いじめにはどう対処するか
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いじめにはどう対処するか

専門家によると、いじめられる子どもの側にも一定の特徴が見られるそうです。

 

 

 

 

 

わがままだったり、乱暴だったり、あるいは未熟で他の子どもの遊びについていけない子どもは、他の子どもから敬遠されやすいので、仲間はずれになることは確かに多いようです。

 

 

 

 

 

しかし、いじめの実態を見てみると、特別に問題のない普通の子どもも、いじめの被害者になる可能性はあります。

 

 

 

 

 

それは、いじめは人間の心理に深く根ざしているものなので、どんな人づき合い、どんな集団でもそれが起こる可能性があるからです。

 

 

 

 

 

したがって、親も子どももいじめとかその原因となる対人関係のトラブルに対しては、それは起こりうるもの、社会生活にはつきものとして心の準備をしておく必要があります。

 

 

 

 

 

いざそうしたことが起こっても、それをあまり深刻に考えず、冷静に受け止めるなら解決の方策も見つけやすいのではないでしょうか。

 

 

 

 

 

好き嫌いは理屈ではない

 

 

 

 

 

人にはそれぞれ好き嫌いがあります。ある人はチーズが好物ですが、別の人は大嫌いということもあります。

 

 

 

 

 

それは理屈ではありません。人づき合いにもそれはあります。

 

 

 

 

 

どんなに気をつかっても、人から嫌われたり疎まれたりすることはあります。

 

 

 

 

 

人に嫌われまいと自分を抑えて一生懸命人に合わせてばかりいると、逆に「誰にでもいい顔をする」と言われたりします。

 

 

 

 

 

人の思惑など無視し、わが道を行くというやり方をしていると、高慢だと反発されてしまいます。

 

 

 

 

 

どんなやり方をしても食べ物の好みのように、それを嫌に思う人はいるものです。

 

 

 

 

 

誰からも好かれようとすることが、そもそも不可能なことです。

 

 

 

 

 

人と対立したり、争ったりすることは、誰にとっても嫌なことですが、人づき合いの中では必ず起こります。

 

 

 

 

 

対人葛藤を避けようとするなら、とにかく我慢ばかりしなければなりません。

 

 

 

 

 

しかし、そうして我慢しても嫌われてしまうことはあるのです。結局、人はそれぞれで違った価値観、違った好みを持っているから、合わないことがあっても仕方がないと割り切るしかありません。

 

 

 

 

 

嫌われたくないと思い、友達関係に依存しすぎるとそれがだめになったときのダメージが大きくなってしまいます。

 

 

 

 

 

信頼していた友達から裏切られたら誰でもショックでしょうが、だからといって怖くて人づき合いができなくなるというのは、反応が極端すぎます。

 

 

 

 

 

友人だからといって、自分と同じ人間ではありません。自分に都合の良い期待をしすぎるから、裏切られたという気持ちになるともいえます。

 

 

 

 

 

お互いに別々の人間であるということを認め合ったうえで、友達として付き合っていく必要があります。

 

 

 

 

 

人づき合いでは、人と適切な距離をとることが大切です。思春期は友達が何より大切になり、その付き合いに熱中します。

 

 

 

 

 

その中で、傷ついたり失望したりといった経験を積みながら、人づき合いの仕方を学んでいきます。

 

 

 

 

 

いじめもその中で起こることがあります。集団での付き合いでは、自分にはその気がなくてもほかの子どもからは、いじめられたと思われることがあります。

 

 

 

 

 

人のギャグに思わず笑ったことが、別の人を傷つけてしまうといったことがあります。

 

 

 

 

 

自分の言動が人からまったく違って解釈されることがあるといったことを経験する中で、人づき合いにおける主観と客観の違いなどに気づいていきます。

 

 

 

 

 

対人葛藤についても、ただ避けるだけではなく、しかし、激しく対立するのでもない、穏やかな解決方法を身につける必要があります。

 

 

 

 

 

それが、いじめに対する適切な対処法にもつながります。

 

 

 

 

 

大学生に調査をすると、3人に1人くらいの割合で、いじめにあったことがあると回答します。

 

 

 

 

 

口をそろえて、それは「とても嫌な経験だった」と言いますが、同時に、多くの人がそれはプラスの面もあったと言います。

 

 

 

 

 

彼らは、「人と自分の感じ方、受け取り方の違いに気づいた」、「人との距離のとり方がわかった」、「それを克服して、自分が強くなったと思う」と答えます。

 

 

 

 

 

いじめや対人葛藤はどんな人間関係でも起こりえます。それに対する対処スキルを身につけることも、子どもたちにとって重要な発達の課題です。

 

 

 

 

 

悪質ないじめ

 

 

 

 

 

ただし、いじめの中には、通常の対人関係上のトラブルというよりは、もっと悪質なものもあるので、大人も子どももこれには注意が必要です。

 

 

 

 

 

トラブルから発展したいじめではなく、加害者たちが計画的に引き起こすいじめがあります。

 

 

 

 

 

そのひとつのタイプは、集団を利用して一人の子どもを心身ともに追いつめるものです。

 

 

 

 

 

集団でからかって笑いものにしたり、こづいたり、時には暴力をふるったりします。

 

 

 

 

 

被害者が逃れようと思っても、しつように追いかけ回します。この場合は、加害者たちが自分たちの支配や優越の欲求を満たすために、あるいは、単に遊びや気晴らしの手段として、いじめを行っています。

