 

 

誰でも、どこかに心のよりどころを求めています。勉強やスポーツが得意な子どもは、そこに自分の価値を見い出すことができます。

 

 

 

 

 

明瞭に意識しなくても、周りの人からほめられるとうれしいし、人よりもうまくできると達成感を感じることができます。

 

 

 

 

 

こうした評価や成功の経験が自己価値の感覚を強めます。

 

 

 

 

 

遊びやゲームも自己価値を生み出します。得意な子どもにとっては、それが彼らの心のよりどころになり、上手になろうといっそう努力します。

 

 

 

 

 

このほかに、「友達が多い」「人から頼りにされる」「人に優しい」など、人づき合いの面で自負心を持つ子どももいます。

 

 

 

 

 

小学生の頃までは、子どもたちは周囲の人たちからかわいがられ、親や家族に愛されて暮らす中で、自然に自己価値の感覚が作られていきます。

 

 

 

 

 

かわいがられて育った子どもは、初対面の人と接するとき、あるいは新しい場面に出て行くときも、あまり強い不安や恐怖を持つことがありません。

 

 

 

 

 

それは自己価値によるもので、「自分人から受け入れられる」、「自分は何でもやればできる」といった漠然とした感覚を持っているからです。

 

 

 

 

 

幼い時代の自己価値感は、人が社会を生きていくときの心理的安定剤のはたらきをします。

 

 

 

 

 

これは、周囲の人の扱いによって形成されるもので、子どもの側からすると、受身的に作られるものといえます。

 

 

 

 

 

思春期になると、子どもたちは自分の価値を積極的に求めるようになります。

 

 

 

 

 

「自分には人よりも優れた点はあるのだろうか」、「自分が人よりも良い点とはなんだろうか」と自分自身を振り返るようになります。

 

 

 

 

 

しかし、簡単には自分の価値を見い出すことができません。

 

 

 

 

 

思春期の子どもたちは、他の年代と比較すると、一般に自分に対して厳しい見方をする傾向があります。

 

 

 

 

 

このため、自分の不完全な点や人よりも劣った点ばかりに目がいき、その結果、劣等感を持つ傾向があります。

 

 

 

 

 

また、思春期の子どもたちは、見方が主観的なので、客観的にはなんでもないことで深刻に悩んでいる場合もあります。

 

 

 

 

 

たとえば、勉強やスポーツが得意に見える子どもの中にも、内心では不安が強く、自信がないといって悩んでいるものもいます。

 

 

 

 

 

また、容姿についても、人が気づかないような些細な点を気にして、引っ込み思案になっている子どももいます。

 

 

 

 

 

思春期は、自己価値への強い願望はあるけれども、多くの子どもたちが自己価値に確信を持つことができない不安定な状態にあります。

 

 

 

 

 

また、その自尊心はもろく、些細なことで傷つき、自信を失いやすいともいえます。

 

 

 

 

 

いじめと自己価値感は強く結びついています。人をいじめる子どもたちは一般に、自己価値感が不安定です。

 

 

 

 

 

彼らは他の子どもをいじめ、優越感を得ることによって、自分の自尊心を維持しようとします。

 

 

 

 

 

自分自身に自信が持てないことから、人を押さえ込み、支配することによって自分の力や地位を確認しようとするのです。

 

 

 

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