 

 

 

 

 

自分たちの利己的な欲望を満たすために、人の人格を傷つけるという意味で、極めて悪質な行為です。

 

 

 

 

 

もっと悪質なのは、弱い子どもを脅して金品を巻き上げるもので、これはもう犯罪と呼ぶしかありません。

 

 

 

 

 

実際にそうした事件が時々起きています。被害金額も、数十万、数百万とばかにならない額の事件もあります。

 

 

 

 

 

暴力で脅かされて、お金を持ってくる子どもがいると、不良仲間が連絡し合い、入れ替わり立ち替わり恐喝者が現れて、同じ子どもからお金を取るといった手口の事件もありました。

 

 

 

 

女の子の場合には、性的な被害を伴うこともあります。こうした悪質ないじめについては、早期に発見して、被害者の子どもが傷つく前に解決をはからなければいけません。

 

 

 

 

 

しかし、悪質なケースも含め、子どもどうしのいじめに大人が気づかないことがよくあります。

 

 

 

 

 

人の目につかないように、巧妙に行われるケースもあるのですが、しかし、後から聞いてみると必ず周囲でそのことを知っている子どもたちがいます。

 

 

 

 

 

また、被害者本人もいますから、どうして大人たちがわからなかったのか、不思議な気がすることがあります。

 

 

 

 

 

ここには、思春期の子どもたちの特別な心理があります。

 

 

 

 

 

いじめに限らず、何か被害を受けたり差別的な扱いを受けても泣き寝入りをするということがよくあります。

 

 

 

 

 

はたで見ている人はじれったいと思いますが、当人は黙って我慢しているということがあります。

 

 

 

 

 

専門家は、大人も子どもも人は自分が被害者であることを認めたがらない傾向がある、と言います。

 

 

 

 

 

それは、自尊心を守るためです。

 

 

 

 

 

人から差別されているとか、いじめられていると認めることは自分が惨めな状態にあることを認めることです。

 

 

 

 

 

だから、そうした状態を認めたがらないというわけです。いじめの被害者が、そのことを親や教師に訴えない一つの理由はこれです。

 

 

 

 

 

こうした場合、よく子どもたちは「親に心配かけたくない」とか「親に怒られるから」と言いますが、本当の気持ちは惨めな様子を親に知られたくないのです。

 

 

 

 

 

思春期の子どもたちは自尊心やプライドを持つようになります。惨めな様子を親に知られるのは、いじめられたことに加えてさらに彼らのプライドを傷つけることなのです。

 

 

 

 

 

「親に怒られる」というのも子どもの気持ちをよく表しています。

 

 

 

 

 

自分が悪くなくても、子どもたちは何か問題が起こったとき、そのことを親に言うことをためらう傾向があります。

 

 

 

 

 

たとえば、自転車に乗っているとき自動車に引っ掛けられて怪我をしても、たいした傷でなければ親には言わないという子どもが結構います。

 

 

 

 

 

そうしたとき、彼らの心の中には、「あんたがボーッとしていたからでしょ」とか「だから、いつも気をつけなさいと言っているでしょ」といった親の小言が浮かんでいます。

 

 

 

 

 

自分が悪いわけではなくとも、問題に巻き込まれたというだけで、「叱られるのではないか」と思ってしまう子どもたちが多くいます。

 

 

 

 

 

しかし、何も言わないでいると、もっと深刻な状態になることもあります。

 

 

 

 

 

たとえば、後から事故の後遺症が出てきたり、いじめがますますエスカレートしたりすることがあります。

 

 

 

 

 

だから、親は普段から、「問題が起こったら、必ず親に言うように」、「そのことで責めたりはしないから」といったことを、子どもたちによく言って聞かせておく必要があります。

 

 

 

 

 

また実際、不用意に子どもを責めたりせず、子どもが問題を報告しやすいような親子関係を作っておくことも大切です。

 

 

 

 

 

悪質ないじめの場合には、「親に言ったら、もっとひどい目にあわせるぞ」と被害者を脅していることもよくあります。

 

 

 

 

 

本当は、大人に話すことがいじめから逃れる唯一の道なのに、その脅しを真に受けて恐怖から口をつぐんでしまう子どもたちもいます。

 

 

 

 

 

それは加害者側にとっては思うつぼです。

 

 

 

 

 

特に、気の弱い子どもが言いなりになりやすく、加害者側がそうした子どもを選んで標的にすることもあります。

 

 

 

 

 

このように、プライドや恐怖から、あるいは問題を大げさにしたくないといった気持ちから、いじめの被害者がそのことを隠している事がよくあります。

 

 

 

 

 

親も教師も、こうした子どもの心理を理解し、いじめを見逃さないように気をつけなければなりません。

 

 

 

 

 

ただ、いじめには、悪質なものと人間関係のこじれから生じるものがあり、その見きわめは大切です。

 

 

 

 

 

悪質なものに対しては、断固とした態度で対処すべきです。

 

 

 

 

 

しかし、人間関係のこじれから生じた問題については、いわゆる「いじめた側」とされた子どもたちを加害者扱いすると、被害者を増やすことになりかねません。

 

 

 

 

 

誰を悪者にするということではなく、むしろ、両者の和解を目指すべきでしょう。

 

 

 

 

 

ただその場合も、からかわれたり、仲間はずれにされたものも辛さはみんなが理解する必要があります。

 

 

 

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